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ARゲームに挑む我侭姫とプレイヤーたち-不正破壊者の我侭姫-  作者: 桜崎あかり
ステージ3

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エピソード46-2

・2022年7月3日付

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 廃墟フィールドでアーケードリバースをプレイしていたジークフリート、そこに姿を見せたのがガングートだった。彼女としては、ある事に関して疑問を持っていた事に関して――情報屋に尋ねようとしたのである。しかし、ジークフリートとしても何を答えるべきなのか――悩む内容だったのは事実なのだろう。


『貴様は、チートプレイに関しては寛容な方か?』


 ガングートの質問を聞き、思わずジークフリートも真顔になる程の内容だったのは間違いない。


『チートプレイや不正ガジェットが取り締まりを受けているのは、知らない訳ではないだろう?』


 ジークフリートの方も若干のやる気をそがれた様子で話すのだが――それで引き下がるわけではない。認識の違いはゲームジャンルによって様々なのだが、チートプレイを寛容としているARゲームが存在するのだろうか?


『ソレはこちらも把握している。しかし、彼らのやっている事は魔女狩り――あるいは言葉狩りの類だろう?』


『言葉狩りとは――まるで、まとめサイトや炎上マーケティングの片棒を担ぐような言い方だな』


 ジークフリートは直球でガングートに問いただす。チートプレイは正規プレイで楽しんでいるゲームプレイヤーを減らすだけでなく、下手をすればゲームの運営終了を加速させる事を意味している。だからこそ――チートキラーに代表されるプレイヤーがチートプレイヤーや不正アプリの根絶をする為に動いていると言うのに。


 これ以上の対話は不可能だろうとジークフリートはグレートソードでガングートにダメージを与えようとするのだが、なかなか攻撃が当たらない。これに関してはガングートの動きが素早いという話もあるのだが、それだけで片づけられるのか? 彼女の方が気づかない間にチートガジェットを手にしていたのでは――というギャラリーの声もある。


【ジークフリートが不利だな】


【ここまで苦戦したシーンは滅多にない。チートプレイヤーでもない限り】


【相手はプロゲーマーのガングートだ。海外プロゲーマーの力量を測るのにミスがあったのだろう】


【国内のARゲームをメインとするプロゲーマーもいるのは知っているが、海外ゲーマーも注目するのか?】


【海外のFPSやTPSが日本でブレイクした一例もある。それと同じだろう】


 つぶやきの実況が流れる間にも、ガングートはスペツナズナイフを複数投げるが――ジークフリートはグレートソードでナイフを弾き飛ばす。しかし、ジークフリートとしては速攻で片づけなければいけない理由があった。それは――ゲージ差にもあったのである。ジークフリートが赤チーム、ガングートが青チーム扱いなのだが――そのゲージ差は一目瞭然だった。


「ゲージが1割?」


「ジークフリートが倒れれば、チームとしても負けが決まる」


「しかし、他のプレイヤーはいないはずでは?」


「アーケードリバースはチーム戦が前提だ。ソロプレイが出来るエリアは限られている。それに――」


「何時の間にモードが代わっていたのか?」


 周囲のギャラリーもモードが代わっていた事実には気づいていなかった。ガングートが乱入した段階でモードが変わったのか? しかし、実際にはジークフリートはフィールドの親プレイヤーであり、乱入してきたガングートや他のプレイヤーはマッチング待機――と言う事らしい。



 結果として、バトルの方はジークフリートのチームが敗北をした。ガングートの方もチームとしては勝利したが、浮かない表情をガングートがしている事からして――。


『私は――チートプレイヤーがこちらのプレイに迷惑をかけなければ、ある程度は許容するつもりでいる』


 そのガングートの言葉には、今までの様な言葉の強さ――カリスマ性は感じられない。まるで、ジークフリートの言葉に動揺を受けているような気配さえ感じるだろうか。


『だが――貴様達は、私の目的に水を差した! その罰は――』


 次の瞬間、ガングートは複数のシールドビットを展開していた。このビットは他のプレイヤーも使用するような汎用ARウェポンであるのだが、アーケードリバースでは滅多に見かけない。


 そして、ビットを飛ばした瞬間に自分のチームに所属していたはずのプレイヤーめがけてビットを飛ばしたのである。まさかの展開にジークフリートは言葉を失う――ある意味で、悪い意味でのチートブレイカーを見たのかもしれない、と。周囲のギャラリーも閉口、一部の悪目立ちしようという人間は動画にしてテレビ局に売り込もうとさえしている。


「この動画を、あのテレビ局に投稿すれば――昼の情報バラエティーで――」


 動画を投稿しようとしたギャラリーは、瞬時にして動画を録画していたスマホの電源が切れた事に違和感を持つ。そして、背後を振り向くと、そこにはデンドロビウムの姿があったのである。彼女の右手には、スマホのジャミングに使用されるジャミングアプリがインストールされたARガジェットが――。


「やはりと思って場所を移動してみたら、ビンゴだったとは――」


 デンドロビウムの表情は――善人と呼べるのかどうか不明の笑みを浮かべている。まるで、今回のネット炎上勢の行動が芸能事務所Aの差し金である事が100%だと言うのを証明するかのような――。


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