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『TLS第三話』  作者: 黒田純能介
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double-cross


浅野が男から逃げていた頃。如月と梶浦は…



スタスタスタ。


足早に裏道を進む。


如月は先程届いていた、挑戦状の場所へと急いでいた。


タッタッタッ。


背後から走る音。梶浦だ。


「おーい!待てったら!」


梶浦は如月に追い付くと隣りに並ぶ。


「あんまり突っ走るなよ」


「お前が遅いだけだ」


如月は素っ気無い。梶浦が肩をすくめる。



―――程なくして、敵に送りつけられた地図の場所に到着する。


眼前には鉄の二枚扉。張り付き、そっと開ける。―――敵の姿は見えない。


グンッ、と一気に開け飛び込む。


ズザッッ。


姿勢を低くし、辺りを伺う。


……どうやら広めのホールの様であった。扇状に階段と、座席が設置されている。


―――不意に、階段上に人影。如月が身構えた。


「ようこそ。私の獲物さん」


…人影は女だった。スーツを着込んだ華奢な姿が、窓から差し込む光に写し出されている。


如月は直感した。


「お前か?アキラを殺したのは?」


女は残酷な笑みを浮かべる。


「そうよ…フフッ」


肯定と取った瞬間、如月が吠える。


「貴様ッッ!」


「動かないで」


突如向けられた銃口に、如月の動きが止まる。


「フフッ…物分かりが良い子は好きよ。……ねぇ?梶浦」


「はい…鳴神さん」


その言葉に、如月は驚愕の視線を梶浦に向ける。


「な…に……?梶浦……?」


その様子を見て、鳴神が後を続ける。


「そうよ。彼がスパイ。よくやってくれたわ」


「な…何故だ!」


如月が問う。梶浦は薄く笑うと、


「何故?……ハハッ。俺は元々『G・B』の人間さ。…滑稽だったぞ。お前が掌で踊らされていた姿は」


……如月は観念の印なのか、徐々に視線を落としていく。


「…さてと。おしゃべりはこの位にしましょう。…梶浦。アナタは外の見張りをなさい。まぁ、邪魔は入らないだろうけどね」


「了解しました。……如月。もうお前に会えないとなると残念だよ。…じゃあな。ハハッ」


梶浦はひらひらと手を振り、扉の外へと姿を消した。


「…フフッ。悔しい?でもアナタはここで死ぬの。残念」


鳴神の指が、トリガーを引き絞る。


パンッッ!


静寂を打ち破る銃声が木霊した。


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