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ARゲームに挑む我侭姫とプレイヤーたち-不正破壊者の我侭姫-  作者: 桜崎あかり
ステージ2

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43/187

エピソード31-3

・2022年6月29日付

行間調整版へ変更


・誤植修正

不審車→不審者

 山口飛龍が向かっていた場所、それは竹ノ塚だった。本来であれば、北千住からでも乗り換えなしで西新井までは――という電車もあるのだが、山口が乗っていたのはSRという電車だったのである。SRは竹ノ塚に路線を持っていないので、北千住で強制乗り換えに近い。それ以外でも別の交通手段がない訳ではないが――タクシーでは料金がかかりすぎる、バスは時間帯的な事情で混雑は避けられないだろう。


「SRが竹ノ塚を通れば――と言うのは無理な話か」


 山口は愚痴にも近いような発言をするが、周辺の客には聞こえていない。竹ノ塚にSRの電車を通す事自体、ある意味でも無茶な話ではある。駅の構造だったり、土地の事情などもあるのだが――。



 北千住から西新井で乗り換え、そこから何とか各駅停車に乗りかえられた山口は――竹ノ塚駅に到着した。駅のポスターにはARゲームのPRやイベント告知ポスターが多い。ある意味でも他の地域が驚くような光景である。


【絶賛ロケテスト実施中】


【6フィールドで稼働中】


【プレイを待たせません】


 こうした煽りがポップで追加されているポスターなのが特徴だった。パチンコだったり、ゲーセンで見かけるような立て看板に近い雰囲気だろうか? 竹ノ塚駅で降りる客は100人単位まではいかないが、数十人以上だった。朝の通勤ラッシュ程ではないが、乗降客が多い気配もする。竹ノ塚も周辺にARゲームのアンテナショップや複合施設を抱えており、そうした事もあって観光地のようになっているだろう。


「まさか――草加市も同じような事を――?」


 竹ノ塚の周囲を見回す山口は――草加市も同じような事を行っているのではないか、そう考えていた。駅から出てくるのはコスプレイヤーのような人物もいれば、既にARバイザーを被っている人物もいる。ただし、ARバイザーを装着したまま電車に乗る事は出来ない為、バイザーの機能をオフにするかメットを脱ぐ必要性があった。この辺りは、不審者だと思われるのを防ぐ意味合いがあるのだろう。さすがに――銀行強盗などと勘違いされては、風評被害も計り知れないから。



 それから数カ月後、山口は草加市へ訪れる機会が出来た。それも、ARゲームに関する話で――。その待ち合わせ場所は、何と草加市役所である。山口の方も驚きのあまりに言葉も出ない。


「山口様ですね。お待ちしておりました――」


 この時に姿を見せた男性は市役所の職員ではなく、今回のARゲームに関するプロジェクトリーダーと言う話を聞いている。彼が実はふるさと納税にARゲームを提言した人物だと知ったのは、資料を調べてからだった。


 この時の会話に関しては、ネット上で炎上する事を防ぐ意味合いとして機密事項扱いとされている。ARゲームに関する提携等の話は大抵が密室で行われるケースが多く、オープンで行われる事例は非常に少ない。ネットでの炎上を懸念しているのは誰でも同じかもしれない――と思う。


 自分もネットで炎上し、風評被害が生まれるのは好ましく思っていない。しかし、これでは建設系の企業で過去に事例があった談合ではないのか? こうした疑問をプロジェクトリーダーは、こう答えた。


「ARゲームの技術自体、産業スパイに狙われるほどに喉から手が出る程のシロモノ――それこそ、軍事転用も可能でしょう」


 ほぼ直球発言と言ってもよかったのである。これがつぶやきサイト等で流れれば、炎上間違いなしだろう。それに――アフィリエイト系のまとめブログがアフィリエイト利益狙いで炎上記事として拡散する事も容易に想像できる。


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