"二番手"少女の小さな願い 2話
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いつもスクールが休みの日には、体力作りのために公園をランニングをしている。
ダンススクールに通い始めてもう10年ほどになる。だけどこれを始めたのは3年ほど前からだ。
もうそこの意識の違いなのだろうか、なんて考えてしまう。
陽は優しくて美人で、おまけに天才的に色々できる子だ。
どうせ叶うわけが無いのだ。モブ的位置の私に。
「うお、美咲じゃん。お前熱心だな。」
「あれ、修哉じゃん。なんでこんな日に。」
出会ったのは、真崎修哉(しんざきしゅうや)であった。
「美咲、お前こんなに走るやつだっけ。」
「いや、体力つけようと思ってさ。」
「なるほど、んでお前まだ永遠の二番手なのかよ。」
「うるさいわ!! 永遠の二番手で悪かったな!」
「まあ、でもお前は誰よりも頑張ってるからな。きっといつか、実を結ぶって。」
「…ああそうですか、はいはい。」
「なんだよ、慰めてやってんだろ。」
はいはい、と適当にあしらって走り出す。
修哉はいつも一言多い。その上、いっつも人を冷やかしてくる。
そんなところが、どこか修哉らしいのだ。安心するのだ。
こんな感情、わけがわからない。
ぶんぶんと首を思いっきり横に振り、音楽プレイヤーにイヤホンを差し、それを耳に突っ込んだ。