のまのまイェイ
吸血鬼さんの名前はグレースと言うらしい。
吸血鬼の中でも上位の血筋、それもその上位の上に立つ者なので戦闘力もバカにならないが喋っているだけの今はお上品な方という印象だ。
血を失い過ぎているエヴァを教会の方に連れて行かせ、監視に来ていた娘も仕事を解き部屋にいるのは後始末が終わったアイリスと自分、グレースだけ。
人が減ってから姿勢を崩し顔色が悪く若干呼吸を荒くしたグレースを見て
「流石に治癒魔法は逆効果になるよね。」
「そうですわ我ら魔族は聖魔法は毒になり得ますわ。血が有れば良いですけど…」
「天使の血はがっつり聖なる血とかになりそうだけど…体や性別を弄れるなら血だけでも変えられるかもしれないなぁ。」
そう思い体の内側に意識を向けながらナイフで手の平を傷つけ血を出す、アイリスがコップをくれたので半分程貯めたころ物欲しそうに見ていたので取り合えず渡す。
最初は恐る恐るコップに口をつけ飲み始め直ぐにコップは空になる。
恍惚な表情でこちらを見つめるグレースは人様には見せられないよな状態で居心地が非常に悪い、逃げだしたく立とうとした瞬間ソファーの背もたれに押し付けられていた。
「ここまで美味しい血は初めてです、はしたないですが私に火を点けたシズク様が悪いのですよ?」
ゴスロリのようなドレスのような衣装が目の前を塞ぎ、首筋に牙がぷすりと食い込んでいくと体から減っていく血が分かる。
時より当たる吐息がくすぐったいが正面から抱きつかれているので力が入れずらく無抵抗でなすがまま。
どれだけの量を吸い取られたのか分からないが確実に400㏄は飲まれた、口元をハンカチで拭きながら顔を起こすグレースは肌艶がよくなまめかしい。
「断りもなく男性に抱きついてしまいすいません。シズク様の血はまるで年代物のワインのようですわ。」
「ワイン飲むんですか?」
「ええ飲むわよ。ワイン以外にもウイスキーやブランデーとかも吸血衝動を弱めるから嗜んでます。」
アイリスの質問にすらすらと答え目配せする、これはもっと沼に引きずりこめれると。
無言で手招きしバーへと連れていく、最近は忙しくないときは不定期でバーに立ち興味のある娘に教えているので今日もそろそろ準備を始めている頃だろう。
暗めの間接照明のなかグラスを拭く黒髪の子が居た、目が合うと状況を理解し場所を開けてくれたので手始めにビールから始め地球の色んな種類のお酒を勧め仕事終わりの娘で席が埋まりざわめきは深夜まで続く。




