エピソード44-7
・2022年7月3日付
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青騎士に便乗したネット炎上勢力は減りつつあるのだが――その一方で、怪しげな動きをする勢力はいくらでもある。つまり――ネット炎上や炎上マーケティングその物を禁止しなければ、この状況が改善する事はないのだ。炎上マーケティングを形を変えた世界大戦と揶揄するアカウントまである位に――。結局は、日本で起きる事件は超有名アイドルの芸能事務所A及びJにとってはタダで宣伝出来るネタでしか過ぎないのだ。
今こそ我々は、コンテンツ流通の1%にも満たないような芸能事務所A及びJのファンに反旗を翻す時が来たのである。全ての世界を芸能事務所A及びJのアイドルファンで染め上げて、地球上から紛争をなくそうと言うような発想は――WEB小説等のフィクションにすぎない。
それこそ、特定アイドルファンの作りだした妄想にすぎないのだ――そうした実在アイドルを題材にした夢小説でランキングを独占するような存在こそ、我々が打倒さなくてはいけない存在であり――。コンテンツ流通その物を――芸能事務所は国会をも掌握して自在に操ろうとしているのだ。それこそ、自分達の都合のよい存在に――。
超有名アイドルコンテンツだけで日本の国債を償却し、国家予算を確保出来る税収を確保出来る世界――それこそが、日本にとっての楽園であり、理想郷であるのだ。
「馬鹿馬鹿しい――特定芸能事務所を陥れようと虚偽記事で超有名アイドルファンを釣ったとして、誰が得をするというのか。1%にも満たないような少数派の勢力に」
まとめサイトの記事をチェックしていたのは、ビスマルクだった。彼女は別の用事で秋葉原へ向かう予定だったのだが、橿原隼鷹が草加市で目撃されたという情報をネット上で発見し、予定を変更したのである。それに加え、この記述がアカシックレコードに存在する警告文書の類とは違う事も知っていた。
しかし、ビスマルクは警告文書のオリジナルを知らないのに加え、この件に関わっているであろう人物も警告文書のオリジナルは――。それ程にまとめサイトのコピーや炎上勢力のアフィリエイト系サイトの一部個所だけを抜き出したコピーペーストのテンプレばかりが出回っている――と言っても過言ではない。
アルストロメリアは、ある人物の正体に関して探るようになっていた――その人物とは、山口飛龍である。彼の会社である武者道も聞き覚えのある会社名だが、それ以上に山口の名前は別の何処かで聞き覚えがあるのだ。同姓同名の別人と言うのは、探せばいくらでもいるのだが――。
「誰もが言及を避ける存在――アカシックレコードの警告文書。その原文を見た物は誰もいないと言う話だが――」
ファストフード店出の間食が終わり、彼女はARインナースーツを装着してアンテナショップへと足を運んでいた。そこで彼女が遭遇した人物、それはジャック・ザ・リッパーである。
『アカシックレコードを探るのは、貴様だな』
ジャックの方は、黒マントにARメットと言う何時もの装備をしている。黒マント自体、ここ最近は見ていなかったのだが――あの装備では不審者扱いされる為に使う場所を考えていたのだろう。
「ジャック・ザ・リッパーね。あなたもチートプレイヤーを狩るサイドと聞く」
アルストロメリアが何かを聞こうとしていた瞬間、ジャックは右腕に装着していたロングソード型ガジェットをアルストロメリアに突きつける。しかし、ARガジェットを殺傷に使用するのは禁止されているので、あくまでも威嚇としてだが。
『お前のやり方は姑息過ぎる――何故、正々堂々とチートプレイヤーを倒そうとしない?』
「チートプレイ自体はARゲームでも禁止されている。それを力で持って理解させる事自体――あの人物と同じだと気づかないの?」
『あの人物――北条高雄の事か』
「――っ!」
アルストロメリアの表情は、北条高雄の名前を出されたと同時に怒りの表情を見せ始める。しかし、ここで騒ぎを起こせば――それこそ出入り禁止になるのも目に見えているので、怒りを抑えているのだが。
『超有名アイドルのAとJが――ありとあらゆるモノを自在に操る――』
「それこそ――アイドル投資家の一部が地球上のありとあらゆる事件を、自由自在に起こせる――そう言う事よ」
アルストロメリアの方も、ARガジェットのパイルバンカーを展開し、ジャックに取りつこうとするのだが、それをジャックは瞬時に弾き飛ばす。単純な行動パターンであれば、簡単に攻略は可能だとジャックは行動で説明しようと言うのだろうか?
『邪魔なコンテンツ――それも超有名アイドルAとJのライバルになりそうな物は、影の圧力で潰す――それもネット炎上と言う形で』
「そこまで知っているならば、アーケードリバースが生まれた理由を――本当の目的を――」
ジャックに対し、アルストロメリアは本当の目的を言おうとするのだが、これに関しては口外禁止と明記されているのを思い出す。下手に発言し、ネットが炎上してしまえば――それこそ芸能事務所側の――特定メディアの思う壺だからである。
『アーケードリバースだけが特殊だとは思わない。単純に資金の差と言うのであれば、それこそ芸能事務所のやっている事と変わらない』
ジャックの発言に対し、否定をしたい事は山ほどある。しかし、それらを反論する事は――真の目的をネット上に拡散してしまう事を意味していた。時が来れば公開はするが、タイミングが――今ではないのである。




