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ARゲームに挑む我侭姫とプレイヤーたち-不正破壊者の我侭姫-  作者: 桜崎あかり
ステージ6

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エピソード63-2

・2022年7月10日付

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 ガングートは、はっきりと言う。『現実とゲームは違う』と。


「芸能事務所AとJと言う明確な悪を設定し――彼らと同じ道をコンテンツ市場がたどらないように――」


 涙をこらえながら、アルストロメリアはガングートに本当の事を語り始める。それはネット上にはいくつか存在した記事と内容が似ている部分もあったのだが、それらが真実とは限らない。ネット上の記事は一部のアイドル投資家等による炎上目当ての物――そう考えている節があった。


「芸能事務所AとJを悪と存在しているWeb小説は一部で存在し、更にはそれを題材にしたアニメも存在したが――」


「確かに――その通りでもある。しかし、私が題材に使ったのは――そちらではない」


「!!」


 アルストロメリアが利用していた物が例のARゲームを題材にしたアニメとばかり思っていたガングートも、この発言には驚くしかなかった。何と、ネット上で拡散している説をアルストロメリアは一蹴したのである。


「じゃあ、元ネタというか――」


「それは、あなたが見せたアカシックレコードに載っている――」


 その発言を聞いたガングートは、驚き以上に言葉を失った。何と、元ネタになっていたのはARゲームを題材とした小説だったのである。しかし、その内容に関してはガングートの方も即座に把握する事は出来なかった。



 最初、アルストロメリアは一連のふるさと納税としてのARゲームに関しては疑問を持っていたと言う。その中で様々な素案が提出され、これならば――と思った節があったらしい。


 他の投資家もアーケードリバースには欠点があると思いつつ、その欠点をスルーした事により一連の事件が起こったのかもしれない。万が一、ネット炎上した際の保険を用意していたかどうかは今となっては分からずじまいだが――。ネットのまとめサイトでは、欠点に関しても指摘されているような記事もあったにはあった。しかし、対手のまとめサイトは欠点が存在すればそれを利用して炎上させ、それこそ黒歴史へ追い込む――。


 芸能事務所AとJのアイドルが日本で唯一のコンテンツとなるように、広告会社やマスコミはシナリオを作り出した。それこそ――24時間の長時間放送番組などで超有名アイドルを起用、全世界に芸能事務所AとJが最強の存在とアピールする。そのシナリオが明らかに、Web小説の異世界転生や異世界転移系で見られるチート主人公を題材とした作品――そう見えたのかもしれない。


「何としても、この悪夢とも言える連鎖から解き放たないと――」


 そう決心した結果が、アルストロメリアの行動の真意である。確かに芸能事務所AとJのアイドルがメディアで露出すれば、関連の雑誌が売れ、テレビの視聴率もうなぎ昇り、それこそ日本にとってもビジネスチャンスにはなるだろう。しかし、引き延ばしでつまらなくなってくる物語は無数に存在するだろう。


 それと同じ事例を、芸能事務所のアイドルと言うナマモノでやった結果が――青騎士騒動や様々な事件を起こすきっかけとなった。ネット炎上するような案件は、やがてリアルウォーが起こるような展開を生み出そうとしていたのである。



 超有名アイドル商法を否定するようなWeb小説はいくつか存在していた。しかし、どれもが物理的に芸能事務所を消滅させるような手段に出ている物であり、それこそリアルウォーその物と言える。アルストロメリアが発見した小説は、ARゲームを題材としてゲームのコンテンツ力で芸能事務所のアイドル以上の人気を得ればいい――。要するに、アーケードリバースはある意味でもWeb小説で描かれていたゲームを現実化した物であり、メタフィクションの存在だったと言えるのだ。


「超有名アイドルも、メンバーを変えて刷新しようとしているのは分かる。しかし――看板を変えなければ、やっている事は同じに過ぎない」


 アルストロメリアは――何かを思いつつも、ガングートに真実の全てを話した。


「だから、どうした――とまでは言わないが、何故にARゲームを利用した?」


「そうでなければ、超有名アイドルを――」


「聞きたいのはそっちじゃない! どうして、ゲームだったのか。他にも別の手段があっただろう?」


「同じ土俵に上がって、勝てるような相手か!? 広告会社が芸能事務所と手を組み、何かのきっかけでネットを炎上させれば――同じ事だ」


 2人の対話は続く。その一方で、一部の観客は別のARゲームフィールドへと移動し、気が付くと――客層は変化していた。


「ゲームの分野であれば――向こうもノウハウを掴んでいない。過去に芸能人タイアップゲームを出し、小出しのヒットを記録するだけの――時代ではない。それは、3次元を題材としたソシャゲが次々と終了している事からも明らかだ」


「だからと言って、ARゲームを題材にする必要性はあったのか? それこそ、歌い手や実況者のナマモノ夢小説をアップしている勢力と――」


 その状況下で、ギャラリーに姿を見せたのはデンドロビウムだった。彼女が、この対話に介入する事はなく――何かのタイミングを待っているような姿勢を見せている。何故に彼女がこの場に姿を見せたのかは、単純に言えばアーケードリバースの待機をしている途中で偶然発見した事による物だ。


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