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ケースオブ鹿沼零

・2022年7月9日付

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 10月1日、9月付更新の記事を参考に記載された――と言うより、まとめサイトの記事をある人物が見ていた。様々なARゲームが出る度、この記事は更新されているのだが、8月期はリリースラッシュ的な部分もあって、更新が間に合っていないようだ。


《ARゲームには、様々なジャンルが存在する》


《RPGやアドベンチャーの様なジャンルは運営側がNGとしており、リリースはされていない》


《主にリリースされているのは、体感系と呼ばれる物が多いだろう》


《逆にソーシャルゲームで完結できるようなジャンルは、ARゲーム化されていないように見える》


《では、理想のARゲームと何なのか?》


 サイトの文章は若干硬いように思えるが、ネット炎上を防ぐ為に狙った書き方なのか? ガーディアンとしては、このサイトが一連のネット炎上を狙ったサイトと考えていた。今までであれば、ネット上で煽るようなスタイルが多いのだが――あまりにも摘発され過ぎて、本来のARゲームとはかけ離れたサイトまで閉鎖に追い込む現象を生み出している。


 これによって、いわゆるネタバレサイトやアフィリエイト系まとめサイトが次々と閉鎖、ARゲームを取り上げていないサイトから不満が続出していた。しかし、これはネット炎上を防ぐという観点でもアリなのではないか――とガーディアンは考えていたようである。


『ガーディアンは、ARゲームに批判的なサイトを徹底的に潰す手法だったのか――』


 ARメットを被った背広の男性は、草加市役所の一室でまとめサイトを見ていた。何故にまとめサイトを見ていたのかは――彼にしか分からないだろうが。


『しかし、まとめサイト全てがアフィリエイト系等とは限らないと言う事を――ガーディアンは気づいていないのか?』


『全てのサイトを芸能事務所が使用している――そう言及できる証拠があったのか?』


 まとめサイトが摘発されると困る勢力もいた。超有名アイドルの芸能事務所やその他の芸能事務所である。アイドルの宣伝をする為、適当なコンテンツを炎上させ、自分達は彼らの様にはならないのでお金を投資して欲しい的な――利用方法をしている訳だが。一種の炎上マーケティングは規制法案が出てきてもおかしくはないのだが、下手に規制をしても抜け道を作られては――と言う事で実現してない。


『やはり、芸能事務所の買収――』


 今までの事もあり、心を入れ替えるような流れで鹿沼零は様々なサイトをチェックしている。ふるさと納税にしても、政府からグレーゾーンと指摘されていたような部分もあったのだが――実際は、様々な外部圧力で実現をさせたと言ってもいい。ネット上では色々な部分が修正されている事もあり、週刊誌報道等ではある程度は判明しているものの――そちらも創作であると否定はできないだろう。


『真相は、あの時に話した事で何とか収まっているが――時間稼ぎが出来るとは思っていない』


 鹿沼も一連の会見で話した事で決着したとは思っていない。未判明の部分は可能な限り公表していくと後の市議会でも明言した。しかし、現在のARゲームは草加市の手を離れている状況と言ってもいい。それもガイドラインの変更もあるが、クラウドファンディングでの運用を段階的に始めた事も大きいだろうか。



 鹿沼がクラウドファンディングに懸念を抱いていたのは、別の理由があっての事である。特定の一部企業が投資を行い――そちら主導の作品になっていく制作委員会方式、そちらではARゲームを運用するには限界があると考えた。しかし、鹿沼の考えは山口飛龍が代弁する事で、ARゲームの運営方針に関して改善が進む事になる。


『あの時の山口の発言は、何を思っての物だったのか?』


 山口の発言は2018年ごろには明言されたと言われているのだが、正確なソースは分かっていない。山口の様な人間があと何年か前に出ていれば、あの時のロケテストは芸能事務所側に潰される事はなかったのでは――と。彼もデンドロビウムと同様に――ARゲームと言うコンテンツのこれからを考えての行動を起こしていたのだ。しかし、それも不発と言うよりも彼が暴走した事で状況が変化していく事になる。


『人間は、失敗したとしても――反省をする事が出来る。失敗だったとしても、そこから改良を加えていく事も出来る』


 鹿沼は自分へ言い聞かせるように――。そして、あるサイトを更新して情報をチェックしようとした。しかし、サイトを更新しようとした矢先――404と言う画面が出てきたのである。


『結局――人は、同じ事を繰り返そうと言うのか』


 鹿沼は頭を抱えつつも、同じ過ちを起こさないようにする為のプランを考える事にした。まずは、デンドロビウムが最後まで失望しなかった――それに応える事をするべきだ、と。


『各スタッフに連絡を!』


 鹿沼が号令を出してスタッフに指示を出し始める。その手にあるタブレットには、密かに別のプランを記した走り書きもあった。しかし、それが実現するかどうかは――明らかではない。


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