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ARゲームに挑む我侭姫とプレイヤーたち-不正破壊者の我侭姫-  作者: 桜崎あかり
ステージ4

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エピソード52

・2022年7月4日付

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 8月21日、谷塚近辺のアンテナショップ前にいたのは――私服姿のデンドロビウムである。何時もの彼女とは違い、ARメットで音楽を聴いているようだ。


 ただし、彼女のARメットはフルフェイス型ではないので、周囲の視線が刺さる事はない。ARメットに関しては複数の機能を持っており、アプリを追加すれば携帯音楽プレイヤーとしても使用可能である。


 それ以外にも電子マネー機能等もアプリをインストールすれば、使用可能な為――ある意味でも夢のアイテムになる可能性はあるだろう。しかし、そんなガジェットにも弱点がある。このARバイザーはARゲームが展開されているエリアでしか使えない箇所だ。


 日本全国でARゲームの端末等を整備すれば、ARバイザーを使用できるかもしれないが――ARゲームに関しては、様々な部分で問題を抱えているので難しい。


「まるで、草加市だけが異世界を思わせるような展開か――それを言うのも今更だな」


 デンドロビウムは周囲の光景を見て、草加市がここまでの事をしている事の異常性を感じている。しかし、埼玉県自体が様々な聖地巡礼として有名な場所もあるので、今更この部分に突っ込んだとしても無駄だろう。周囲のギャラリーも承知で楽しんでいるのだし、炎上を煽るような事を言うのも野暮と言える。


 彼女の聴いている楽曲は、メジャーなJ-POPと言う訳でもアイドルの曲でもない。どちらかと言うとクラシックアレンジだが――普通のアレンジとは大きく異なるフレーズなども存在していた。彼女が聴いているのは、どちらかと言うとリズムゲームで流れているような物である。


 

 午前12時30分、デンドロビウムはARメットの時計アプリで時間に気付く。他のプレイヤーもアーケードリバースをプレイする様子はなく、だからと言って別のARゲームに乗り換える訳でもない。中にはARゲームは様子を見ているようなギャラリーもいるのだが――。


【どういう事だ?】


【客足が途絶えている訳ではないだろう。単純に穴場なだけかもしれない】


【有名プレイヤーが出没する場所は、それだけ客が押し寄せると言う話だが】


【それは大げさだろう。彼らは芸能人ではないのだぞ】


【ソレは分かっている。どちらかと言うと、動画投稿者とか――その辺りが妥当だろう】


【つまり、分かる人間には分かると言う事か】


【イベントがドタキャンしてパニックになるよりは、まだましだと思うが】


【一時期、超有名アイドルイベントの襲撃事件が実は――】


 ネット上では、今回の一件に関して色々とあるのだろうが――炎上しない範囲だと、この位か。一部コメントは削除されたようだが、それでも該当メッセージが複製されているので、ある狙いがあるのかもしれない。


【あのアンテナショップは、駅からも距離がある】


【シャトルバスで送迎しているゲーセンだってある位だ。それを踏まえると、客足が少ない原因は別にあるのだろう】


【ARゲームのラインナップによっては、プレイヤーも不便に感じるだろうな】


【あの店舗はARFPSがメインだったか? アーケードリバースも最近導入したばかりだ】


【それが逆に穴場じゃないのか? 人気エリアでプレイすれば初心者狩りとか乱入とか――】


【アーケードリバースに乱入と言う概念は――】


 他の人物もアンテナショップで客足に差が出ている事に関して、色々と考えているようだが――。中にはアーケードリバースの事を知ったかぶりのコメントもある。しかし、それを見極めるには若干難しい気配もするだろうか。


「客足が少ないのには、別の原因もあるのだろうな。新設されたばかりの場合は情報が――?」


 デンドロビウムは、とある人物がアンテナショップに入って行く姿を目撃する。その姿は見覚えがあったような人物ではないのだが、ARインナースーツにARアーマーで入って行く人物は数が絞られるだろう。


「ジャックでもなければ、ガングートにも見えなかった。あれは誰だ?」


 顔は見ていなかったので誰なのか特定は不可能だが、見覚えがあるようなカラーリングは……。


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