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ARゲームに挑む我侭姫とプレイヤーたち-不正破壊者の我侭姫-  作者: 桜崎あかり
ステージ6

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エピソード64-3

・2022年7月10日付

行間調整版へ変更

 9月15日、この日は晴天となった。昨日までの天気が嘘の様な――。晴天だからと言って、ARゲームが混雑するとは限らない。一部機種では定期メンテナンスが行われており、肩すかしをくらう光景もあった。


 ARゲームに関しては24時間営業のコンビニみたいに何時でもプレイ出来るものではない。機種によってはARリズムゲームみたいに防音施設でプレイ出来る仕様になっている物もあるが、基本的に午後10時以降はプレイ出来ないのがお約束だ。この辺りは屋外プレイの作品であれば、ARサバゲの様な例外はあるが――近隣住民の騒音になると判断している為だろう。


 こうした営業時間外のタイミングでメンテナンスを行い、不測の事態に備えるARゲームは半数に及ぶ。草加市でサービスしているARゲームは80%近くが午後10時終了になっており、アーケードリバースも午後10時終了の対象となっている。


【午前10時開始で、午後10時終了――半日と言う事か】


【ソシャゲでも24時間プレイ出来る作品がある中、半日だけとは】


【ARゲームは簡単に言えば遊園地のアトラクション施設と同じようなものだ。怪我人が出て営業中止になる方が痛い】


 この他にも、様々な書き込みが拡散する。ARゲームが24時間営業にしないのは、営業怠慢なのでは――という意見も飛ぶ。しかし、ARゲームで怪我人が出たりデスゲーム化する方が大打撃と反論するユーザーは圧倒的に多い。ARゲームのデスゲーム化は、VRゲームを題材としたWEB小説がヒットしており、そこでデスゲーム化されている事を踏まえると――明らかだろう。これらは当然フィクションだが、ARゲームは現実に存在している。


 下手にネットで風評被害に該当するような話が拡散すれば――ブランドイメージの回復には時間がかかるだろう。それこそ――芸能事務所の3次元アイドルが王道ジャンルになるような世界が現実化するのだ。


【今回に限れば、昨日の天気が関係してレースゲーム系が軒並み中止だった。そちらは混雑するだろうな】


【レースゲーム系はイベントと言っても突発とか土日と言うのが多い。道路を歩行者天国みたいに確保しなくては、無理だからな】


【それを踏まえれば、アーケードリバースのプレイ環境は恵まれているのか?】


 天気に左右されないARゲームは、イベント関係でメンテナンスが行われない限りは半日プレイ可能である。ARゲームではアイテム課金形式を禁止しているので、アンテナショップでプレイしているのはモラルの悪いようなネット炎上勢力ではなく、純粋にゲーマーと言う事が多い。


 一方で、わずかなマナーの悪いプレイヤーがピックアップされる事でARゲームが炎上する事もある。こうした現象はガイドライン変更前には皆無と言ってもいいような物で、炎上と言っても芸能事務所による個人攻撃と言う側面が多かった。やはり、ARゲームのガイドライン変更は早すぎた判断だったのか?



 午前10時30分、ARゲームのセンターモニターでも話題になったのが――アルストロメリアの首位陥落だった。これには、他のプレイヤーも驚く個所があったのだが、チート等の不正以外で何が起こったのか?


【アルストロメリアが2位になっているな】


【1位のプレイヤーは聞いた事のないネームだが――】


【不正なマクロやチートで稼いだとしても、そのプレイヤーは非表示になっているはずだ】


【一連のRTA勢力の事か?】


【それもある。しかし、ネームが公開されている以上は――?】


 アルストロメリアから首位を奪った人物、その名前を見て周囲は驚きを隠せなかった。その人物の正体とは、何とガングートだったのである。プロゲーマーという肩書もある関係上、実力者なのは間違いない。しかし、彼女もレイドバトルに参戦したのは――。それを踏まえると、唐突に出てくる事には疑問が残る。


【良く見て見ると、通算スコアではない。通算ならば、アルストロメリアの首位は変化していないな】


【まとめサイトでは、意図的にスコア等を自分達がコンテンツ炎上させ、芸能事務所AとJのアイドルを都合よく宣伝できるようにしていると聞く】


【やはり、まとめサイトが躍起になっているとしか思えない】


【実際に長時間のバラエティー番組は、批判殺到で炎上したらしいな】


【そこには芸能事務所AとJのアイドルが大量に出演していたと聞くと、内容以前に――】


【まるで、小説サイトにおける人気ジャンルの二次創作で上位独占した時の様な光景だ】


 ガングートの首位は、あくまでも週間スコアによる首位だったのである。それを通算で首位を取ったかのように――まとめサイトが偽装していたのだ。


「これも、デンドロビウムの言っていたチートと言う物か――」


 センターモニターで一連のまとめサイトが扱った話題に触れていたのだが、それを見たガングートも落ち着いていられない。だからと言って実力行使に出れば、ますます状況の悪化を招くだろう。下手に手出しを出来ないのは――この為だ。


 その一方で、ガングートはキサラギにもアクセスを試みている。芸能事務所AとJが行っている事は、明らかに犯罪行為であり――立派な営業妨害だ。はっきりと証拠を突きつければ、今度こそ芸能事務所は破産に追い込まれ――黒歴史になるだろう。


 しかし、それを行った所で――アルストロメリアに言った事がブーメランする事は分かっていた。キサラギへのアクセスは、あくまでも芸能事務所絡みではなく――アカシックレコードに関して尋ねるだけにとどめる事に。


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