いきなり異世界、すぐ異世界!!
「おぉぉ、大成功ですね!!」
目の前で嬉しそうに跳ねる巨乳美少女。幼さを残すその顔に反して身に纏うローブをパツパツにするほどその胸はよく育っている。
「ようこそ英雄さま!私の名前はティナです!」
「ど、どうも。飛田 海史です。」
「ヒダ・カイシ?どちらが家名でしょうか?」
家名?、あぁ苗字か。
「飛田が家名です。海史が名前。」
「おおお!新しい英雄様のお名前はカイシ様!素敵です!」
よく分からんがどうやら俺は凄いらしい。よく分からんが。
「なあ、よく分からんが俺はいった…」
「うぉぉお!!英・雄・格!!!」
俺が今の状況を確認しようとした時。右から吠える男の声が。
よく見ると足元はぼんやりと発行する魔法陣があり、その周りをティナも含むローブを着た6人が囲っていた。
今叫んだのもそのうちの1人。50代くらいだろうか?チラチラと白髪が混じっている。
「契約は覚えているだろうなっ?!英雄格を呼べたぞ!後払いは5人だ!!!」
「あー、はいはい。ほんと最低な奴ですね。」
ティナが一気にだるそうな顔になりその男を見る。何5人って?
ふとティナの後ろの方に5人の若い、10代前半であろう少女が暗い表情で立っているのに気がつく。
ま、まさか……生贄?…
「ふん。歳はギリ私の好みだが牛のような惰乳を垂れ下げた女が我を最低とは。我に抱いて欲しくばその乳を削いでから懇願するといい。」
「誰が惰乳じゃ!!垂れる所かピチピチだわ!!てかお前みたいな奴に抱かれるとか死んでもゴメンだわ!!」 ティナがその愛らしい顔を鬼のように歪め男に言う。何だこれは……
「あ、カイシ様。お見苦しい所を……」
「あのさぁ、あの子達どうなるの?」
全くこの状況を飲み込めない俺はティナに問いかける。
「あー、召喚は6人の強力な術者が必要なんですよ。ですが最近高齢の術者が亡くなってしまいまして。」
「じゃあ、あの男は……」
先程の男は5人の少女達へ汚い笑顔を向けながらにじり寄っている。
「昔は優秀な術者だったらしいんですがね。6年前に性欲が知識欲を上回り、少女にピーして捕まったんですよ。」
な、なんて奴が俺を呼び出したんだ。
「あいつ以外この術に耐えれる者が居なくて。なのでこのような事態に……」
ティナが哀れむ目を5人の少女へ向ける。今から起きる事を想像すればそうなるのも無理はない。
「と、止めることは出来ないのか?」
「無論、可能です。しかし、継続的な召喚が行えなければ人類はどんどん衰退して行ってしまうので……これは必要な犠牲です……。」
あぁ、どんやら俺が呼ばれたこの世界の人間は。それなりに末期の状態なのかも知れない……。