オパール町へ
7.オパール町へ
メアリ「森の出口が見えたよ~♪」
スピカ「やっと抜けたわね。飛行を解除するわよ」
森を抜けた先は美しい芝生の景色が広がっていた。近くに湖と町らしき物がメアリ達の目に飛び込んだ。
レグルス「いい景色ね~。とりあえず湖の横の町に行ってみましょ」
メアリ達は西に向かって歩いていた。視界は遠景が山に囲まれており、南西の方角に一際目立つ火山が見える。
そして一行は湖のそばの町の東門に到着すると衛兵が話かけてきた。
「君たちは冒険者だね。ここはオパール町だ。情報収集なら町の冒険者ギルドに行ってみるといい」
三人「ありがとうございます」
オパール町はエメラルド村よりも大きな町みたいだ。全体的に石造りの街並みで整えられている。山に囲まれており、石が採掘できるためだろう。冒険者ギルドは基本的に結界がある村や町には必ずあってクエストの受注と報酬が受け取れるらしい。森で狩った魔物の戦利品もほとんど売る事ができた。
メアリは冒険者ギルドの受付嬢に尋ねた。
「ここの周辺にはどのような情報がありますか?」
「そうですね~。まず隣に見える湖ですが、海底洞窟と水の神殿があるのですよ。でも海底探索にはドワーフが作る特殊なアイテムが必要ですね」
「そのドワーフの王国ってどこにありますか?」
「ここから南西の火山をご覧になったと思いますが、その山道は修行の場所になっているんです。でもその山の地下に秘密がありましてね、実は地底世界と連結しているんですよ。そこにドワーフの王国があります」
「おお~それは冒険しがいがありますね~。他には何かあります?」
「えっとですねー、あとはここから北の山には峠道があるんですよ。そしてその峠から更に北へ乗り超える道と東への尾根道が分岐するんですが、尾根道の先には氷の神殿があるみたいですよ」
「ありがとうございます!」
メアリは受付嬢に尋ね終わると、二人の方を向いた。
「さて、色々と情報を入手したけど、どうしよっか?」
レグルス「そうね。ひとまず宿屋に泊りましょ」
スピカ「うん。わたし疲れちゃったよー」
「おっけー。それじゃ夕食の時にまた集合で」
レグルス「おつかれ~」
スピカ「おつかれ~」
宿屋の部屋にて
メアリ『いや~今日も楽しかったな~。ロールプレイ万歳!』
レグルス『そろそろ弓スキルとか鍛えていくかな~』
スピカ『夕食楽しみ~♪』
食堂にて
メアリ「おお~ここが宿屋の食堂か~」
スピカ「意外とおしゃれな雰囲気じゃない♪」
食堂は木製の床にテーブルがいくつも設置されており、しっかり掃除がなされていてピカピカしていた。テーブルの上に宿泊者の名前が書かれた三角錐が置いてある。
メアリ「メアリ様3名……あった!ここだね!」
三人がテーブルに着くとウェイトレスが水を持ってきた。
「いらっしゃいませ。今日の夕食コースはこちらのメニューからどうぞ」
食堂の雰囲気に三人とも感動した様子でコップを持った。
三人「おつかれさま!」
カンッ(乾杯音)
メアリ「ぷは~……じ あ”わ”ぜ だぁ~~」
レグルス「森で入手した品物がだいぶ売れたから豪華なコース頼んでもいいと思うけど、どうする?」
メアリ「もちろん一番良い料理にしちゃうよ~」
スピカ「マジ?わたし地上界の宿屋料理とか食べたことないから楽しみ♪」
メアリ「食費とかは気にしなくて大丈夫でしょ。いざとなればレグルスが作ってくれるし。でも錬金の材料は足りてるの?」
「問題ないわよ。パーティで入手した錬金Pは私が使えば低コストで作れるから、基本的にアイテム関連は私が管理しようと思うけど、今後もそれでいいかしら?」
メアリ「おっけー」
スピカ「任せるわ」
「了解。あと人事決定や旅の目的の決定権はメアリね」
「あいよ」
スピカ「…メアリと会った時点でわたしの人権は無かった……」
メアリ「あは↑笑。仕方ないね☆」
そんな会話をしているとウェイトレスが料理を運んできた。
「お待たせいたしました。特上コース料理でございます」
メアリ「待ってました!」
三人「いただきま~す♪」
三人は特上料理を飲むように食べ、デザートまで食らい尽くした。
レグルス「ふう……食べた食べた~。錬金で作ったものとは違う次元のおいしさだから満足だわ」
メアリ「だね~。それじゃまた明日の朝。町の中央で待ち合わせで!」
レグルス「はい。おやすみ~」
スピカ「おやすみ~」
……翌日、三人が集合してメアリが指揮を取る。
「さて、今日はとりあえずオパール町の周辺を探索しようね」
レグルス「ほい」
スピカ「しゅっぱ~つ♪」
三人は特に準備など何も考えずに町の西門から外へ出た。……いや、昨日が例外的に順調だったためテンションが上がって準備の事は頭に無かったのである。