エピソード48
・2022年7月3日付
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8月14日、デンドロビウムはある動画を見ていた。プレイ動画の類ではない。とあるアニメの公式配信である。第1話が永久無料なので、その1話だけを見ているという事になるのだが――。
「まさか――」
デンドロビウムは、このアニメを見た事はある。しかし、記憶が曖昧で――内容の方も断片的に忘れている部分があるようで、久々に見える1話に期待をしているようでもあった。
アニメの内容は、現代で展開される新次元ゲームを巡り、様々な勢力と戦うと言う――考えて見れば、今の自分達に該当しそうな作品である。ターゲットユーザーは男児向けと言うべきか。しかし、表向きの内容に反し――ストーリーの途中からは急展開を迎える事になった。
今まで活躍していたゲーマー達は、スポンサーによって作られた偽者のゲーマーであり――本物と言う訳ではない。そして、ある時を境に芸能事務所が送り込んだアイドルゲーマーと戦っていき、そこで一連のゲームが芸能事務所の野望の為だけに生み出された物だと気付く。純粋にゲームを楽しむ者もいれば、ゲームを台無しにしようとする芸能事務所を打倒しようと動く者もいた。
この作品の特徴として、海外へ売り込む事も考慮してか基本的に物理退場者がいないことだ。ハリウッドにでも売り込む可能性があったかもしれない。つまり、この作品がメインにしているのはデスゲームではないという事なる。しかし、この作品ではARゲームと入っていない。あくまでも新次元のゲームとしか言及されておらず、そのシステムや構造は色々と不明な個所が多いだろう。
最低でも魔法的な何かという説明が登場人物から語られているので、現在のARゲームとは根本的に違う部分があるのだろう。時としてSNSでの炎上マーケティングが展開されたり、超有名アイドルに対するバッシング、更にはARゲームを巡る駆け引きなども展開されているのだが――それは1話だけでは分からない。あくまでも、第1話なのでゲームの内容や主人公の目的等が触れられている程度だろう。
しかし、この作品以外でもデスゲーム物やゲームを題材にした作品はいくらでもある。玩具も売り出すようなキッズ系アニメ、カードゲームアニメとは違い――関連グッズは出ているが、その多くはフィギュアやゲームだったと言う。
関連グッズ的な部分や商業展開から、このアニメはターゲット層を間違えたとも言われている。実際、この作品の反省点を生かす形でターゲット層を変えた作品がヒットしたので、この考えは間違っていなかったという可能性が高い。
【やはり、この作品は早すぎた作品だ】
【設定等は今でも通じるのに、ターゲットを間違えたとしか思えない】
【この作品のフィギュア、再販されないのが痛い。転売屋から買わないといけないのか】
【そう言えば、この作品のコスプレイヤーって――】
【ARゲームでも似たような作品が出ないか――って、今だといくつかあるのか】
つぶやきサイトでも、作られた時期が早すぎたアニメという評価が多く、後の同系統のアニメ等を踏まえると――。それでも根強いファンが多いのも特徴で、未だに考察サイト等も稼働しているのが特徴となっていた。しかし、このタイミングで青騎士騒動やアーケードリバースの一件との類似性を疑われるとは、夢にも追わなかっただろうが。
しかし、このアニメが残した物は非常に大きかった。後にパワードスーツ物のジャンルを生み出すきっかけになった事、ARゲームのベースを生み出すきっかけにもなったという話がある程である。
「このアニメが、何を語ろうととしていたのか――」
自室で見ていたデンドロビウムだが、30分もあっという間である。1話を見終わってからは、情報集めに様々なサイトを巡る事になるのだが――。
「この動画は、まさか――?」
デンドロビウムが目撃した動画、それは例の話題になっていた動画だったのである。その動画を見た彼女は自分が出ていた事にも驚くのだが、それ以上に動画の構成や演出、SEや流れているBGMも――。
「この内容は間違いない――あのアニメか」
そして、彼女は先ほどの動画が今まで見ていたアニメをアーケードリバースのプレイ動画でつなぎ合わせたMAD動画と言う事が分かった。しかし、それが分かったとしても、この動画が作られた経緯を彼女が見破る事は――今の段階では出来なかったという。




