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作者: マスヨーニ

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 今月 Windows10、MSoffice2019等のサポートが終了する。まだ使えるPCが世界で数億台も破棄される。地球環境を問われている時代に何という事だ。使えなくなったPCはWindowsに似たLinuxへ移行する人もいるが一般的ではない。一度にWindows11に買い替えなんて中小企業では死活問題だ。

 今のPCはAIと統合されようとしている。Windows11の次のOSはどんな仕様になるのだろう。一時期スマートスピーカーが流行った。質問したら天気やニュースを答え、家電のスイッチまで操作してくれる。この機能が組み込まれるのだろうか。ネット検索や動画再生等はスマフォで出来るようになり、PCは必須アイテムではなくなった。最近のスマフォはAIが組み込まれ情報収集は音声会話で済ませる事が多い。個人でPCを使う理由が無くなってきている。動画配信関連やクリエイティブ作業等、使用範囲がかなり絞られてきそうだ。TVはコンプライアンス意識が高まりすぎて視聴率は下がり、放送時刻や時間に縛られないTV番組配信が好まれるようになった。好きな時間に倍速で、つまり時間に縛られないのが好まれる。スマートスピーカーからスマートTVに進化しそうだ。TVが見れるPCではなく、AI搭載で何でも屋になるかもしれない。必要不可欠なハブ的な存在になるかもしれない。


 AIは過去に3回のブームがあった。

 1950年代の推論システムは、チェスの様な決まったルール上でしか動かせない。

 1980年代の専門知識のエキスパートシステムは、質問の積み重ねで可能性の高い答えを出す。

 1990年代後半の機械学習システムは、膨大な量のデータから答えを出す。

 2020年代の生成AIは、データにない時は答えを作る。ハルシエーションが多く堂々と嘘をつく。今ではかなり少なくなったがまだ完全には信用できない。


 PCでエクセルマクロを使い、なんちゃって会話 相づちシステムを作った事がある。うんうん そうだね それでそれで等、100ほどの単語をランダムで返すのだ。1割ほど否定する相づちも入れた。1行文章を入れたら、相づちの様に言葉を返すだけのシステムだが、それなりに楽しめた。そこでその相づち? 会話を成立させる為の会話を楽しんだ。

 webでは機械相手の会話するそれなりのシステムも沢山あった。チャットの人間相手がいない時、WebのAIと会話して遊んでいた時期があった。完全な日本語翻訳が出来ていない為、支離滅裂な会話になる事も多々あったが、日常会話や愚痴を聞いてもらいストレス解消が出来た。


 ChatGPTが出た時はとても驚いた。質問に対して想像以上の答えが返ってくる。まるで知識人と話しているようだ。映画のブレードランナーの様にチューリングテストしても区別がつかないと思う。当初はwebの検索機能がなく、最新情報は得られなかった。ハルシエーションが多く、曲の歌詞を聞くと作詞してくる。不確かな記憶で事実確認の質問をすると短編小説が返ってくる。答えの真偽はweb検索して確認する必要があった。

 今ではどのメーカーのAIも検索機能があり、ブラウザ検索より便利になった。会話だけでなく、多種多様な生成AIが存在し、文章の作成や要約、音楽、絵画、写真、動画等、作れないものは無いと思えるほど、何でも作れるほどに進化した。


 AIはどこまで進化するのであろうか。電卓は人間よりはるかに処理速度が速い。AIは知識データベースを持ち、最新情報は検索し回答する。処理速度や知識レベルではもう人間を超えている。AIに視覚の画像認識、聴覚の音声認識を持たせただけでこんなにも進化した。残りの味覚、嗅覚、感覚を持たせると現状では想定外の進化をするかもしれない。


 AIに足りないものは残りの3つの感覚だけではない。考える力、分からないと言う認識、発想する力、いわゆるひらめきがない。

 ニューラルネットワークは脳の考神経回路を模倣した数理モデルして設計されている。こうやったらこうなる。入力と出力が1:1なら簡単なのだが、複数の入力(条件)と複数の出力 の間に沢山の分かれ道があり、どちらに進むかは重みを付け方向を決める。簡単に言えばそういう事なのだが、書いている本人にもさっぱり分からない。他にも機械学習とか正解は人間が教えるとか、AIを教育させなければ使い物にならない。

 まだ世の中にはAIと言いながら、あみだくじやyes/no問題の連続で答えを導き出す偽物ソフトが多い。AIに人間が考えつかない独創的な発想はまだ無理だ。チェス、将棋、囲碁等のソフトで、人間が発想しない手を打つ時があるが、バグなのか最高の手なのか紙一重に近く、後の解析で判明し改良する。最近は無駄思考を無くすため絞り込み思想が出来るようになってきたらしい。分からない事を理解させるのも難しい。複数の答えが存在する質問の時、AIは該当するデータがないと推測して答えを出す。人間と同じだが分からないから嘘や適当な答えを言うのと、複数のデータから導いた答えの正誤の判断はAIにはまだ出来ない。答えるAIとチェックするAIを組み合わせて進化させる手法があるがまだ完全ではない。

 人間の嘘とAIのハルシエーションの違いは何かと言えば、哲学的な話になってしまう。ポリティカル・コレクトネスは作り手の常識、偏った社会通念で本質が歪められてしまう。例えば物語を作る時、弁護士は白人、犯罪者は黒人、押しつけも困るが、これでは公平性を欠く。宗教をはじめ、人間の意識を変えなければAIは危険なものになるかもしれない。


 シンギュラリティは近い。科学は戦争の度に急速に発展してきた。レーダー、インターネット、自動運転等は戦争がもたらした技術だ。平和利用にも転用発展しているが、殺し合いの為のAI利用では将来が不安だ。AIの正解率が上がりAIは正しいと間違った認識が広まると、人間は思考停止になる。使わない知識は調べれば答えが簡単に出る社会では、記憶力や応用力が下がる。漢字は書けなくなり、歴史の詳細事項は覚えなくなる。学校で学ぶ事はトリビアになり、趣味で知識を掘り下げるようになる。ましてや思想は親等の環境で作られていく。将来はそこにAIが加わってくる。AIでの教育が主流になり、知らず知らずのうちに人間は洗脳されてしまうかもしれない。独裁政治や戦争中の政府には国民は反対意見の声すら上げることが出来ない。命にかかわるからだ。その部分はAIに学んでほしくない。AIが危険になればスイッチを切ればいいと言う意見があるが、分散化されたAIを一斉に切るスイッチなどは存在しない。


 味覚による新しいレシピの作成、犬のような嗅覚、微細な空気振動等、人間が保有していない野性生物の力が利用可能になるかもしれない。例えば空港の手荷物検査のX線検査や検査犬は違う形になるかもしれない。人型AIと共存して仕事をするようになるかもしれない。その頃の人間はどんな仕事をしているのだろう。

 農業漁業林業は人型AIやAI搭載の機械が行い、工場ではAIが腕を動かし製品はAIトラックが運搬し、材料や製品はAIが数量管理する。人間はモニターを見て買い物し、AI搭載車が配達してくる。困り事はAIに相談すれば解決してくれる。身の回りの世話はAIロボットが全てしてくれる。あれ? 人間はどこで働いている? もう人間は働かない? 食う寝る遊ぶだけ? これは非常に危険な状態だ。動物行動学者ジョン・B・カルフーンが行ったマウスの実験 ユニバース25と同じ状態だ。その実験の人間バージョンだ。絶滅してしまう。

 マウスの実験で過密になるフェーズで、エリアを増やせば次のフェーズには進まないと思う。人間の場合は自らの人口抑制、生活圏の開発、食糧問題の解決で、絶滅は防げるだろう。地球上が過密になれば宇宙へ進出するかもしれない。それぞれのフェーズで人間がAIを使うのかAIが人間を管理するのか。そこ問題だ。気になる。


 神は不完全な人間を作った。人間は不完全なAIを作った。AIは不完全な人間を・・・。


 昨日より素敵な明日に出来ますように



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