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ARゲームに挑む我侭姫とプレイヤーたち-不正破壊者の我侭姫-  作者: 桜崎あかり
ステージ3

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エピソード41

・2022年7月2日付

行間調整版へ変更

 8月11日、日曜と言う事もあって草加市内は大盛況だった。天気も雨が懸念されていた週だっただけに。雨ではARゲームの一部がプレイ不能と言う事もあり、観光客の数も変わってくる事が草加市の調査で判明している。過去に別のARゲームで調査した結果なので、この辺りのデータがある事にも驚きだが――。


 草加市役所はゲーム課というARゲーム専門の部署以外は業務を行っていない。厳密には、ゲーム課以外の部門でも休日出勤をしている部署はあるだろうが――あまりゲーム課と一緒に仕事をしたくないと言う可能性もある。そこの部署には珍しい外見の人物がいるのだが――彼に関して話したがるような人物はいない。ARメットを被っており彼の素顔を見る事が不可能、黒い背広と言う事で男性なのは分かるが――。


【あの人物には、かなりの権限が与えられていると聞くが――】


【芸能事務所とのつながりがあると言う週刊誌報道には否定をしているが――】


【名前も不明なのが気になるが、どういう事だ?】


 ARゲームを知っているような人物でも彼の名前は分かっておらず、週刊誌報道でも市議会議員Aみたいな扱いだった。それ程に彼は周囲に名前を言う事がなかったのかと言うと――実は、そうではないと言う。一説によると、週刊誌が都合のよい報道が出来るように意図的に名前を伏せているのだ。残念だが、今のタイミングで彼の本名を知るのは――実際にゲーム課その物に消されかねない危険性もあるだろう。



 同日の昼ごろ、様々なARゲームが盛り上がっている中でアーケードリバースも盛り上がっていると思われたのだが、こちらは事情が異なっていた。


【ビスマルクが別ゲームのイベントで不在、それに――】


【新規プレイヤーでランカーに迫るスキルを持つプレイヤーは、なかなか出てこないな】


【デンドロビウムも参戦しているのを見るが、最近は――】


【アルストロメリアは?】


【そっちは試行錯誤の連続に見える】


【やはり、色々とシステムの調整で不利になっているプレイヤーが多いだろうな】


 ネット上のつぶやきでは、一連のチートプレイヤーが目撃された事件やビスマルク対北条高雄ほうじょう・たかおの一件を引きずっているとも――。そうした事情もあってか、アーケードリバースには新規プレイヤーが流れてきたとしても、以前のように盛り上がるのかは別問題だったと言う。


 しかし、悲観的な話題ばかりではない。それらの話題をまとめサイトや芸能事務所の陰謀と掃いて捨てるような――とまではいかないが。さすがに悪いニュースばかりが続き、サービスが終了するようなソーシャルゲームは山ほど――という事例になっては困るのが草加市の本音と言える可能性が高い。せっかくのふるさと納税を投入してのアーケードリバースを、ネット炎上や悪質なクレーマーと言う名の芸能事務所関係者の鶴の一声で終了したとなっては、それこそ週刊誌で叩かれかねないだろう。


「コレガ――ARゲームですか?」


 各駅停車の電車から降り、草加駅に降り立ったのは――長身の金髪モデルらしき女性だった。しかし、彼女が最初に駅から出て向かった先にあったのは、アンテナショップに置かれているアーケードリバースのセンターモニターである。彼女自体はカタゴトの日本語を話すように聞こえるのだが――どう考えても日本語はマスターしていそうな雰囲気がしていた。


「ナルホド――これは、海外でもブレイクしそうな予感がしますね」


 彼女の目が光ったように見えた――のだろうか? バスト100センチに近い巨乳と言う部分でモデルとしてはデビュー不可の烙印を押されたが、コスプレイヤーとしてなら――と単純に行く話ではない。実は、彼女はコスプレイヤーでもなければ、コスプレ専門のAV女優でもない。


 彼女の本当の職業はプロゲーマーである。しかも、FPSではガチとも言えるレベルで――。ジャンルによっては、あのビスマルク以上の知名度を誇るのだが、彼女の本名を含めてプライベートは全て謎である。だからこそ、AV女優説等がネット上で独り歩きし、炎上してしまうと言う事なのかもしれない。


「しかし、チートはいけませんね。魔女狩りのように締め出すのも――不適切だが」


 彼女の名はガングート、国籍は日本ではなく海外だが――どの国も彼女を否定する程である。仮の国籍は、信じがたいのだが異世界とパスポートに書かれていた。そんなデタラメが通じるのかと言われると――それには別の深い理由が存在している。


【日本政府が日本出身と否定しているレベルだ】


 何処の格ゲーに登場する格闘家なのか――とツッコミが入りそうだが、ガングートを日本人だと政府が否定しているのだ。この状態になった理由には色々とネット上でも説が拡散しており、真相が不明になるほどである。週刊誌も下手に虚偽の記事を書けば謝罪に追い込まれるので、ガングートの話題はタブーとされていた。そのレベルである。


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