銃とタクトレ1 HG編
やっとこさ銃を出せるよ。
アイリスと一緒に異世界に来た私は《現代兵器召喚》のギフトと女神の加護を貰いこの世界を害する者を始末するという依頼がある。
その前に銃の扱いには慣れておきたい、護身としても武器としてもサバイバルゲームでよく週末にエアソフトガンと外国のシューティングツアーで実銃を2、3年に1回のペースで触っているがその勘を思い出す為にもトレーニングをしなければならない。
まずはハンドガンから召喚してみる事にしよう。
色々口径や大きさで沢山種類があるが今回は、米陸軍採用のハンドガンであるSIG SauerM17の民間モデルであるP320フルサイズをアイリスの分を含めて2丁召喚した。
体の中から何かが減ったように感じたが違和感がすぐに無くなった、天使の体さまさまだ。
艶消しの黒のステンレス鋼でできたスライドとポリマーフレームで作られたハンドガンだ、試しに握ってみる見た目と裏腹にずっしりと感じるが吸い付くように握れしっくりくる。
アイリスにも構えてもらう少し構えずらそうだったので、Sサイズのグリップのみを召喚した。
P320はモジュラーシステムを採用しておりスライドを外し、グリップ中央のスライドに近いレバーを下げると工具無しでFCUを取り外すことができる。
さっき召喚したSサイズのグリップに逆の手順で取り付けたものを渡す。
「さっきより握りやすいです!」
「良かった、次は弾を装填する前に使い方を説明しようと思うんだけど、多分修行の時に知識として習得したんだっけ?」
「習得済みですが実際に触るのは初めてなので、説明をお願い致します。」
「分かったよ、まず最初は握り方について説明するね。私は左利きだけどアイリスは右利きだから右利きの持ち方になるね、右手の親指と人差し指の指間部の一番深いところにグリップの後部をあてがって。」
アイリスが説明通りに握る。
「そうそう、スライドに指がかからないようにしてね怪我をするから。」
「次に銃と腕が一直線上にくるようにしながら左手を、右手の指を包み込むように隙間ができないように添えて。添えた方の手の親指を水平に伸ばす、その上に右手の親指を乗せて。」
「こんな感じでしょうか?最初に握った時よりもしっかり握れている気がします。」
アイリスは飲み込みが早い
「トリガーの引き方は人差し指の第一関節の少し上で触れる、引くときに真っ直ぐに引くように心がけて。撃つとき以外はトリガー上部のスペースに触れてね、これは体に覚えこませる位練習して。」
「これまでの事は撃つ前の基本だから大切にして!」
「はい!」
いい返事だ。次はサイティングの仕方を説明しよう。
「先端の凸がフロントサイト後ろの凹がリアサイトと言います、リアサイトの切り欠きにフロントサイトを左右均等に隙間が出来るようにする。その時にサイトの上面が両方とも同じになる様に。」
「今言ったことを頭に入れて構えてみて、両目を開けて狙う。あ、そう言えば利き目が分からないね、
利き手の人差し指前に出してそのまま交互に目を閉じたときに指が動いて見えない方が利き目だよ。」
「私の利き目は右手の右目みたいです!」
「次にフォームの確認。脚を肩幅よりも少し開く、利き腕の方の脚を半歩分下げる。お尻を後ろに突き出して体がくの字にならないようにしつつお腹に力を入れて上体をやや前のめりの体勢にする、体の重心を左脚に体重をかける。」
「顔はサイトが中心にする、そうそう上手ですよ。」
「撃つときのポジションは基本の4つ、まず今構えてる時の立射、次に利き腕と反対の脚を軸にして片膝をつく膝撃ち(ニーリング)、体育座りの姿勢で二の腕を膝の上に乗せる座射、最後にうつ伏せで両足を開いてベタっと着ける伏せ撃ち(プローン)になります。
今回は基本のスタンディングで撃つよ。」
50発入りの9㎜パラベラム弾の箱5箱、マガジンローダーと予備マガジンを三本ずつ、金属のテーブル、シューティンググラス最後に電子イヤーマフのOPS-CORE AMPを二つ召喚した。
銃を撃つときは必ずイヤーマフか耳栓を装着しなければならない、120㏈以上だと瞬時に聴覚にダメージを与え永続的に障害が残ってしまうからだ。拳銃も小銃も140~160㏈程あるので必須だ。
電子イヤーマフなのは、射撃音をカットしながら、会話や環境音を聞きやすくなるため便利。
机で召喚した9㎜パラベラム弾をマガジンに詰めていく、スプリングが固いため指が痛くなるのでローダーを使いテキパキと詰める。P320フルサイズは9㎜が17発装弾できる、あっという間に本体マガジン含め2丁分八本計136発分の用意が完了した。
人型と円のスチールターゲットと白のスプレー缶も追加召喚するターゲットを10M離した場所に設置し、白く塗っておく。こうすることでヒットした時に分かりやすくするためである。
アイリスにイヤーマフを渡し自分も装着し、スイッチをいれる。
「実際に撃ってみようか。マガジンを持って、しっかり銃にマガジン入っているか確認をする。
スライド後端の凸凹を握って最後まで引ききるその後は中のスプリングの力で前進させる、銃口の向きとトリガーには気をつけてね。」
アイリスは言われたとおりにスライドを引くと、小気味いい金属が擦れる音とともにチャンバーに初弾が装填された。
「ここできちんとチャンバーに弾が入っているか確認する事をプレスチェックと言うんだけどこれは撃つ前に必ず確認してね、スライドを少しだけ引いてチェックしたら戻して。
装填した後撃たないときはセーフティを必ずかけるように、右手の親指のちょうど上あたりにあるレバーを上げるとトリガーが引けないようになる。撃つときはレバーを水平に下げれば撃てるよ。」
「初めに撃つから見ててね。」
そう一声かけてから撃つ準備をする。
マガジンを入れスライドを引く、プレスチェックをしてセーフティが解除されている事を確認。
息を整えて構える。トリガーを引くとイヤーマフによって抑制された音と共に銃弾を吐き出しながらスライドが後進する。
その動作に合わせてエジェクターにぶつかった薬莢が放物線を描きながら回転して飛んでいく、バレルが傾くそしてスライドが前進すると次弾が装填される。
全弾撃ち切ってスライドストップが掛かった、セーフティの前のレバーを押してスライドを戻す。
1マガジン撃ったが全弾マンターゲットに当たったようだった、腕は鈍ってはいないようだ。
「アイリスも今やったように撃ってみて。横で見てるから。」
アイリスが頷き、銃を構えた。次々とターゲットに当てていく、リコイルコントロールも上手なため吸い込まれる様にヒットしていく。
残り3マガジンも練習の為に二人で撃ち切った。
「アイリスは上手いね、経験者だけど嫉妬しちゃったよ。」
「雫様のご説明が丁寧かつ分かりやすいからでございます!」
フンス!と鼻息が聞こえる位興奮しているアイリスだった。
次は銃のカスタムと腰回りの装備の予定じゃ。
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