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『TLS第三話』  作者: 黒田純能介
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女の闘い


放たれた弾丸が迫り来るこの状況で、如月は冷静だった。



梶浦が、スパイだったとは。…迂闊だった。


…だが、このままでは済まさん!



ガギィィン……!


目の前で起きた事に、鳴神はしばらく理解が持てなかった。


カンッ。コロコロコロ…。


一閃。その一撃で如月は弾丸を叩き落としていた。


「…そんなもので私が殺せると思うな…」


鳴神はやっと状況を理解する。


「…フ、フフフ…。良いわぁ…。まさかそんな芸当が出来るなんてね」


銃を懐へと戻す。


「久し振りに楽しい思いができそうね…。行くわよ!」


鳴神が飛び上がった。直後、流星の様な蹴りが襲いかかる!


「ちいっ!」


如月は後方に飛びずさる。そのまま構えを―――


「!?」


既に眼前へ、鳴神が迫っていた。薙払う手刀が襲いかかる!


「くっ!」


咄嗟に杖を突き出したが、反応が遅かった。防御の体勢が出来ていない白木の杖は、あっさりと弾かれ如月の手を離れる。


ヒュン!更に追撃。如月は身を伏せて躱すと足払いを掛ける!…しかし当たらない。


鳴神は再び飛び上がってそれを躱すと、懐から苦無を二本取り出す。


ヒュン!ヒュン!


息をつかせぬ連撃。如月は躱すのに精一杯である。


ヒュン!


最後の一撃を躱すと、大きく後方に飛び上がった。


「……」


丁度側に転がっていた杖を拾い上げる。


「ハァッ!」


一気に距離を詰め、薙払いから振り下ろし。鳴神は薙払いを半歩引いて躱すと、苦無二本で杖を受け止めた。


ギリ、ギリギリギリ。


如月は更に力を込める。


「……なかなか良い筋しているわね」


「でもガードがガラ空きよっ!」


瞬間、鳴神が身体を捻る。杖の軌道を反らし―――


ドカッッ!体勢の崩れた如月の溝落ちに鋭い蹴りを浴びせる。


「がっっ!?」


華奢な身体が宙に舞う。


ズザザザッ…!


如月は背中を激しく擦られながらも、足に力を込め立ち上がる。



……強い……。本気でいかねば殺られる…。



スッ、と構えを正眼に変える。


鳴神はそれを見ると、楽しくなってきた、と言わんばかりに口元を歪めた。


まだ、闘いは終わらない…。


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