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第1話 『平和です。』

『ドンガラガッシャン———!!』


大きなゴミの山と、それへ向かって飛んで行った人。

耳を(つんざ)く衝撃音と、大量のゴミが崩れる音。

少し遠くの光害レベルの回転灯。


ゲロと排ガスに塗れた大通りで起きた日常。

飛んで行った人の血は地面を、誰かの下衆い笑い声は空気を汚す。


そんな血を流し、嘲笑を向けられとるのは『俺』!

そう。この、『レンペル』様じゃ!!

何でそんなことになったんかって?


さっき言ったやろ、()()やって!

金がなくて盗みを犯した。そしたらおっちゃんにぶっ飛ばされた。

腕が一本吹き飛ぶ。それを周りが笑う!

そんなクソみてぇな日常じゃ!!


こんなでもここは平和な方や。まだ人っ子一人死んどらん。

致命傷で済んどる。いや、あかんのやけどな!?

そんなもんで済む理由はな?……お、ちょうど来たな。

うっせぇモスキートが近づいてきやがる。


『致命傷個体 を 発見。保護 します。』

『料金 は 20万 ヘース です。」


守銭奴ロボットのせいや!

頼んでもないのに治療だけして常識外な金を奪ってく。

俺結構稼いどったんやで?やけどコイツのせいで……!!


ロボットくんはアームを出した。

俺のほっそい胴体をガシッと掴んだ……いててて、もうちょい弱めろや。

そんでコイツは生体認証を始めるんやな。


俺のきれーな紅の瞳に網膜認証する。めっちゃ眩しい。

んで、ながーい黒髪を一本雑に抜きやがる。


その髪とかをスキャンし終わったら太めの針が出てくる。

首元にそれをブッ刺して、液体を入れる。

そうすると………


「ぐ……ぎゃ!?ごッ…オ''ぇ!!」


腕が生え始める。この世の痛みをミックスブレンドしたような苦しみと共に。

簡単にいえば下の玉を蹴られた時の10倍は痛いわな。

まあ長く続かんだけでも万々歳やがな!

そんなこと思っとったら手の甲が光る。

支払いや。マイクロチップってすごいわー。


『20万 ヘース を 支払います。 この 支払い は、 強制徴収 です。』

『支払い 完了。 現在 の 所持金 は -3億 5942万 1762 ヘース です。』


自分の中からイヤーな音が聞こえる。

ロボットの方からも


『お支払い ありがとうございました。』

『至高 の 生活 を お送りください。』


現実的な文と、綺麗事だらけの理想文。

理想文は臓器売った時にも聞いとるから嫌いや。

でも、臓器より治療費高いねん!!


……まあ売っぱらった臓器も再生されとるけど。


ってそんなこと考えとる場合じゃないんや!

はよ逃げんとまたおっちゃんが殺りに来るんやぁ!!

お?なんか右にデケェ影が。


「ゴへェ!!!」


下顎が30cmくらい吹っ飛ぶ。また地面汚してまったわ。

顎んところには機械の拳があるもんで冷たいわ。


『致命傷個体 を 発見。保護 します。』

『料金 は 20万 1000 ヘース です。」


またかいな………

次は逃げ切るでー?


「ゲホッ……うえっ…!げえっ…」


今回は吐きそうやな。顎のせいか?

そんなこと考えながらちゃんと逃げ始める俺。やっぱ有能やな!!


うぉっ!転びかけ……踏ん張れん?!

『ドサッ』

………………足の感覚ねぇー。終わったー。


足は吹っ飛んでる。目の前にはおっちゃん。後ろにロボット。

これは4億台超えそー………。


『グチャッ!ゴチャッ!」

『致命傷個体 を 発見。保護 します。』

『料金 は 25万 ヘース です。』

     ︙

     ︙

『40万 ヘース を 支払います。 この 支払い は、 強制徴収 です。』

『支払い 完了。 現在 の 所持金 は -5億 362万 7762 ヘース です。』


おっちゃんの血に塗れた背中。だっさ。

5億かぁー。えぇ?5億ー?

3億でも終わってんのによー。

1000回は取られたかなー。おっちゃん頭おかしいってー。


日明けてきたなー。空きったねぇなー。

なんでこんなところで過ごさんとあかんのやー。


………んぁ!?!夜明け?!仕事行かへんと!?!

始業まであと5分!!

やべぇやべぇやべぇ!!


業務内容はえぇと……治験と木こりと、あとは…臓器か!

全部割良いやつやんけ!クビだけは回避せんとあかん!!


「———ハァッハァッ。セーフ!!」

「アウトデス。三十マン天引キデス。」


………は?

なんやこのクソロボ上司。いや1分やぞ?

30万?借金増えたのに?また増える?


「おうおうおう………」

「そうか、そうか、つまりそう言うことなんだ、なッ!!」


上司の凹み。鋼鉄の重い響き。拳の鈍痛。

こんな状況、昨日の惨状に比べたら屁でもクソでもねぇわ!!

上司ごときが調子に乗りやがって…!


「思い知ったかクソロボが!!人間様を舐めるなよボケ!!!」


「……あ?また守銭奴野郎か?やってやるわゴラ!!」

「救助するだけの能無しがよ!おぉ………ぉ?」


あ、れ、は、『銃』持ってるねぇ…。

警察ロボットやなぁ……。


『動くな。手を挙げろ。」


それって強盗が言うやつやろぉ……。

あ、コイツもアームあるんや。っていたたた!!強すぎやろ!

……………守銭奴ロボットって優しかったんか?


あー、俺も遂に豚箱かぁ……。父ちゃん…母ちゃん…すまへんなぁ……。

…なんて言うと思ったかクソ親が!!テメェらが遺した借金のせいで盗みやってんやぞ!!

2億やぞ2億!!今5億やけど…。

……俺もなかなか酷いんか……?


あぁ……そんなこと考えとったらもう留置所かぁ…。

ゴッツイなぁ。黒いなぁ。デカいなぁ。

と言うかちけぇな…。

……まぁ、この【犯罪都市 フェアテート】なら普通か……。

1ヘース=10円ぐらいです。

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