ゴブリンと現代兵器
ファンタジーですがリアルなところもあってもいいじゃないかということで書きました。
最後の一軒は作りがしっかりしているので、扉を破るためにM870を用意してアイリスに渡す。
「扉を破壊したら中にフラッシュバンを投げ込むから炸裂したら突入するよ」
アイリスに合図を送り、蝶番にバレルを向け破壊する。
すぐに扉を蹴り中にフラッシュバンを投げ込むと、室内が光と音の世界に塗り替えられる。
LVAWのライトを点けて中に突入すると、明らかに今まで戦ってきたゴブリンより背丈が2M以上あり、筋肉が浮き上がった敵が姿を現す。
本能的に危険だと感じ、マグの中の30発をフルオートで叩き込む。
あまり効いていないので、入口のアイリスに向かって端的に伝える。
「脅威度大、効果軽微、対処不可、暫時撤退!」
マグを交換する時間も惜しいのでスリングに任せ手を放し、P320を顔の方をサイティングして叩き込む。
家を出るとエマージェンシーリロードをして装填する。
MRZR4を再召喚し、奴から距離をとる。
明らかに普通のゴブリンより強い事が分かる。鎧を身に着けた部分は弾をはじかれていたが、生身の部分はダメージを与えられていたようだ。
「あれは多分ホブゴブリンだ。鎧は5.56レベルだと弾くみたいだから貫通力重視でいくよ」
アイリスにはスラッグのベネリM4とシェルホルダーを渡し、自分は12インチのHK417とMSR、12.7mmのTAC50を召喚する。
ボンネットにバイポットを立てMSRで狙う。興奮しているようでアイリスからのスラッグを受けても突撃してくる。
呼吸を落ち着け肩を撃つと、流石に鎧を貫通したようで動きが鈍くなる。
すぐさま四肢に撃ちこみ機動力を削ぐ。TAC50に持ち替え、奴が装備していたロングソードを破壊する。
だいぶダメージを与えたが闘志が、無くなっていないので417を構え、アイリスと共にじわじわ近づきながらバイタルゾーンに何発も撃ちこんでいく。
ようやく死んだようだ。ホブゴブリンはこんなに強かったっけ? 端末で調べてみると、このゴブリンはキングゴブリンのようだ。道理で強いわけだ。
他の情報を見ると、懸賞金が掛けられるほど強かったみたいだ。
少しすると、ゴブリンの魔石と討伐の証の耳を切り落とし1ヶ所に集めておく。
やはりキングゴブリンの魔石は大きいようだ。残った死体を火炎放射器で焼いていく。
荷物を亜空間に仕舞っておく。これも転生者へのギフトのひとつらしい。
「彼女達の火葬をしようか」
アイリスが無言で頷き安置している方にいく。手間はかかるがMRZR4に置き拠点の方で火葬しよう。その他にも白骨化している遺体と、今まで挑んできた冒険者達のだろう遺品も回収しておく。
山火事に気を付けながら集落も焼き払う。
拠点に着くまではどちらとも喋らなかった。
棺を用意して中に納めると火を着ける。アイリスがやっと泣けたようだ、赤の他人ではあるが来るのがもう少しでも早かったらと思うと悔やみきれない。
背中をさすると嗚咽が聴こえる。泣き止むまでさすり続けた。
「もう大丈夫です。骨を拾いましょう」
人数分の骨を拾うとこちらも亜空間に仕舞っておく。せめて近くの町の墓地にでも入れてあげたいのだ。
流石に二人ともご飯を食べる気にはならなかったのでお風呂に入る。
上がった後にお茶を飲んで心を落ち着かせる。いつもより早いがテントに入ることに。
アイリスが思い詰めているように見えたので呼ぶ。
「アイリスこっちにおいで」
近づいてきたら今日はこっちが膝枕をする。
何も喋らずに頭を撫で続ける。また嗚咽が聴こえたが聴こえないふりをしてずっと撫でる。
何分か何時間か経った。いつの間にか泣き疲れて寝てしまっている。
寝袋に寝かせて自分も寝ようとしたがアイリスがうなされていたので手を握ると落ち着いた。
手を繋いだまま寝袋に入り自分も寝る。
もう寝袋の距離は無くなっていた。
短いですが今回はここまで。良かった感想と評価よろしくね。
冷え込みが強くなってきたから体調には気をつけてね。