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0-1 放課後

-病院内にて-





深夜4時30分、





「この出血量では助かる見込みはありません。最悪の事態も想定しておいてください。」





少年を診察した医師は彼の母親にそう告げた。





「輸血が必要なら、私の血を使って下さい!なんでもします!どうか私たちの息子を助けてください!」





「彼は新しい血液型です…輸血の余地がない…かなり絶望的な状況です。」





「そ、そんな……」





新しい血液型とは、近年発見された、これまでの型にはまらない血液型のことで、S型と呼ばれている。





「新しい血液型なら、私もそうです。私で良ければ輸血いたしますが…」





誰もが助からないと思ったその時、見知らぬ誰か、おそらく人間ドックなどで訪れた人だろう。





たまたまいたのだ、新しい血液型の人が。





誰もがこれを奇跡だと思うだろう。その見知らぬ誰かを神様と崇めてもおかしくはないこの状況、特例で、すぐに輸血の態勢に入った。









結果、少年は助かった。





いや、常識的に考えて、少年が助かったとしても、そんなすぐに学校に行かせるだろか。普通は入院させて精密検査やらするだろう。なぜ、そんなに早く学校に行けたのだろうか。









-学校にて-





「まさか…自分がこうなるとは思ってなかったぜ…」





四郎は窓際の席で外の景色を見ながらそう呟いた。





「四郎、どうした?」





四郎は学校では目立つ存在である。一般的に言えば不良であろう。だが、それは見た目だけの話であり、中身は静かなヤンキーである。





それ故に休み時間は話しかけられることが多い。今日もいつものように、友達の有門信也(あるかどしんや)に話しかけられた。





「どうした、ってどういう意味だよ、信也。」





「学校中で噂になってるぜ、お前が深夜に刺されたって。」





「本当だ。刺されて、死にかけた。だが、誰かが輸血してくれたおかげで助かった。そして、病院から抜け出して来たって訳さ。」





「抜け出した……?そんな短時間で元気になるのか?」





「そんなこと知るか。俺は病院が嫌いなんだ。体育を受けられるくらいだから大丈夫だろう。」





教師にも刺されたことを聞かれたが、その時ははぐらかしていたようだった。周りからの評価は『不良』なので、そういう冗談が普段から多かったことが幸いした。(車に轢かれた、ヤクザをぶっ飛ばした、など)









そのあとの授業もとくに変わったことはなく、そのまま放課後になった。









そして学校からの帰り道、





「なあ四郎、久しぶりに俺ん家で遊ぼーぜ‼︎」





「そうだな。お前の家で遊ぶのは中学校以来か。今日起こったことも色々整理したいし、行こうか。」



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