表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ARゲームに挑む我侭姫とプレイヤーたち-不正破壊者の我侭姫-  作者: 桜崎あかり
ステージ3

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

61/187

エピソード40

・2022年7月2日付

行間調整版へ変更

 8月10日の土曜、例のマラソンに関して『動画サイトが仕組んだ物』と言う虚構情報が拡散する事になった。こうした情報を拡散しているまとめサイト等は――ガーディアンによって特定され、次々と閉鎖していくのだが――。


「次々とコピーサイトが現れる!」


「何としても、サイトを次々と生み出している元凶を特定するんだ」


「駄目です! 何らかのプログラムの影響でこちらからは発見できません」


 秋葉原にあるアキバガーディアン本部、その地下にはスーパーコンピュータを初めとした危機を揃えた秘密基地が存在している。こうした技術を使っても――次々と作られるまとめサイトのコピーを止める事は出来ない。ガーディアンのメンバーは何としても増殖を止めたいのだが、仮に止める事は出来たとしても、それは一部のエリアに限定されてしまう。芸能事務所の動向を大幅規制している草加市内や、一部の海外メディアにも知られる事となり――。


「まさか――こういう展開になるとは」


 大会後に緊急会議を開き、対策は取ったのだが――それでも芸能事務所やまとめサイト等の動きは止められなかった。これに関して、橿原隼鷹は怒り心頭――と言う状態に近い。さすがに、ここで八つ当たりをしても連中の思う壺であり、手のひらの上で踊らされているのと同義だろう。



 この状況を見かねて、動きだした人間は他にもいる。一部の夢小説勢や便乗勢力もうごいているのだが、ネット上では――それよりも取り上げられるようなビッグネームが動いていたのだ。芸能事務所の操り人形にはならないと否定し続けている――北条高雄である。


 彼女はいつもとは違う重装備型のARガジェットでチートプレイヤーを次々と狩り倒していく。その様子はチート狩りと見せかけた八つ当たり、あるいは初心者狩りをやっているかのような展開である。これに関しては一部メンバーもさすがに手が出せず、デンドロビウムでさえも静観の姿勢を崩さない。


 こうした状態になるのには、理由がちゃんと存在する。数日前から芸能事務所の動きが活発化し、その一部が暴走をしているのだ。この兆候は高雄も掴んでいたのだが、彼女は自滅を待つのではなく向こうから攻めてくるのを狙っていた。


「あーあ、これこそ芸能事務所側の思う壺――炎上マーケティングに加担していると言うのに」


 アーケードリバースのフィールドに乱入してきた人物、それはビスマルクだった。彼女の装備は戦艦ビスマルクを連想するような装備ではなく、SFラノベ系をベースにしたようなARアーマーを使用している。さすがに大型ガジェットは場所の都合上で使えない為、ARアーマーとオプション装備をバックパック等に接続していた。彼女のARメットは口元が見えるタイプのメットバイザータイプなのだが、高雄は彼女の素顔には興味がなかった――と言うよりも。


『炎上マーケティングだと? それこそ、芸能事務所側のバランスブレイカーを超えるチートではないのか』


 高雄はビスマルクに向けて、両腰に固定されたブーメランを投げるのだが――それがビスマルクには命中しない。命中はしたのだが――彼女の体をすり抜けたのである。この現象は自分プレイヤーがチートを使用している際に発生する症状なのだが――。


「こっちだって、ARゲームで炎上マーケティングとか特定芸能事務所の売り上げ工作とか――そう言うのをやられるのは、正直困るのよ!」


 ビスマルクは高雄に向かって、両肩に固定したリニアレールガンを放つ。その弾丸は10秒もたたないスピードで照準等が行われ、そのまま高雄に直撃し――クリティカルヒットによるバーストで高雄のガジェットは使用不能になった。


「馬鹿な――たった一撃で、ゲームをひっくり返したのか?」


 高雄のARアーマーが解除され、インナースーツ姿が他のプレイヤーにも晒される。既にゲージは割れていたので、ビスマルクの勝利は――と言うよりもビスマルクのチームが勝利したと言えるだろうか。


『たった一撃でひっくり返した訳ではない。君は自覚していなかった。残存ゲージに気を配らなかった結果とも言える』


「ゲージだと?」


『アーケードリバースがチームごとにゲージを持っているのは知っているだろう? そのゲージはプレイヤーの装備コスト等で消費量が変化――』


「まさか――!?」


『君の重装備は1回撃破されればゲージを大量に消費する。その計算をした上で、こちらは別のプレイヤーを撃破して回った結果――そう言う事だ』


 高雄はビスマルクの言う事に関して、錯乱状態で確認出来ない箇所もあったが――自分のプレイにミスがあった事が敗因だったのは分かった。ビスマルクも当初は別プレイヤーがチートを使っている可能性もあり、こうした作戦を提案したくはなかった。


 しかし――高雄のやっている事はネット炎上を広げているだけ、と言う事もあって一時的な協力をしていたのである。本来であれば、ビスマルクも不正ツールを使う様な連中には協力をしたくない。それこそ炎上する可能性も否定できなかったから。


 実際は若干のバランスブレイカー疑惑のあった調整されていないARガジェットを、高雄がチートと勝手に言及した事が今回の戦闘の理由でもあった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ