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ARゲームに挑む我侭姫とプレイヤーたち-不正破壊者の我侭姫-  作者: 桜崎あかり
ステージ3

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エピソード43.5

・2022年7月2日付

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 午後2時10分、ガングートのプレイ動画を見て反応した人物が他にもいたのだが――。


「彼女って、もしかして――」


 身長170位、いかにもビジネスウーマンと言った服装でアンテナショップにいたのは、ハンゾウである。彼女の服装は、明らかに周囲のギャラリーと比べると浮いているようにも見えるのだが――稀にゲームメーカーのスタッフが背広で来店する事もあるので、部外者な扱いはされていない。


 その一方で、ハンゾウ以上に浮くだろうと言うコスプレイヤーも数名がセンターモニターを見ているが、こちらも全く指摘されていないので、そう言う事だろう。


「プロゲーマー? 彼女が――」


 ハンゾウは口には出さないのだが、ガングートを見て別の人物が連想された。その人物とは、過去に地下アイドルとしてデビューしていたボーカルの女性である。


 その地下アイドルとは、数年前に生放送の歌番組を直前で出演キャンセルし、ネットが大炎上したした事でも記憶に残っていた。それ以上に彼女がやった大事件と言うのが、自分達は芸能事務所Aと芸能事務所Jのかませ犬ではない――という趣旨の発言を行い、SNSで堂々と拡散した事にある。結果としてアイドルグループは解散まではいかなかったが、これが原因で彼女はグループを脱退する事になった。事務所のホームページでは卒業扱いだが、彼女に言わせると強制脱退が正しい様である。


 さすがに――ここまでの泥沼劇を公表したら、事務所その物が消滅するのは目に見えているだろう。実際、彼女の発言は2つの芸能事務所が日本だけでなく世界さえも動かし、それこそデウス・エクス・マキナを人為的に生み出す存在が、あの芸能事務所であると断言した位だ。


 政治家を裏で操っているのは、2つの芸能事務所とも言及し――。


『彼女はプロゲーマーだ。それ以上でもなければ、それ以下でもない』


 ハンゾウの隣を通り過ぎた人物、それはヴィザールにも見えたのだが――彼女がそれを確認する事は出来なかった。仮にハンゾウがヴィザールと分かったとしても、警告をしてきた理由が分からないので反論できないと言うのがある。



 午後2時20分、ガングートが次に到着した場所――それは谷塚駅と草加駅の中間にあるアンテナショップである。その広さは最初に立ち寄ってショップとは違って、若干広い程度。この違いはガングートには分からずじまい。アンテナショップは設置している機種によっては広さが異なるのだが、スタッフであっても違いを把握できない人間もいるので、トリビアになるクラスの知識だろうか。


「アーケードリバースはあるようだが――」


 そのアンテナショップではアーケードリバースと狩りゲーにも似たようなリズムゲームの2機種のみ。取り扱い機種が少ない事にはすぐに気付くのだが、それに気付かせないような周囲のライバル店舗事情もあるのだろう。アンテナショップの周囲には、ゲーセンが1店舗、別のARゲームを扱うアンテナショップが3店舗存在する。3店舗で扱っていないARゲームを選んだ結果、アーケードリバースが選ばれたのかもしれない。


 なお、狩りゲーリズムゲームは別名であり、正式名称ではないのだが――。


「2種類しかないのは、どういう事なのか」


 ガングートが近くにいた男性スタッフを呼び寄せ、事情を聞こうとする。男性スタッフの方は少し思考したかのように見えたが、ガングートにはその表情を感じ取れなかった。スタッフがARメットをしている訳ではないのだが――。


「店舗の広さ的に、これが限界なので。アーケードリバースも導入予定はなかったのですが、この辺りは店長の決断でしょうか」


 ある程度の言葉を選んでいたのは――ガングートに気付かれる事はなかった。仮に言葉を選ばずに直球発言をしてしまったら、それこそネット炎上のネタにされる事は目に見えている。


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