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ARゲームに挑む我侭姫とプレイヤーたち-不正破壊者の我侭姫-  作者: 桜崎あかり
ステージ5

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エピソード57

・2022年7月7日付

行間調整版へ変更

 午前12時30分、遂にレイドバトルはスタートした。


《レイドバトルはターゲットボスを撃破する方式》


《6対6のバトル形式をベースとしているが、基本的には12人で協力していく形式》


《作戦は自由だが、FFフレンドリーファイア行為はペナルティの対象。不正ガジェットを使用したチートプレイヤーに関する制裁は不問》


《レイドボスを撃破すると、ポイントが得られる。ただし、このポイントはイベント限定であり、ARゲームで使用する電子マネーとしては使えない》


《ボスの撃破には時間制限あり。ただし、時間切れになっても次のプレイにはHPが回復してボスが登場する訳ではない》


《その為、連続プレイでボスを倒す事は理論的に可能。しかし、連コインに関しては店舗のルールに従う事》


《最終的に集計期間までにハイスコアを獲得出来たプレイヤーが優勝となる。しかし、不正行為やマナーが守れていないと判断される行為は失格の対象となる》


 他にも細かいガイドラインは設定されているが、ルール的な部分ではこの辺りだろうか。RMT等も禁止、マッチポンプ行為もペナルティに該当、意図的なプレイの遅延行為も悪質な物は減点となるらしい。それ以上に重要な項目――それは一番最後に書かれていた。


《ルールを守って、正しくプレイしましょう》


 この一文に全てが集約されているのは言うまでもない。一番重要なのは、ゲームを純粋に楽しむと言う事。他のプレイヤーが楽しめず、個人だけが楽しむと言うのもマナーに反すると言う事かもしれないが。


【やはり、そこだけは変更なしか】


【変更箇所は多いが――それだけ、あの時のアレは仮だったという事だな】


【仮の物でもある程度は発表し、準備を促していたとも言える】


【特にチート禁止は必須だが――】


【FF禁止とは――確かに、自分の思うようにいかないで相手プレイヤーを攻撃する行為はあり得そうだが】


【対戦相手に八つ当たりするのもマナー違反だな。ある意味でも――正しい判断かもしれないが】


 つぶやきサイトでも、様々な声があった。チート禁止は当然でも、まさかの禁止項目追加には驚いているようだったようである。特に今回のレイドバトルは12人で協力して撃破するという要素が強いらしく、何時もの対戦ルールを適用する訳にも――と言う事情があるのかもしれない。



 ルールを把握しても――それを即座に覚えきれるかと言うと、そうではない。何時もとは違うルールも存在する為か、最初は誤爆や同士討ちのようなケースもあった。

特に広範囲攻撃武器を使用している場合は――顕著と言える。


【ボスの当たり判定は小さい訳ではないのに――】


【どうしてこうなった、としか言えない】


 早速アップされた動画のコメントには、慣れないルールに苦戦するプレイヤーに対して厳しいコメントも飛ぶ。この辺りは仕方がないというのもあるが――RTAを狙ってプレイしていた勢力の動画と言う事もあり、ある意味でも自業自得なのだろう。初見プレイで苦戦するのは避けられないが、ある程度は――。


「レイドボスの行動パターンは一定と言うべきか。しかし、ARゲーム初心者でレイドバトルはハードルが高すぎる」


 ARメットで関連動画を見ていたのは、ジャック・ザ・リッパーである。自分の順番は――もう少し後との事なので、先にアップされた動画を見ていた。しかし、ボスの行動パターンが一定である事以外の収穫がない。それ程、アップされた動画は少ないのだ。ボスレイドの動画がネタバレを配慮してのアップ禁止と言う訳ではないのだが――何故、意図的に少ないのか?


「アップされる動画の質がRTAを狙った物しか投稿されていないのも――若干気になる」


 時間的な事情もあるのかもしれないが、RTAの動画しかないのは何かを狙っているとしか思えない――とジャックは考える。しかし、その懸念はしばらくしてある人物のプレイ動画がアップされる事で変化する事になるのだが――。



 その一方で、レイドバトル前に事前情報をシャットアウトして昼食を食べる人間もいる。彼女のテーブルに置かれているのは、とんかつソースたっぷりなカツサンドと麦茶なのだが――。


「ARメットで情報をミュートしても、キーワードを変えて投稿されている以上――ネタバレは避けられないか」


 カツサンドを食べながら、情報をチェックしていたのはハンゾウである。彼女は初日に参加するのは回避しようとも考えていたのだが、別のARゲームでもイベントがあるらしいので先にチェックしようと方針転換したのだ。ARスーツにとんかつソースが――と言う事はなく、その辺りはハンゾウも分かっているようだ。


 実は、ARスーツに水分は大敵とも言える物だった。濡れるとARアーマーが認識出来ないだけでなく、ゲームの進行に不具合が出る。防水ARスーツも存在し、それを前提としたゲームがあるのも事実だが――基本的にARゲーム用のインナースーツは水が弱点だった。水と言っても多少は問題ないだろうが――ゲリラ豪雨クラスや大雪等では、さすがに危険だろう。


「どちらにしても、重要なのは――ARゲームを楽しめるようなプレイヤーが増える事。それが、向こうの目的なのかもしれない」


 ハンゾウの言う向こうの目的とは、ある人物の目的かもしれないが――憶測を拡散すれば、ネット炎上を招くのは何度も経験済みだ。今は――レイドバトルが第3者に妨害される事がないのを祈るしかないだろう。


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