正義も悪も
「※※※※今日限りでお前との婚約を破棄させてもらう!」
王族主催のパーティで始まった婚約破棄劇場。
普段はとても美しい少女は悪女にされその顔を涙で濡らしている。愛らしい顔のヒロインは王子の背で庇われ、不安げな顔をしているが、その口元は歪んでいる。
婚約破棄を言い出した王子は泣いている少女を無表情で見つめる。
観客はざわめき、彼女を嘲笑う。
そんな中私はその場を後にした。
「可愛いは正義よね。」
会場を抜け、長い廊下を歩いていると後ろから声がかかった。振り向くと、黒い髪の少年。年下かしら?まだ愛らしさの残る顔に、丸い眼鏡。
「どうしたの?」
そう声をかけると彼は私をキッと睨んだ。
「貴方は知っているはずだ!姉上はあの女に何もやっていないことを!その嘘を見抜くことが出来る目がある限り、貴方はあの女が嘘を付いていることがわかってたはずだ!それなのに…それなのに…」
彼はそう言って顔をうつむかせた。
たしかに彼の言うとおり、私の目は嘘を見抜き真実を知ることができる。しかし、私からしたらそれがどうしたの?って話しよね。だってこの婚約破棄だって私には関係のない話ですもの。
「何故、私があなたのお姉さんの味方をしなければならないの?」
私のその言葉に彼は顔を上げて私を見る。その顔は悔しげに歪んでいた。
「その力を他人のために使おうとしない貴方は悪だ」
その言葉に私はつい笑ってしまった。
「それじゃあ、お姉さんの無実を知っていながら何もできないあなたは、ただの偽善者ね」
より一層彼の顔が歪んだところで私は彼に一つだけ教えてあげることにした。
「正義ってね、強くなきゃダメなのよ?強くて、自分以外の人に都合の良い存在でなくてはダメなの。よかったじゃない。お姉さんが正義じゃなくて。あの子が正義で。」
それだけ言って私はその場を去った。
後ろから、どうして…なぜ…などという声が聞こえたけれど、すべて無視よ無視。
知らないということは幸せであり罪でもあるのよね。
この国ではある化物を信仰している。
そして、この国の王子が成人し、王様になる時に連れ添っている第一王妃をその化物に差し出さなければならないという決まりがある。
しかし、それを知ることができるのは成人した大人のみ。たとえ王子であってもそれを知ることはできないのだ。
王子の成人式は2年後、その時が楽しみね。
可愛さって正義よね。
馬鹿な可愛い子でいれば大抵のことは許される。
あの子だからで済ませてもらえる。
周りもその子を利用して優越感に浸ることができるわけだし。
美しいはだめよ、周りより優れているもの。どうしても他の人にとって都合の良い存在には成り得ないもの。
だからあの子は正義よ?かわいいし、何より美しく賢い少女の命を救ったのだから。
周りの大人も笑っていたでしょ?あぁ、馬鹿な子が死んでしまうのだと。
正義の味方って結構使い捨てられるよね。
永遠のヒーローだって(心の中では)ってことでしょ?
あなたにとってのヒーローはどんな存在?きちんと考えると実はその存在を利用しているだけかもしれないよなぁ。
みたいなことを考えて勢いで書いたためぐちゃぐちゃです。ごめんなさい。




