"二番手"少女の小さな願い 4話
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時間は飛ぶように過ぎた。今日はコンテストの日だ。
「美咲~頑張ろうね!」
いつも通り眠たそうな、だるそうな声で話す百合奈と
「小浦先輩、頑張りましょうね! ソロが成功することを祈ってます!」
知ってか知らずか若干プレッシャーを掛けてくる陽。
「……変わったわね、美咲。今の貴方なら大丈夫。本気でいってらっしゃい。」
先生が背中を押してくれる。
「はい、私頑張ります。先生、見てて下さい。」
≪エントリー番号333番、日向ダンススクールより、小浦美咲、木下陽、谷沢百合奈の3名のステージです。≫
女の人のどこか冷たいようなアナウンスが響く。
「よし、百合奈、陽。全力出すよ。」
「はい!」「はーい」
私……否、私達の努力が、このステージが輝く時が、いよいよ来る。
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ステージは大成功。見事にソロも成功し拍手喝采を浴びた。
「先輩、やりましたね! これはグループ成績1位もありますよ!」
「美咲、輝いてたねぇ。私は嬉しいよ。」
2人が口々に声を掛けてくる。だけど私の耳にはあまり届いて来なかった。
座席についてからもずっとそわそわしている。やっぱり個人成績が気になる。
≪グループ別成績を発表します……≫
「おお、ドキドキですね谷沢先輩!」
「まあ、1位でしょ。そこまで気を張ることもないと思う。」
「先輩クール……!」
≪グループ別成績、1位は、日向ダンススクールの小浦、谷沢、木下のユニットです。≫
会場がざわめく。その反応は、どこかわかりきっていたような、そんなようにも聞こえた。
≪続きまして、個人成績を発表いたします。≫
「……来たっ」
ざわざわしていた会場一気に静まり返る。この個人成績は、1位を取れればかなり凄いということになるからだ。
≪……続きまして3位、日向ダンススクールより、谷沢百合奈。≫
「え、私3位か。」
「先輩凄いです!!」
思わずおお、と声が漏れる。
≪続きまして2位、日向ダンススクールより、木下陽。≫
「……えっ」
会場がまたしてもざわめいた。去年に引き続き連覇するものと思っていた人が多かったのだろう。
≪それでは1位を発表いたします。≫
つかの間の静寂。やがて爆音の効果音が流れた。
≪今年のコンテスト、1位、日向ダンススクールより、小浦美咲!≫
その瞬間、大きな拍手が会場を揺らした。
文の切り方が下手。