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ARゲームに挑む我侭姫とプレイヤーたち-不正破壊者の我侭姫-  作者: 桜崎あかり
ステージ2

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エピソード38.5

・2022年7月1日付

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 山口飛龍は、別の目的でARゲームのプレイを見学していた。理由としては様々だが、自分の選択が本当に正しいのか――という意味で。


「様々なプレイスタイルが誕生しているジャンルもあるが、悪目立ちやネット炎上に利用されるケースも相次いでいるという――」


 山口は、ふとネット上で色々と言われているケースの事を思い出していた。悪意があって炎上させているのであれば、それは問答無用にガーディアンが動く案件だろう。


 しかし、ガーディアンも今回の動きは様子見を決めている。青騎士騒動の余波を恐れているのか――? 一説には泳がせておくと言う説もあれば、芸能事務所が監視している等の噂もネット上には拡散している為――どれが正しいのかは分からない。


 やはり、情報ソースの正確性が問われているのは間違いないだろうか。そう言った事を考えながら、山口はアンテナショップ辺りを歩いていると――。


「あなた、何処かで見覚えが――」


 ある女性に声をかける。過去に似たような外見の人物を見た事があり、その顔にも覚えがあった事が理由だ。


「あなた、武者道の山口飛龍ね――都合がいいわ」


 ハンゾウは山口の出現に対し、情報源になるだろうと考えていたらしい。そして、彼女は色々と情報を手に入れようとしていたのである。



 5分後、2人はアンテナショップのロビーにあるテーブルスペースで情報の交換を行う。ここはフードコートと言う訳ではないのだが、飲み物の持ち込みは問題ないようだ。それでも――特に2人が飲み物を飲む様子はない。


「私が聞きたいのは、武者道の――ARゲームに関する動きかな」


 ハンゾウの一言に対し、山口は若干凍りついた。さすがに株式に関係するような情報をリークする訳にも――と思ったが、そう言う理由で聞いた訳ではないだろう。


「こちらとしては、株式市場を混乱させる目的の情報は提供できないぞ」


 それを聞いた半蔵は、クスリと笑う。どうやら、当てが外れたようだ。そこまで警戒する必要がないとしたら、どの辺りの話を彼女が求めているのだろう?


「私は株式なんて興味がない――」


「では、どの辺りの話を聞きたいのか」


 山口の方も株式関係の情報を聞きたい訳ではないと聞き、そこは一安心する。そして――本格的に話を切りだそうとする。


「こっちが聞きたいのは、アーケードリバースのシステム周り――運営が組んだのは些細な部分と言うネット上の噂があるけど」


「ネットの噂――まとめサイトか。あのサイトは、あまり一般人が使用していいようなサイトではないのだが――」


「本当の所はどうなの? 7割? 8割? それとも――」


 ハンゾウの聞きたい事は、アーケードリバースのシステムだった。あのルールやガイドライン、それを含めた細部調整――何処までを聞こうとしているのか? 運営が手を出したのは1割にも満たない箇所なのだが、それを言ってもよい物か。


 そこを言ってしまえば、今度はネット上が炎上しかねないだろう。運営が無能の集まりと言う風評被害を芸能事務所側が拡散し――芸能事務所の所属アイドルが神コンテンツとでも言う様な時代を再来させる気か?


 彼女は、超有名アイドルに関しては興味なさそうな表情をしていたので、そこまでの事はしないだろう。むしろ、彼女であれば芸能事務所を物理で壊滅させかねないだろう。仮に――ネット上で噂が飛び交っているハンゾウであれば――だが。


「7割――と言っても、信じてもらえないか」


 山口はどの辺りまで言うべきなのか悩んだ結果――少し言葉を選ぶ形で簡単に述べた。彼の言う7割とは、システムを含めての7割だが。


「なるほど。そう言う事ね――」


「こちらも聞きたい事がある――答えていただけると助かるが」


 山口の方も聞きたい事があったので、彼女が去らない内に聞きだそうとする。彼女の方も立ち去る気配はなかったので――慌てる必要性もなかったのだが。


「君は――青騎士ブルーナイトなのか?」


 山口の聞きたい事は色々とあったが、とりあえず一つだけ思い出した物を言う。彼女の装備が若干見えた際、そこから連想されたのは彼女が青騎士なのではないか――という疑惑だった。青騎士と言っても、ネット炎上に加担するようなタダ乗り便乗の方ではない。かつて、ヴィザールと言う名前で呼ばれていた方――。


「残念ながら、その回答に関してはノーよ。ネット上ではひどい言われようだけど」


 彼女はあっさりとノー、青騎士ではないと言う。ただし、タダ乗り便乗勢力の青騎士に関して違うと彼女は答えたのだが――。


「違う。便乗勢力の青騎士であれば、あの時に青騎士を倒したりはしない。スパイ疑惑があれば別だが」


「青騎士と言うと、ネット上やまとめサイトだと――そっちの意味で使ってる風に見えたけど」


「では、はっきりと言う。ヴィザールの名前は知っているか?」


「えっ? その単語は――初耳よ」


 山口は、便乗勢力の青騎士として否定したと考え、追記するかのようにヴィザールの方と質問をしたのだが――。彼女はヴィザールの単語自体を初耳と言う。結局――彼が探している青騎士とは違うようだった。


「それならば――話は以上だ。手間をかけてすまなかったな—―」


 山口の方は目当ての人物でなかった事で、その場を立ち去った。彼女が青騎士ではないと言うのは事実だったが――では、ネット便乗勢力は何故に彼女をピンポイントで狙うのか?


「山口飛龍――彼も、アレは言わなかった。むしろ、言及を避けたのか」


 彼女の方も何かを言わなかった事に対し、気になる部分が浮上した。チートの話は彼もしていたのだが――肝心のアカシックレコードやアガートラームに関しては、何も言う事はなかったのである。何故、彼はアカシックレコードの話題を避けたのか?


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