運が良い人祭
運
例えば百枚のくじの中から一枚だけ存在する当たりを引く確率は百分の一である。
しかし、偶然にも一回目でそれを引けば結果だけ見れば一分の一である。
「ふう、今年もありとあらゆる『運』に纏わるゲームを集めてきたぜ」
「和紙屋。今年は気合いが入っているな」
はちまきを巻いた男が、スーツの男に近づいて話した。
「ああ、古本屋。久しいな」
「久しいって、一年ぶりだろ。ん? これは?」
「おう。今年のイベントの『特性トランプ』だ」
スーツを着た和紙屋の店主の手には、それは素晴らしいトランプが置かれてあった。
「トランプを和紙で? はは、面白いな」
「そういう古本屋は何をするんだ?」
「俺は……久しぶりにこの右腕を出そうかと思ってな」
「お前……本気か?」
額に汗を浮かべる和紙屋。その対面に立つ古本屋の目は本気だった。
「はは、今年は負けそうに無いな」
「ああ。負けるわけにはいかねえ。何としても勝って、ヤツの不敗の称号を打ち落とそうぜ」
そう言って、和紙屋が一枚の紙に筆で文字を書いた。
『打倒。百戦錬磨の輝夜姫!』
☆
『第十二回、運が良い人祭を始めます!』
アナウンスが鳴り響き、会場は盛り上がった。
場所は某商店街の少し離れた大きめの公園。そこには『運が良い人祭』という看板が大きく飾られてあり、全国から運が良いと自負している人が集まっていた。
『赤コーナー、競馬で大当たりを出した田中さん! 青コーナー、宝くじで組違いの前後賞(配当金無し)を当てた佐々木さん!』
「おおおお!」
「これは見物だぜ!」
「あの佐々木ってやつ、ばら売りで組違いの前後二つを出したらしいぜ?」
「すげえ、俺だったら立ち直れねえぜ」
そんな歓声が響く試合内容は『じゃんけん大会』だった。
勝つ確率は三分の一。しかしあいこになれば再戦が続き、最後は勝敗が決まってしまう。
大人から子供まで、誰でも勝つ可能性が均等にあるゲームである。
「悪いな。俺の運は馬よりも高見を目指しているんだ」
「馬鹿だな。くじ運で俺に勝るヤツは一等を取ったヤツ以外いねえ。この勝負……もらったあああ!」
そしてじゃんけんが始まる。
『じゃんけんぽん! あいこです!』
「おおおおおおおおおおおお!」
「すげえええ! あの緊張感でどちらも引かねえ。これは今世紀に残る試合だぜ!」
会場は熱気に包まれた。そして田中と佐々木は額に汗を浮かべ、呼吸を荒くしていた。
「はあ、はあ。やるじゃねえか。まさか『チョキ』を選ぶとはな」
「お前もな。だが、次で終わりだああ!」
『じゃんけんぽん!』
そして会場は一気に静まり返った。
『勝者、田中選手!』
「おおおおおおおおお!」
「競馬が宝くじに勝ったぞ!」
「あいつ、今年一等当たるんじゃねえか!」
「友達になっておこうぜ!」
そんな声が響く中、田中と佐々木は熱い握手を交わしていた。
「負けたぜ。俺の分まで勝ち進んでくれ」
「はは、宝くじ前後賞(組違い)に言われたら負ける気がしねえな」
そのお互いを称える姿に自然と拍手が鳴り響いた。
その瞬間だった。
「!」
「なん……だ、このしびれる感覚は!」
気迫。殺気。全てが含まれた『何か』に田中と佐々木、そして司会までもが唾を飲んだ。
「やっと準決勝ね。いつまで待たせるのよ」
「なっ! い、いつから!」
「いや、いつからって最初からいたわよ」
鋭い目。黒い髪。白い肌。
男女問わず誰もが初めてその姿を見ると、その美しさに見とれてしまうだろう。
しかし、去年は全員がその後の出来事に『彼女』の姿が悪魔にも見えたと言う。
「さあ、さっさと始めるわよ。後があるんだから」
「あ、ああ。待ってくれ『輝夜姫』。心の準備が」
「心の準備って……じゃんけんよね?」
しん……と静まり返る会場。観客は一瞬現実に戻りつつあった。
「アレが……輝夜姫か」
観客の一人がぽつりと話し、全員がじっと見る。
「『ぼたもち一年分』という豪華景品を前にして冷静でいられるとはな」
「ああ。さすが去年の覇者……いや、『破者』と言うべきか」
昨年の祭で『殆どの競技』において勝利した輝夜姫。その存在は近所でも有名である。
「すーはー。ああ、いいぜ」
田中が右腕を出し、司会者にアイコンタクトを送る。準備完了の合図だ。
『それでは行きます」
会場が再度静まり、全員がその勝負の行く末を見届ける。
『じゃんけんぽん!』
そして出された手は。
田中はパー。
輝夜はチョキだった。
「くそおおおおおおおおおお!」
田中はその場で膝をつき泣き叫んだ。
「いや、じゃんけんよね? え、私がおかしいのかしら?」
輝夜は混乱しつつも決勝へ進む権利を得た。
「いんや、全くおかしくねえぜ。『輝夜姫』さんよ」
「貴方は?」
「俺は古本屋の店主でこのじゃんけん大会のスポンサーさ」
「あら、貴方があの『ぼたもち一年分』を用意したのね?」
「そうさ。輝夜姫はかなり食に関して食いつきが良いと聞いてな。今回は『高級ぼたもち』を準備させて貰った。もちろん生菓子だから『ぼたもち専用の商品券』だがな」
「十分よ。さあ、始めましょう」
そして古本屋はステージ中央へ向かった。膝を地につけている田中の肩をぽんぽんと叩いた。
「ふ、古本屋、その右腕は!」
「ああ。久しぶりに本気を出そうと思ってな」
輝夜はそのやりとりに首をかしげた。
「おい、古本屋って確か」
「ああ、そうだ。昔黄金の腕を持つ男として名を広めた名医だ」
「そうなのか! 何で古本屋に!」
「それが……詳しくは知らねえが、急に辞めて実家を継いだとか」
そんな観客のやりとりに耳を傾けた輝夜は珍しく相手に質問をした。
「へえ、貴方、医者だったのね」
「……ああ。だが、大事な人を救えねえただのヤブだ。今は古本屋さ」
「ふーん。まあ、それはそれ、今日は今日で勝たせて貰うわ」
「それはどうかな?」
「?」
古本屋は右手を出した。誰がどう見てもグーだ。しかし少し大きくも見える。
「ん? 俺の目が悪いのか? 古本屋の手がぼやけて見える」
「馬鹿、アレこそが黄金の腕と呼ばれた理由さ。人間離れした反射神経と手の動きで数ある難病患者を救ってきたと言われているんだ!」
「まさか……この商店街にそんな隠し球がいたなんて! これは……勝てるかもしれない!」
「頑張れー!」
「負けるなー!」
声援が響き、会場は盛り上がった。
「さあ、あいこ何てありえねえ。悪いが勝たせて貰う!」
「ふーん」
『では行きます。じゃんけん……』
そして一瞬会場は静まり、その結果は……。
★
『皆ー、鬼ごっこしようぜー』
『えー、やだよ。絶対最初に勝つのは君じゃん。じゃんけん無しで君が鬼で開始だったら良いよー』
『そうだそうだー』
古本屋は生まれ持って得た才能の所為で周囲から軽くいじめられていた。
あり得ない手の動き。そして反射神経。地味であるが故に脚光を浴びることは無かったが、近所レベルで有名ではあった。
そんなある日、祖母にいじめられていることを相談したところ、祖母は突然じゃんけんをし始めた。
『じゃんけんぽん。じゃんけんぽん。じゃんけんぽん。健ちゃんは強いね』
『でも、これが原因で友達とじゃんけんができないんだ』
『ふふふ。何も遊びはじゃんけんだけで決める必要は無いさ。そしてこの才能は将来別な場所で役に立つさ』
『別な?』
そのとき、偶然祖母の近くにはミカンが置いてあった。
『健ちゃん。このミカンの白い部分を取れるかい?』
『それくらい……』
目にも止まらぬ速さ。そしてミカンを傷つけずに白い部分だけを取り除き、祖母へ渡した。
『ありがと。ふふ、綺麗なミカンだ』
『珍しいね。いつもは栄養がって言って白い部分も食べるのに』
『ふふ、ちょっと見てみたくてね。健ちゃんのその繊細な手の動きや瞬時の判断能力。きっと将来は医者になれるさ』
『お医者さん?』
『そうさ』
そして祖母は棚にある古本の中から一冊の本を取り出した。内容は医学に関する書物だ。
『才能をどう生かすかは健ちゃん次第さ。それを使わなくても良いし、それを伸ばすも良し。それにここには沢山の知識がある。健ちゃんは一体、これから何をしたいんだい?』
その言葉に少年は目を輝かせて答えて……。
★
『ぽん!』
賑わっていた会場も静かになった。
凄まじい気迫と熱気に圧倒する観客も現れた。
結果は……。
古本屋、チョキ。
輝夜、グー。
『しょ、勝者、輝夜姫!』
「おおおおおおおお!」
「ふ、古本屋が、ま、まけたああああ!」
「俺らの希望があああああ!」
ドッと盛り上がる会場。そして言葉を失う古本屋がそこにいた。
「ま、まさか負けるなんて……」
「じゃんけんで『良い勝負』という概念があるとは思えなかったけど、今回だけは言わせて貰うわ。『良い勝負だったわ』」
「馬鹿な! お前の手の動き、そして俺の切り替え。全てが完璧だった筈だ!」
古本屋にとってじゃんけんは『運』では無く『競技』だった。相手の手の動きを見て、素早く自分の手を変える。もちろん同時のタイミングで出さないとルール違反になるため、古本屋の動きは『人間離れした動き』に等しい。
「何故だ! 小指までも動き、勝ちを確信した! それなのに!」
「馬鹿ね」
古本屋を一言で黙らせた。そして会場は再度静まった。
「爪が甘いのよ。もし私の手の動きを見て自分の手を変えるのであれば『最後まで』やり遂げなさい。じゃないと『また』失敗するわよ」
「なっ!」
かつて名医と呼ばれた古本屋。しかし引退した理由は祖母の手術の失敗の所為だった。
幸い命だけはつなぎ止めたものの、足を動かすことができず、現在も車椅子で生活していた。
しかし、それは古本屋が最後の確認を怠った為に発生した事情であり、それが無ければ今でも祖母は元気に古本屋で働いていたであろう。
「まあ、私には関係ないけど。高級ぼたもち、いただくわよ」
「く……」
そして、古本屋主催の『じゃんけん大会』は、静かに幕を閉じた。
☆
和紙屋の催し物はトランプによる『インディアンポーカー大会』だ。
ルールは簡単で、一枚のトランプを自分以外の人に見えるように額にかざす。同様に相手も同じく額にトランプをかざす。相手のトランプを見て、自分の額にあるトランプよりも数値が大きいか小さいかを考えるゲームである。
今回の大会では相手よりも大きいと思った場合、勝負を仕掛ける。相手も同じく勝負を仕掛けた場合にゲームが成立し、数値が大きい方が勝ちとなる。
逆に相手よりも小さいと思った場合、勝負を降りる事ができる。そしてお互いカードを引き直す。
降りる回数は最大五回。そして勝負で一本取るか、降りる回数が少なかった方が勝利となる。
和紙屋はこの日の為に和紙でトランプを作り、少しでも和紙の味わい深さも広まればという思いから一枚一枚丁寧に作り上げた。
「「勝負!」」
そして和紙屋も試合に参加していた。
『勝者、和紙屋!』
「かー! やっぱり主催者は強いね。何か細工でも?」
「はは、和紙を作る最中に細工なんて出来ねえよ。なんなら記念に持ち帰っても良いぞ?」
「本当か? この筆で書かれたキングとか凄いと思ったんだよな」
「はは。大事に使ってくれ」
「ありがとよ!」
そう言って一箱、参加者には和紙のトランプを配っていった。
「さて、次が決勝か」
そう言って、先ほどからヒシヒシと感じる圧に和紙屋は戸惑うも、深呼吸をして心を落ち着かせた。
「待たせたな。『輝夜姫』」
「じゃんけんよりマシよ。こっちの方がもう少し頭を使いそうだからね」
「はは、違いねえ」
新しくトランプの箱から出された和紙のトランプ。その一枚一枚はまるで芸術品である。
「へえ、本当に細工は無いのね。それに……凄くきめ細かくてまっすぐね」
「輝夜姫様にそう言ってもらえるとはね」
「どこでも言っているんだけど、私は姫じゃないんだけど……」
和紙屋はこの一年、ひたすら和紙を作っていた。それも、ただ作っていたわけではなく、ひたすら自身を極める為である。
「すーはー。よし。それじゃあ始めようか」
「目が怖いわよ。この一年で何をしたのかしら?」
「なに、簡単なことさ。ひたすら耳を鍛えていたのさ」
「耳を?」
「和紙を作る時、途中水を使った工程がある。本来目や重さから判断するものを、俺は音を聞いて和紙を作っていたんだ」
「音……?」
輝夜が少し興味を持ったのか、目つきが少し鋭くなった。
「ああ。水が流れる音。水が波打つ音。良く聞けば和紙ができあがる時と途中の時では音が違うんだ」
「へえ。面白いわね。差し詰め『音も見ながら』和紙を作ったのかしら?」
「はは。面白い例えだな。そうだな、俺は音も見ながら和紙を作った。そしてこの耳は鍛えられ、相手の呼吸なども聞き逃さないほど鍛えられたのさ」
「凄いわね」
若干苦笑する輝夜。ため息をつき、そして試合を始めるよう司会者に促した。
『では会場の皆様はここから静かにしてくださいねー。それでは開始します! まずは一セット目、どうぞ!』
和紙屋は額にカードをかざした。一方輝夜のカードはハートの八。一番勝負に困るカードだった。
(これは……一旦降りるか)
『それでは二人とも、同時に宣言してください!』
「降りる」
「勝負よ」
「なっ!」
一セット目から勝負を唱えた輝夜。その強気に自分のカードがそれほど弱かったのかと安堵する。
流れた一セット目。しかし額のカードは気になるのでそれを場に出す。
輝夜、ハートの八。
和紙屋、スペードのジャック。
「なに! こ、これで勝負だと!」
「そうよ? 悪い?」
「だが、ジャックだ! これより上は四種類しかないぞ!」
「確率論よ。勝てると思ったから勝負をしかけたのよ。だけど、命拾いしたわ。『ありがとう』」
「くっ!」
ジャックより上はクイーンとキングとエース。そしてジョーカー。この数少ないカードを一セット目から引いているという自信はどこからくるのだろうか。
『では、二セット目。カードをどうぞ』
再度カードを渡され、額にかざす。
輝夜のカードはハートのクイーン。誰がどう見ても強いカードである。
(これは無理だ! くそ、さっきの降りた試合がここに響くとは!)
『それではお互いどうぞ!』
「降りだ」
「勝負よ」
今度は輝夜の宣言に和紙屋は驚かなかった。元々降りるつもりの試合に動揺は……。
輝夜、ハートのクイーン。
和紙屋、クローバーのキング。
「ば、ばかなああああ!」
和紙屋は叫んだ。どう見ても輝夜から見れば悪手である。さっきよりも数値は上がり、確率の話しを通り超えたものである。
「何故勝負をしかけた! いや、仕掛けることができた!」
「何故って、勝てると思ったのよ?」
エースかジョーカー。五枚しか無いカードを引けていると思うその心境は一体どこにあるのだろう。
強すぎる。そう思うしかなかった。
「それよりも、一年間修行したのでしょう? 私から何か状況が読み取れたのかしら?」
「くっ!」
和紙屋は若干気にしていた。
淡々と進むゲーム。そして呼吸の乱れ、心臓の音、声の歪み。それら全てが試合前と変わらず、何も読み取ることが出来ないのであった。
「はーはー」
「あら、呼吸が乱れているわね」
「だ、黙れ。それよりもどうしてそんな平然といられる!」
「平然? そんなことは無いわよ?」
「何?」
そう言って輝夜は横を見た。
「仙人堂のカステラ十パック。通常一切れでも一ヶ月待ちだと言うのにそれが十パックなんて、平然といられると思う?」
「そん……なっ!」
異常だと和紙屋は思った。
運とはいえ決勝という状況。相手に勝つか負けるかの瀬戸際なのに、彼女の頭にはカステラしか無かった。
『では、三セット目行きます』
気がつけば三セット目のカードが配られた。
焦る和紙屋だが、少し希望が見えた。
輝夜の額にはクローバーの三のトランプ。
(っくあ、はーはー。落ち着け。この一年の特訓を思い出せ)
深呼吸をして心を落ち着かせる和紙屋。
『どうしますか?』
司会者の質問を冷静に答える。
「勝負」
「勝負よ」
(勝った!)
そう、思った。いや、思ってしまった。
まるで輝夜は和紙屋の心を読んだかの様に、微笑んだ。
「その表情から察するに勝ったと思ったのね」
「なっ!」
「そしてその一瞬の焦り。きっと私のカードは低いけど可能性はある。おおよそ三か四くらいかしら?」
「……」
「ふふ、指摘されて黙るということは図星ね」
輝夜の言っていることは確かだ。確かに輝夜のカードは三。そしてその下は二しかない。
だがその可能性はかなり低い。そしてその少ない可能性をこの場で引くという可能性もかなり低い。
「……ありえない。そんな現実が偶然にもこの場で起きるとは思えない!」
「そうかしら? それにしても残念ね。さすがに『勝てるか引き分けるか』のカードが目の前に見えたら、さすがの私も少し笑ってしまうわ」
「なっ!」
「古本屋は生まれつきの才能を伸ばしたが故に生まれた慢心で失敗をした。貴方は付け焼き刃の特技を使いこなせずに失敗をした。結局貴方たちは自分に自信を持ちすぎたのよ」
「だが、二なんて確率、一番低いカードが来るとは思えない!」
「あら、じゃあ私のカードは三なのね。ふふ、もうカードを見ても良いかしら」
そう言って輝夜はカードを出した。
クローバーの三がテーブルに置かれる。
「正解ね。さあ、勝負なんだから出しましょう?」
「くっ、今みせてやらああああ!」
勢いよく出されたカードは……。
ハートの二。
「なっ!」
会場はその状況を一部始終眺めるしかできなかった。声を出せばヒントとなってしまうため、インディアンポーカー中はずっと黙っていた。
「それに、貴方が取得した呼吸や表情を見る戦術は私もよく使っているの。経験が違うわね」
「馬鹿な! こんなことが!」
「それと、一つ助言しておくわ」
そう言って輝夜はカステラを持って背を向けて話した。
「一番可能性が低い勝負は、相手がエースの時よ」
その言葉を残して輝夜は去って行った。
和紙屋やその黒髪、そして夕日に映る影を見てぽつりと呟いた。
「あれは輝夜姫なんて生やさしいモノじゃねえ。あれこそ『ジョーカー』だよ」
お久しぶりです!そして今回もノリと勢いとノリとノリで書いた作品となります!
今回は少し一話目を意識してできる限り『くだらなさ』を前面に出した話ではありますが、それなりにストーリーがあったりなかったり……いや、無いかもですね汗
楽しんでいただけたら嬉しいです!では!