愛する人との別れを選んだ側妃と愛する妃の意思を受け入れた国王
「アレッタ。頼んだわよ」
そう言って唯一の専属侍女を送り出したのはガーナット王国の第四側妃メリッサだ。国を通さず直接メリッサが書いた手紙が、インデスタ―王国の外務大臣の手に届くように考えた案を、今実行すべくアレッタを送り出したところだ。
アレッタの任務は重い。アレッタの親戚がインデスタ―王国の外務大臣の家で働いているということにして、仕えている王女が王太子妃としてそちらに行くので、気候や生活習慣などを知りたいと言った趣旨の手紙を出したいが、親戚が住んでいる外務大臣の邸の住所を忘れてしまったので、王城に送って渡してもらおうという随分図々しい案を考えた。
だがそれなら配達所も国外に送る郵便物として不審に思わないだろうと推測した。図々しいなと思いながらも送って無礼と思われれば処分されるだけだ。高い郵便料金を払ってくれるなら送り先を気にしないだろう。図々しいくらいが逆にこそこそしていなくて不審がられないだろうと思ったのだ。アレッタは図々しい演技をしなければならない。どうしても送らなければならないのだらから。
もちろん、詳しく封蝋を見せてはいけない。封蝋はガーナット王国の側妃がそれぞれ意匠違いで持っているものだ。見ればガーナット王国からだとはわかるだろう。そして差出人もメリッサの名前が書いてある。アレッタの横に。図々しい演技で裏を見ることなく受け取らせてそのままインデスタ―王国へ送られて行くのを祈るのみだ。
二時間程するとアレッタが戻って来た。
「問題なく通りましたよ。意外にすんなりしたものです。聞かれたので計画通りに言ったら笑われましたよ。こんな図々しいのちゃんと本人に渡るかわからないけどって。まあでもそのままインデスタ―王国行きの箱に入れていたので問題ないでしょう」
「ありがとう、アレッタ。あなたもご家族との別れをする時間を作った方が良いからお休みを取らないとね」
「私は兄夫婦一家しかもういませんから一日で充分ですよ」
「そう?じゃあアレッタの好きな時に挨拶に何度でも行って来てね。墓前に挨拶もしてこないと」
「はい。ありがとうございます。でも私はお二人に付いてインデスタ―王国に行くのが楽しみなのです。一度は旅行してみたいと思っていたので」
「そうだったわね。アレッタはインデスタ―語も日常会話に困らないくらいの勉強をしてたものね。あなたくらいよ。旅行に行きたいからって、その国言葉の勉強をわざわざするの。
私は仕事で必要だから勉強したけれどね。あと何か国語話せるのだったかしら?」
「そうですね。フランディー語とインガラン語です。そのうち一緒に旅行に行きましょう。メリッサ様」
「そうね。私もアレッタも言葉には困らないし、インデスタ―王国にユリアナが嫁いで落ち着いたら、まずインデスタ―王国内をゆっくり旅行しましょう。その後はフランディー王国ね」
「ええ、ええ。楽しみになってまいりました。早く二か月が経たないかと思っております。色んな意味で」
最後の所でアレッタが声を落とした。そう、色んな意味で早くこの国から出なければならない。何故なら、毎日第二王女と第三王女がこの邸にやって来て自分と変われと言うのだ。
その度にお父様の決めたこと、とユリアナは対応しているが、母親たちは何をしているのかとメリッサは密かに怒っていた。
確かに、インデスタ―王国の王太子妃になるのは羨ましいと思うのだろう。それは間違いない。他国の王太子妃に選ばれるのはそう簡単なことではないのだ。相手側にもメリットがなければならない。
メリッサの予想では、あの二人は降嫁させられるだろう。降嫁すれば、王家ではなく臣下となる。それを受け入れられる王女もいれば受け入れられない王女もいる。降嫁するくらいなら他国の王太子妃になりたい、というのがあの二人の考えなのだろう。結婚しても王家。いずれは王妃だ。国最高位の女性になれる。
だが誰でもなれるものではない。今回は運の良いことにユリアナが選ばれた。もちろんこちらから打診すると聞いてもいたからお互いの利害が一致したのだ。それは覆るものではない。両国で決めたことなのだ。それを簡単に変われなどと。始めはメリッサもいつもの嫌がらせで言っていると思っていたのだが、今では本気だと思っている。それくらいの執着心を感じているのだ。
ユリアナが一国の王妃になるのが許せないのだろう。自分たちは降嫁させられるのにと、本人たちも気付いているのだろう。
遺恨を残して去りたくないので二人の母親には何も言っていない。きっとあの調子なら、自分の娘が王妃にもしなれるならとさえ思っていそうだ。毎日ユリアナのところに行くのを許しているのだから。
メリッサは溜息をつくと少しずつ自分も片づけをして行こうと立ち上がった。
あの手紙を送ってから三週間で返事が来た。まさかのアレッタ宛として。向こうもきっと何らかの事情があるのだろうと察してくれたのだろう。ありがたいことだ。メリッサは封を切ると中身を読んだ。
「なんて親切なのかしら」
「メリッサ様どうでしたか?」
「フレデリク王太子殿下が王城の近くに別邸として小さな邸を買ったからそこに住んで欲しいですって。わざわざ準備してくださったなんて。こちらで着いたらホテル住まいをしながら家を買うと書いてあったのに。
なんだか申し訳ないけど、本当に優しい方だわ。私が一緒だととユリアナが安心するだろうから是非来て欲しいとも書いてあるわ。メイドと料理もできるメイドの準備も進めてくださっているようよ」
「まあ!素晴らしい。ゆっくり暮らせそうですね」
「お母様どうされたの?」
そこにユリアナが自室からやって来た。さっきまで義妹たちの相手をしていて疲れていたから部屋で休んでいたのだ。ユリアナは既にインデスタ―王国の勉強を始めている。しかし、義妹たちのおかげで思ったように進まないようだ。
「フレデリク王太子殿下からお手紙が来たの」
「え!フレデリク様から?」
駆け寄って来るユリアナにメリッサはほほ笑んだ。
「残念。あなた宛てじゃないわよ。私宛」
「お母様宛なの?!」
少し衝撃を受けたようだ。
「先日こっそりインデスタ―王国へ手紙を出したの。ユリアナがインデスタ―王国へ向かう時に私と侍女も同行して、今後インデスタ―王国で暮らしたいって。住む場所はこちらで探すから大丈夫だって書いたんだけど、もう邸を準備してくださったんですって。お優しいわね」
「そうなの?良かったわ。お母様たちが一緒に行くのを許可してくれただけではなく邸まで探してくれるだなんて。お会いしたらお礼を言わないと」
ユリアナが頬を染めている。恋をして一層ユリアナは美しくなった。柔らかい笑みを浮かべてインデスタ―王国について書かれた本を読んでいる姿は、勉強しているというのに恋する少女そのものだ。王家に生まれて愛する人と結ばれることは珍しい。しかも政略結婚で。もちろん、結婚してから生まれる愛もあるが、二人は結婚する前からお互いを意識し、愛をそれぞれの国で一人で育てているのだ。
早く時が経つようにとメリッサは願った。
「ちょっと出てくるからちゃんと勉強してなさい」
そう言ってメリッサは着替えると書類を持って邸を出た。
青空を見上げ、この空を見るのも後少しと思いながら歩を進める。着いた先は、国王の執務室だった。護衛に陛下に取り次ぐように伝えると直ぐに中に入れてもらえた。陛下は一人で仕事をしていたようだ。
「お時間を頂戴し誠に申し訳ございません」
「メリッサ。そろそろ来るだろうと思っていた。来ないで欲しいとも思っていたのだが、来てしまったな」
そう言って浮かべた笑顔は少し悲し気だった。
「陛下・・・・」
「メリッサの考えることは大体わかるつもりだ。これでも夫だからね。だから、来ないで欲しいと思いながらも来るだろうと思っていたんだ」
そう言って手を出してきた。メリッサはその手に持ってきた書類を渡す。
「はあ。己で決めたこととはいえ、二人を手放すことはこんなに心が痛むのだな」
「わかってらっしゃたのですね。ユリアナが結婚すれば私が退宮すると」
「ああ。メリッサには苦労をかけた。あの事件も犯人を特定できず、気苦労が絶えない生活をさせてしまった。料理も洗濯も掃除ですら自分でする姿に私は何ができるだろうかと考えていた」
「陛下にはたくさん色々していただきました。たくさんのものもいただきましたし。
小さな邸が陛下のおかげで宝飾品だらけですよ。他の方々に見られないようにするのがどれだけ大変か。今日もフランカ様とラウラ様が来られてクローゼットや物置の扉を開けられないことを祈るばかりでした」
そう言って苦笑するメリッサの手をアルベルトは握った。
「大変な生活をさせているんだ、せめてもの代わりだ。他の邸の使用人の人件費を考えればまだまだ少ないくらいだ」
そう言って握った手に口付けをする。
「それにしても、あの子たちはまだくだらないことを言ってユリアナを困らせているのか。本当に、何故わからないんだ。妃たちには後で行かせるなと伝えておくから。一度目の注意で聞かないならそれ相応の負担をさせることにしよう。例えば、お茶会を開くのを半年禁止とかにすると言えばさすがにもうしないだろう」
「ありがとうございます。陛下にはお礼を言っても言い切れません」
「寂しいことを言うな。おまえは私の一存で入宮させられたのだ。別の道もあっただろうに私がそれを閉ざしてしまった。だからそんな私にできることは大切にすることだけ。他の妃も同じようにしているつもりだが、どうしてもメリッサに見つめられると今でも心が若い頃に戻ってしまう。
メリッサに最初にあった日に。惹き付けられるものを感じて心が柄にもなく踊っていたあの日にな。
おかしなものだ。側にいて欲しいのに、側にいさせない方が良いと思っている。メリッサの安全で安定した生活の為には私の側にいない方が良い。それは間違いのない判断だ。だからユリアナも同じだ。ここにいない方が良い。そして二人で新しい人生を幸せに生きなさい」
「陛下。私も同じです。お側でお仕えしたいですが、私が一人ここに残ればユリアナは心配するでしょう。そして私は短命で終わるかもしれない。陛下のお側でこの命を終えられるならそれで満足だとも考えました。ですが、万が一そのようなことが起これば、悲しまれるのは陛下です。
私は二度と陛下を悲しませたくないのです。どうかお幸せに」
メリッサは自分の手を握るアルベルトの手に頬を寄せてからそっと手を外させた。
「今夜はメリッサの邸を訪れる日だったな。それまでに書類を完成させておこう」
「ありがとうございます。では失礼致します」
メリッサは執務室を後にした。愛しているから側にいられない。メリッサはとっくに覚悟を決めていた。ユリアナが結婚したら宮を出ることを。それが降嫁であったとしてもだ。
陛下の寵を競う花園に自分は長くいられない。一人宮の中で死が早く訪れるか、宮を出て死から逃れる代わりに愛する人の側を離れるか。その二択だった。そしてメリッサは後者を選んだ。愛する人との娘の側で生きる道を選んだだけ。
ユリアナは知らないが、メリッサが危害を加えられたのは流産した時だけではないのだ。ある日は、邸の裏に干してあったシーツから異臭がした。それは僅かだったがいつもと違うと感じてアルベルトを通して調べてもらったら、皮膚に触れると爛れる薬品が付着していたのだ。それ以来、洗濯物は取り込む時に必ず匂いを確認するようになった。もちろん干している途中も確認した。
他にもいつの間にか小さな庭に知らない花が咲いていて、調べると間違って口にすると腹痛に苦しむものだった。そんなものは口にしないが、誰かが嫌がらせの為にしているのは間違いない。護衛は王宮の入口にだけいてその奥にはいない。男子禁制もあるが、その門をくぐる以外に入りようがない為だ。
いわゆる王族しか入られないようになっている場所なのだ。だから特別に護衛をつけてもらうこともできなかった。中の人間を疑っていますと言っているようなものだからだ。他にも色々あって、命に直結しなくても、体の調子によってなど何かの拍子に間違いが起こるかもしれない範囲で事件が起こるのだ。だからいつも気を張って生活をしていた。
何故こんなことをされるのか。それはわかっている。ユリアナの存在だ。王家の色を完璧に持つユリアナを産んだというだけでどの側妃よりも国民に好かれるのだ。王太子も完璧な色を持っているが、王妃がそもそも緑の目なのだ。だがメリッサは一つもなく、王女を産むことを期待されて入宮して、なんと王女な上に完璧な王家の色を持つ子を産んだのだ。
国民の近くに行く慰問や視察は王妃の次に多くメリッサの元に来るようになった。メリッサはそれをこなしながら自分たちの安全も確保しなければならなかった。だからといってユリアナを産まなければ良かったなどとは思わない。大切な愛する我が子だ。
もうここにはいたくない。それが一番に浮かんだ言葉だ。それは10年前のことだ。
ユリアナが結婚したら宮を出る。どれだけ愛していても、短い時間側にいられるより、愛する人の幸せを長く祈り続けられる生活を望んだ。それが叶おうとしている。
あともう少しの辛抱だ。最後まで気を抜かずに行かねばならない。メリッサは気を引き締め直した。
月の綺麗な夜だった。アルベルトはメリッサの邸に向かって馬で移動していた。歩いても良いのだが、途中誰にも掴まりたくなかった。その為メリッサの元へ行く時は必ず馬を走らせる。そうすればあっという間に会えるのもあるが。
今夜も馬であっという間に着くとメリッサが招き入れてくれた。談話室に入るとユリアナが待っていた。
「お父様!私が作ったクッキーを食べてみて!新作なのよ。アーモンドとオレンジの皮を入れてあるの」
自分によく似た愛する娘だ。こうして過ごせるのもあと僅か。
「ああ、もらおう」
ユリアナから受け取り口にすると爽やかな酸味が効いた甘すぎないクッキーだった。父の好みをよく把握していて作られているとアルベルトは思った。
「ユリアナ。インデスタ―王国へ行っても、フレデリク殿に頼んでたまに作りなさい。そして一緒に食べると幸せな時間が増えるぞ」
「はい。お父様」
そう言うユリアナの頬は赤い。あの舞踏会で決めていたこととはいえ、じぶんの予想通りになり、しかも二人ともその場で恋に落ちたのが直ぐにわかった。
愛する娘をこれから守って行くのは自分ではなく夫となるフレデリクだ。もし泣かすようなことがあれば取り戻しに行こうとさえ考えてしまう程離れがたい。しかし、これが最善と決めたのは自分だ。後ろを振り向いてはいけない。
「メリッサと話があるからおまえはもう寝なさい」
「わかりました。おやすみなさい」
ユリアナを見送るとメリッサに書類を渡した。それは離婚届にアルベルトの署名を付け加えたものだ。昼間にメリッサが持ってきた時はメリッサの署名しかなかったもので、離婚届以外の書類も付け加えて持ってきた。
互いに瑕疵はなく意思を尊重しあった結果の離縁であることを証明する書類と、それに合わせて、離縁後に生活に困らないようにとメリッサに渡すお金についても記載がある。これだけあればメリッサの貯めたお金がなくても一生生活に困らない。しかも万が一大金が必要になっても全く困らない程の宝飾品があるので、それを売りに出せばかなりの金額になる。
「陛下、ありがとうございます」
そう言いながらメリッサは泣くまいと思っていたはずなのに涙がポロリと頬を流れ落ちた。
「泣くな。離してやれなくなる。苦労をかけた。一度も犯人を特定することができず、苦しませるだけの日々を送らせてしまった私を許して欲しい」
「許すだなんて。陛下を恨んだりしておりません。陛下はその都度調べてくださいました。しかし上手く隠されている為に特定できないだけです。
陛下も私の決断を恨まないでください。私は陛下が嫌でここを去るのではないことだけはわかって欲しいのです。できることならお側にいたい。でもお側にいることができないのが実際のところです。どうか私の愛する陛下に笑っていて欲しい。そう祈り続ける時間を私にください」
「ああ。恨まない。お互いの気持ちは繋がったままだ。忘れることもない。必ず一日一度はメリッサを思い出すことを約束しよう」
そう言ってアルベルトはメリッサを抱き上げると寝室へと運んだ。そしてその体をベッドに横たえる。
「陛下・・・」
「メリッサの体温を感じさせて欲しい。久しぶりで怖いか?」
メリッサはアルベルトの言葉に頬をを染めた。
「怖くなんてありません。陛下のお気の向くままに」
「そうか。そうさせてもらおう。だがしかし、今日ばかりは陛下ではなく名前を呼んでくれ」
そう言ってアルベルトはメリッサの額に口付けた。38歳のメリッサの肌はまだまだ艶があり美しい。
「アルベルト様」
そうだという言うように首筋に口付けられどんどんその唇が下がっていく。
「あっ・・・」
胸元に次は口付けられて声が出てしまった。メリッサはそれを隠すかのようにアルベルトの水色の髪に指を絡ませた。
もう二度とこんな日は来ない。これが最後。メリッサの心は生涯アルベルトで埋め尽くされて終わりを迎えるだろう。それで良い。離れて過ごしてもメリッサの心は常にアルベルトの側にある。
アルベルトを迎え入れながら愛しい男の広い背中に縋りついた。
夜が明けメリッサが目を開けると首に微かな重みを感じた。触れてみるとペンダントがついているようだ。隣で眠るアルベルトを見ると穏やかな寝顔をしている。その髪をそっと撫でるとメリッサは起き上がり鏡を見た。するとそこには先日インデスタ―王国からもらったエメラルドのペンダントがつけられていた。しかもどうやって手に入れたのか、エメラルドのペンダントトップにそっくりな意匠の琥珀が着いたペンダントトップが並んでいる。何ともおかしな、それでいて本当はこういうデザインだったと思わせるものがそこにあった。
アルベルトの可愛い一面を見たなと思ってメリッサは思わず小さく笑った。
「何を笑っている」
「陛下、起きられたんですか?」
「はあ、おまえは何度言っても私を陛下と呼ぶ。昨夜の様にもう呼んでくれないのか?」
「インデスタ―王国に言ったら呼びますよ。だってあちらで陛下と口にするとインデスタ―国王のことになりますからね。紛らわしいのでそうなったらお名前をお呼びして、たまに送る手紙にもお名前を書きますよ」
メリッサの言葉にアルベルトは嬉しそうに笑った。
「そうだな。確かにそうだ。あっちに行ったらインデスタ―国王がいるから私のことは名前で呼ぶしかない。手紙を楽しみに待つことにしよう」
身支度を整えるとアルベルトがもう一度メリッサに口付け去って行った。
メリッサは体の痛みを少し覚えたが、清々しい朝を迎えられてスッキリとした気持ちになった。
これで心置きなく旅立てる。あの人のいない場所へ。不安はないとは正直言わない。他国で暮らすのだ。だが、これで娘の幸せを見ながら残りの人生をアルベルトに捧げられる。誰に邪魔されることなく、身の危険を感じることなくただアルベルトを愛することができる。遠くからでも愛することは自由だ。メリッサの心を縛るものはなにもない。
メリッサは少し伸びをすると朝食の準備に取り掛かった。