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ARゲームに挑む我侭姫とプレイヤーたち-不正破壊者の我侭姫-  作者: 桜崎あかり
ステージ3

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エピソード44-5

・2022年7月3日付

行間調整版へ変更

 午後3時、ガングートが他のプレイヤーの様子を見ている頃には、ハンゾウの姿はなかった。


『彼らも慈善事業でやっている訳ではないのは――分かるだろう?』


 ハンゾウがあの時に言っていた事は自分でも痛いほど分かる。自分が過去にアイドル活動をしていた時が、まさにソレだったからだ。


「過去は――もう振り返らない。復讐が何も生み出さないのは――」


 デンドロビウムが言った事も図星だった、ハンゾウの言った事も当たっている。それに加えて、復讐を行動原理にしても――それは悲しみを生み出すだけ。一時的な目標にはなるかもしれないが、その後に残る物は――既に分かっている。



 8月11日、デンドロビウムは別のアンテナショップでチートプレイヤー討伐をしていたと言う。


「この世界に神と言う概念は存在しない。そして、チートプレイを神の力と自称するような連中も――認める訳にはいかない!」


 相変わらずのスタイリッシュなプレイには、周囲のギャラリーも驚きを感じるのだが――。彼女のプレイスタイルはガジェットをフルに使用したタイプであり、チートのような類に頼るタイプではない。その彼女に喧嘩を売るチートプレイヤーも気の毒としか言いようがないのだが、チートプレイを更に厳しく取り締まるようになったのは、青騎士騒動からである。


 つまり、あの事件がなければ偶然に持ち込まれたようなチートは本人が言わない限りは――と言うジャンルもあったのだ。


「チートの存在は、普通にゲームをプレイしているユーザーからは悪意しか感じないだろう。それに、スコアアタックでも悪影響を及ぼす」


 デンドロビウムの言う事には一理ある。そんな言葉を語りながら、ビット兵器やレールガンなどで次々とチートプレイヤーを叩き潰す。マッチングではチートプレイヤーではないプレイヤーも混ざっているので、こうしたプレイヤーは一切無視し、デンドロビウムはチートプレイヤーだけをピンポイントで刈り取る。


 チートプレイヤーに手を貸すのであれば同罪と言う勢いで全てをせん滅するチートキラーもいるので、デンドロビウムのこのやり方に関しては――疑問を持つプレイヤーが多い。


【チート狩りはどれも一緒じゃないのか?】


【高雄の事例は特殊すぎた。しかし、アルストロメリアのように通報形式と言うのも――】


【結局、個別で自衛していくしか方法がないのか?】


【結局は――過去の事例を繰り返すのか】


【しかし、チートは違法な技術――取り締まるのは当然じゃないのか?】


 つぶやきサイトでもデンドロビウムのやり方を疑問に思う人物は存在し、それに加えて過去の事例を挙げる人物もいた。中でもアルストロメリアの様な運営へ通報するタイプを姑息と言う人物もいる一方で、どっちもどっちと言う人物もいる。結局は五十歩百歩の言い争いなのは言うまでもないが。



 様々な所で橿原隼鷹の市民マラソンの件が取り上げられていた。一連の事件をARゲームの宣伝に利用されたという風に捉えるユーザーは少ない。むしろ、芸能事務所側の炎上マーケティングに利用されたというのが大多数なのは変わりがないのである。


「これを、どういう風に考えるべきなのか。都市伝説が拡散していく状況を」


 ビスマルクがコンビニ近くでタブレット端末を片手に、何かを調べている。そのサイトには都市伝説が色々と書かれているのだが、そこには見覚えのあるような名前があった。


【デンドロビウム、様々なゲームでサービス閉鎖へ追い込む?】


 この都市伝説は最初のうちは超有名アイドルの芸能事務所によるデマ拡散の類と思われていたのだが――。


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