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ARゲームに挑む我侭姫とプレイヤーたち-不正破壊者の我侭姫-  作者: 桜崎あかり
ステージ5

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エピソード56-2

・2022年7月6日付

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 午前10時、ARゲームのオープン時間である。しかし、草加市内ではアーケードリバースがメンテ中でプレイ不可状態になっていた。厳密にはプレイは可能だが、オフラインと言う事でスコアは記録されない形式であり――。


 個人的に練習を行う、ガジェットのテスト以外では基本的にオンラインプレイでプレイする事が多い。竹ノ塚や北千住、秋葉原等のアーケードリバース設置エリアではオンラインでプレイ出来る為か――そちらへ客足が流れるとも考えられていた。


 実際には最初から別エリアで練習を行う、レイドバトルは様子見というプレイヤー以外で草加市を離れるプレイヤーは確認されていない。つまり、メンテ時間の間は他のARゲームに触れるチャンスと考えている人物がいるのだろう。


【やはり、草加市内はプレイ不能か】


【レイドバトルが草加市で行われる事が告知されていた以上、仕方がないだろうな】


【越谷市や春日部市でもアーケードリバースは設置されていたが、そちらはプレイ可能だった。レイドバトルは草加市限定で間違いないようだ】


【レイドバトル自体、6対6ではない。6人チーム×2による協力戦とも聞いている】


【どちらにしても、公式発表があるまでは憶測でしかない】


【憶測で話を進めると、後で足元をすくわれる】


 つぶやきサイトでも草加市内でプレイ不可なのは知れ渡っているようだ。しかし、プレイできない事に対して安易にネットを炎上させるような発言は出ていない。逆に考えると――安易に炎上させる発言をしているのは、ARゲームプレイヤーに偽装した芸能事務所AとJのアイドルファンと一発で特定される現状だ。


 そうしたつぶやきをしたユーザーは、次々とガーディアンによってアカウントを凍結されていった――と拡散するまとめサイト等は、特に確認されていない。拡散しようと思えば出来るのかもしれないが、そんな事をしても芸能事務所は首をしめられると考えているまとめサイト管理人が多いのだろう。


 ただでさえ、芸能事務所AとJに関しては週刊誌が大物政治家から優遇されているというスクープが書かれるたび、売り上げが上昇する時代だ。ネット炎上に加えてマスコミによる虚偽記事等――芸能事務所側も苦労しているに違いない。



 午前10時30分には草加市でも、仮にだがアーケードリバースのデジタル整理券が発行された。仮発行でもガジェットのチェックで時間がかからなければ――1番を取れば最初にプレイ出来る。しかし、レイドバトルをプレイする勢力ばかりが整理券を発行してもらっている訳ではない。


 RTAリアルタイムアタックでイベントを攻略しようとしている勢力は、何としてもプレイ順序を――と考えるだろう。しかし、アーケードリバースではRTAの概念は通じない。土台となっている世界観はあるのだが、ストーリーモードが実装されているという話は公式にも記載されていないからだ。


「あの都市伝説は――幻だ。まとめサイト勢力が作った虚構話が独り歩きしただけに過ぎない」


 待機列で待っていたデンドロビウムは、以前にも数人に言及された都市伝説を思い出していた。


『デンドロビウムの関わったゲームは呪われる。そして、サービスが終了する――』


 自分の関係したゲームがなんかしらの形で呪われ、サービスが終了すると言う法則である。これは心ないネット炎上勢力やアイドルファンが言及しているだけの――いわゆるアンチによる炎上行為と考えていた。



 しかし、そうとは言い切れないような事を言いだした人物も存在し――その中の一人が鹿沼零だったのである。


『ガチャチップを用いたARゲーム……あれをロケテストの段階で計画見直しに持ち込んだ人物、それはデンドロビウムと名乗っていた』


 この話を聞いたのが、レイドバトル開始の数日前――明らかに狙っての発言と言えるだろう。鹿沼が過去にロケテストを行っていたARゲーム、その一つが計画白紙になったのはデンドロビウムと名乗ったプレイヤーの仕業と考えていた。


 鹿沼は、デンドロビウムに何かしらの恨みでも持っていたのだろうか? しかし、鹿沼の声のトーンを考えても恨みを持っているような様子はない。ポーカーフェイスを演じている可能性も否定できないが。



 今の自分にとって、あまり無関係な話題に触れるのは――ARゲームに不要な物を持ち込む事にもなるだろう。だからこそ――彼女は不正プレイ等で自分の名前を売り込もうとするようなチートプレイヤーは倒し続けていたのだ。ARゲームにおけるチート根絶運動は確実に動き始め、チート技術を売り続けていた企業は次々と消えていく事になる。


 しかし、それでもARゲームにネットが炎上しそうなビジネスを持ち込もうとするのは、自分達が目立ちたいからだろう。だからこそ――デンドロビウムはARゲームを守る為、戦い続けていたのである。例え、その真意が誰にも理解されなくても。


 その戦いは、思わぬ形で便乗する人物が現れた事で流れが変化していった。それは――アルストロメリアの出現、アカシックレコードの存在、更にはガングートと言う黒船の襲来――。果たして、デンドロビウムは戦い続けられるのか? 全ては、もうすぐ始まるレイドバトルで明らかになるだろう。


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