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ARゲームに挑む我侭姫とプレイヤーたち-不正破壊者の我侭姫-  作者: 桜崎あかり
ステージ1

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15/187

エピソード14

>加筆調整

・3月22日付

柏原となっていた部分を橿原に修正。1箇所だけでは誤植ではないのですが、それ以外は変換ミスになります。それ以外では一部シーンを追加しました。


・2022年6月26日付

調整版に変更

 橿原隼鷹、彼は過去に駅伝で箱根山を走った事があった。その際、スポーツ記者等から『山の神』とも恐れられていたという逸話もある。その際は橿原ではなく、柏原だったという話もあるのだが――近年は橿原でエントリーしているケースもあって、橿原で通じるという。この時の映像を見た陸上選手達は揃って「これが駅伝のランナーなのか?」とか「人間技じゃない」等と言われたという話も。


 彼がガーディアン組織を立ち上げたのは、出雲と言う女性に遭遇した事が始まりと言われている。大学を卒業後の話なので、駅伝で活躍していた裏でガーディアンとして動いていた訳ではない。その時の話はネット上でも諸説あるようだが、真相は不明として扱われている。


「橿原の行動は意図的に秘匿されている訳では――ないようだな」


 タブレット端末で本のページをめくるようなスライドでサイトを見ていたのは、アルストロメリアだった。彼女も橿原を偶然発見したのだが、ギャラリーとはもっと違う場所で発見する。


 その場所とは――ARゲームを扱っている駅前のアンテナショップ。入口を入った所にあるモニターの前だった。そこで、彼はARゲームのプレイ動画の下に流れるニュース速報をチェックしている。


【ARパルクール、ロケテスト実施中】


【ARTPSで賞金付き大会を開催】


【ARゲームの新型ガジェット発売開始】


 他のプレイヤーであれば飛ばすような見出しのニュースも、彼は注視しているように見えた。まるで、未知のジャンルへ飛び込むような――そんな感覚なのかもしれない。



 センターモニターの近くには無人レジが配置されており、そこでARガジェットのパーツを購入する際にバーコードを通す物らしい。セルフレジであれば試験導入している場所があるのは知っているのだが、無人レジは初めて見る。


 万引き等の問題点を解消できなければ、レジの無人化は難しいと言われているが、それを草加市は実現して見せた。商品に付けられているバーコード、これはICチップの様な物ではなく、特殊なインクでプリントされたバーコードである。インクに混ぜられているのは、万引き防止のタグで使われているような装置と同じ役割をしている物らしい。


「秋葉原でも試験導入しているシステムだが――ここまで完成度の高いのは初めて見る」


 そのシステムを見た橿原は関心しているような表情で、レジの前でタブレット端末を起動し、写真を取ろうと考えている。こうした店舗は大抵が撮影禁止となっているのが当たり前、タブレット端末のカメラ機能は動作しなかった。仕方がないので、隣に置かれている整理番号を発行するような端末を発見し、その端末を興味深そうに操作し始める。


 この端末は、ARガジェット用のアプリや情報誌のダウンロードが可能な物で、ARガジェットであればアプリのダウンロードが可能だ。アプリはARガジェット以外ではダウンロード吹かだが、情報誌やチラシの類はタブレット端末やパソコンでもダウンロードできる。アプリ類は有料な物もあれば、無料の物もある。情報誌に関しても、それは同じだ。 橿原は少し悩みつつも、気になるタイトルの情報誌を端末で発見する。


【アーケードリバース報告書】


 報告書と言うタイトルだが、説明には「ふるさと納税」や「ボランティア活動」のようなゲームとは無縁そうな単語もあった。橿原としては異様な光景と考えている。草加市独自のふるさと納税と言う訳ではなく、類似案件は他の市町村でも行われているようでもあった。


 秋葉原でふるさと納税と言う物はないが、ARゲームの利益の一部でガーディアンの活動が行われているのは有名な話。それを踏まえても、これは異様な光景と橿原は感じている。一歩間違えると「税金泥棒」と非難され、ネットが炎上しかねない。目的物を簡単に入手できたことには肩すかしだが――目標を達成できたことには違いないだろう。


「これ以上の長居は――?」


 橿原は何やら後ろの方で騒ぎの声がしたので、そちらへと向かった。場所としては、先ほどまでニュースを見ていた場所である。センターモニターの前には既に数十人のギャラリーが出来ていた。まるで、サッカーのパブリックビューイングを思わせるような規模とまでは言わないが――盛り上がっていることには違いない。


「あれは――ARFPSか」


 モニターを見ると、2メートル位のロボットや布面積が少なそうなセクシーガンナー、更には海賊を思わせる剣士の姿もある。どう控え目に考えても、これは自分でも見覚えのある光景なのは間違いない。秋葉原でも展開されているARFPSのソレだったからだ。



 橿原の姿を見て、周囲がドン引きするような気配は全くない。ARゲーム用のインナースーツだけの人物もいれば、女性プレイヤーでも肌色が若干多い水着姿と言う人物もいる。それを考えれば、彼の改造型のコートに文句を言う様な人物はいないと同然だ。彼がガーディアンの正装を着ないのには、色々と理由があるのだが――詳細は省く。


「ARFPSにしては、プレイヤーの人数が少ない。元々、FPSはそんな感じか」


 FPSとTPSの違いと言われると、視点の違いになるかもしれないが――この場合はFPSと言った方がよいだろうか。


「それに――味方によっては、対戦シューティングと言える可能性もある」


 周囲に配慮する形で、橿原は遠目から観戦する事にする。どちらにしても、通行の邪魔になるような陣取りは禁止されているので――それに配慮する形で遠くで見る事にしていた。


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