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ARゲームに挑む我侭姫とプレイヤーたち-不正破壊者の我侭姫-  作者: 桜崎あかり
ステージ5

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エピソード56-5

・2022年7月6日付

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 他のエリアでの話になるが、ARゲームでも怪我が切っても切れない状態になっている。身体を動かす体感ゲームに該当する以上は、どんなに気を付けても不注意で怪我をするかもしれない。いくらARインナースーツには事故防止機能等が付いていても――避ける事は出来ない宿命だろう。


 だからと言って、プレイ前にライバルを減らす為に怪我をさせる、プレイ中のアクシデントと偽装しての妨害行為が認められる訳ではない。そんな事をすれば――大参事になる可能性だって高いだろう。


【そう言えば、ARゲームの中には乗物に乗るような物もあったが――】


【そちらはシートベルトを初めとした安全装置に加え、様々なシステムもある。シートベルトをしていないだけでもプレイ不能になる程のレベルだ】


【それ程の安全対策を、何故自動車等では導入をためらうのか? エアバッグのリコール問題なども影響しているのか?】


【それとこれとは別問題だろうな。ARゲームが安全性を極限までにも止めるのは、ゲームで怪我人が出る事でネットが炎上する――風評被害を警戒しているからだ】


【ネット炎上で、何故おびえるのか? それがいまだに分からない】


【こっちだってそうだ。しかし、芸能人のスキャンダル記事等でネットが炎上し、芸能活動に支障が出る事もあるだろう? 歌い手や実況者の夢小説問題も――似たような物と思うが】


【歌い手や実況者の夢小説等に関して、人権保護を目的とした二次創作禁止法案か――それこそ芸能事務所AとJの勢力がでっち上げているネタじゃないのか?】


 一部のつぶやきで、明らかにアフィリエイト狙いのネット炎上つぶやきもあるのだが、そうしたつぶやきはシャットアウト出来る機能も追加され、最近は大きな炎上は確認されていない。しかし、シャットアウトのシステムを解除するようなチートツールも出回っており、結局は繰り返しになってしまうのが――。


「どちらにしても――炎上勢力の狙いは、レイドバトルを利用してアイドルの便乗宣伝をする事――だろうな」


 ある物を片手に、あるアンテナショップにいた山口飛龍はニュースサイトを色々とチェックしている。チェックに使用していたのはタブレット端末なので、テーブルに置いていても問題はない。彼が片手に持っていたのは、あるアイドルのCD宣伝用のポスターである。ミニサイズなので、何処かに貼る事を目的に大量生産した可能性も高いが、何故に山口が手に入れられたのかは不明だ。



 午前12時20分、もうすぐ開始と言う事もあってガジェットを準備するプレイヤーも多くなった。現在準備をしている1000人近くが一斉にログインでもしようと言うのであれば、ARゲームは即座にフリーズする可能性も高い。ARゲームで使用しているサーバーは、オンラインゲームやブラウザゲーム等で使用している物とは技術的にも桁が違う物だ。


 スーパーコンピュータ並の能力を持つと言っても過言ではなく、このコンピュータがクラッカーやマフィア等を初めとした勢力の手に落ちれば、地球上にあるコンピュータが機能を停止する。これは冗談ではなく――ARゲーム課がある調査をする為に発見したデータで明らかになったもので、草加市が発表した物なのだ。


 その一方で、高価なコンピュータをゲームで使用する事に関しては否定的な意見が当初は多かった――らしい。今でこそ、ゲームで使用されているのであれば犯罪に悪用される可能性はないという意見もあるのだが、この事実が判明した初期はひどい物だったと言う。


【何故、ゲームで一兆円クラスのコンピュータが必要なのか?】


【税金で作られたコンピュータよりは、まだマシとでも言いたいのか――】


【技術的には海外のスーパーコンピュータよりも上かもしれないが、それをゲームの為だけに使うと言う神経を疑う】


【この技術がクラッカーに知られたらまずい】


【こうして発表している段階で、狙っているのは明らかだろう】


【税金の無駄遣いではないが――それだけのお金があるなら、超有名アイドルAに投資をするべきだ】


 他にも色々とひどい事が言われ、ネットが炎上したと言っても過言ではない。しかし、数年後にはこのコンピュータも時代遅れになるとは――誰も予想していなかった。それ程にARゲームの進化は目を疑う物だったのである。


「あれだけの技術を使用したコンピュータが、アカシックレコードの技術を使用した物とは――誰も思わなかっただろうな」


 ARゲーム用のインナースーツに着替え終わり、ゲーム開始待ちをしていたのはジャック・ザ・リッパーだった。ARメットを被っている関係で、素顔を見る事が出来ないのは――今までと変わらない。


 今回に限れば、ボイスチェンジャーもチートと誤認識される可能性があるので、チェンジャーをカットしていることである。女性でARメットを被り、素顔を隠すプレイヤーは他にもいるので、ピンポイントで彼女をジャックだと見破れる人間は少ない。


「それに――あの時の前世代で使用されていたコンピュータが、今のVRゲームで使用されている機種と互角とも――気づかないかもしれないが」


 ARゲームがゲーム業界に影響を与えた物は非常に大きく、ある意味でも技術革新が起きていた。光ケーブル技術、小型で多機能なゲームサーバー、オンライン技術――色々な物が、ARゲームから輸入されたと言ってもいい。それでも――ARゲームの技術で大きくゲーム業界が変わった事に関して、反対する声があったのも事実だ。おそらくはライバル会社が技術を盗んだ等と主張するケースがほとんど――だったらしいが、真相は闇の中である。


「とにかく、今回のレイドバトルは――何かが起きる」


 ジャックは思う。今回のレイドバトルは、アーケードリバースでは初の公式イベントでもある。これを利用して便乗宣伝等を行う勢力が出るのは明らかであり、何も起きずにイベントが無事に終わる事も――保障されていない。


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