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ARゲームに挑む我侭姫とプレイヤーたち-不正破壊者の我侭姫-  作者: 桜崎あかり
ステージ5

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エピソード55-4

・2022年7月6日付

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 強力なガジェットを求めるプレイヤーが多い一方で、やはりというかチートガジェットを手にするプレイヤーも存在した。中には公式グッズと見せかけた偽ブランドも存在し、売り方がかなり悪質と言えるだろう。偽ブランドに関して言えば、ARガジェット以外でも実例があるのだが――それが日常であるというのも理解に苦しむ。


 それだけ偽物を売ると言う事が犯罪だと言う事を認識していないのだろうか? 実際は――知らないと言う事なのかもしれない。ARガジェットでカスタマイズやワンオフと言うのが存在するのは有名な話であるが、そこからヒントを得て独自デザインのガジェットを売ろうとしていたのだろう。その結果――チートガジェットを売り出すとか、そうした路線に走ったのだろう。


【結局、偽グッズ売買事態を禁止するしか――】


【ソレは違うな。一次創作以外を禁止にすれば早い話だ】


【そちらも偽ブランドの話題とはかけ離れている】


【歌い手や実況者の夢小説がWEB小説サイトで上位を独占する状況は、肖像権等の絡みで――】


【超有名アイドルJの夢小説が放置されているのは、噂によると――】


 またもや典型的なねつ造情報を扱うまとめサイト――その内容を見て呆れかえるのはアルストロメリアである。もはや芸能事務所AとJを神として持ち上げるのは伝統芸に近い。しかし、こうした事が繰り返されるのは――大規模なネット炎上を連想して、いい気分にはならないだろう。



 相変わらずだが、該当するサイトのURLをARゲーム課に送りつけた。何としても、芸能事務所AとJを持ち上げるようなまとめサイトを作成するバイト告知を発見して――。残念な事に該当するバイト告知のメール等は発見できていない。通報を恐れて削除しているか、あるいは自動的に消滅するとか――。


「あの計画を始動しなくても――向こうから自滅してくれれば、こういう手段には出なかったのだが」


 自滅と言うのはまとめサイト側が炎上して管理人が逮捕される事を指すだろう。しかし、彼女の言うあの計画とは――。自室ではなく、竹ノ塚のアンテナショップ入口で様子を見ていた。何故に外へ出ようと思ったのかは、情報をネットで集めるだけではなく自分の足で確かめようと思ったから。


「どちらにしても計画を今更止めれば、逆に芸能事務所側の暴走を世界中へ発信する事になる――それは、日本にとっても致命的だ」


 アルストロメリアは、芸能事務所側の暴走――超有名アイドルコンテンツ以外の排除計画――それが海外に拡散する事を恐れている。数百人規模にすぎないような投資家ファンだけの為にやっているマネーゲームをコンテンツと認める事――それが拡散すれば、一大事になる事を知っていた。


 株式市場でも上場廃止の株でマネーゲームを展開しているようなケースを、ニュースで見た事がある。日本のコンテンツが、そう言った存在だと言う事を広めるような炎上マーケティングを起こそうとする芸能事務所AとJを――廃業に追い込もうと言うのが計画の趣旨だったのだ。


「しかし、あの芸能事務所を本当に倒産に追い込めば――それこそ、リアルウォーを引き起こす。つまり、リアルウォーを起こさないようにバランス調整する――」


 そのやり方こそマッチポンプと言われかねないのは、アルストロメリア本人も分かっている。しかし、誰かが芸能事務所の暴走を止めなければ――日本のコンテンツ市場は日本政府公認の芸能事務所AとJの独断場となりかねない。


 だからこそ――アルストロメリアは行動することを決めた。最初はチートビジネスやARゲームに進出を図ろうとする芸能事務所を通報する位のレベルで終わっている。それでも撤退する企業は一部あったとしても、芸能事務所AとJが撤退するような流れにはならなかった。


 そこで彼女が考えたのは、青騎士騒動からヒントを得て実行した――あの計画である。計画の方は想定以上の成果を上げた。一部のアイドル投資家の暴走をきっかけにまとめサイトや広告会社、更には政治家と手を組んで炎上マーケティング――その現状を表舞台に出す事が出来た。


 最終的に芸能事務所AとJはARゲームから撤退し、今は色々とARゲームとは無縁なビジネスを展開しているように思える。


「ネット炎上が時には人を追いこみ――それこそ、リアルウォーを引き起こすような状態を生み出す事――もう二度と、悲しみと復讐の連鎖を起こす訳にはいかない」


 ARゲーム以外でも、様々な事でネット炎上は続いている。この状態を打破するには、ネット炎上禁止法案の様な物を成立させる必要性を感じていた。しかし、ARゲームでは政治が絡むありとあらゆるものの持ち込みを禁止している。純粋にゲームとして楽しめなくなる――と言うのが最大の理由のようだが。


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