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両刃の悲しみ  作者: ひふみん
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第1章「異変」③

「刀華、大丈夫?」


 そうやって恵子が声を掛けてきてくれたのは、二限目が終わって、教室に戻ってくる時だった。


 結局あの後、私は何も言わなかった。一体、何がどうなっているか分からず、私はただ黙ってその時が過ぎるのを待った。


 そんな私の様子に、先生やクラスメイト達は、少しぎこちなさが残るまま、何事もなかったかのように朝のホームルームを続けた。


 こう言っては何だが、そうやって取り繕って行なわれた朝のホームルームは、下手な文化祭の演劇を見ているようで滑稽だったが、おそらく周りから見れば私の方がよっぽど滑稽だったのだろう。


 何も言わない私に、恵子は私の目を見ながら言った。


「もしかして、また視えたの?」


 その言葉に、反射的に恵子の目を見つめた。いや、正確には「射抜いた」と言ってもいい。


 私の眼力は、剣道をやっているせいか時々相手を膠着させるほどの力を持つことがある。ましてや、私はそこに眼の色も一役買って、ますます相手を怖がらせてしまう。


 案の定、恵子は蛇に睨まれた蛙のように身体を膠着させ、明らかに怯えた表情を浮かべた。そんな恵子の様子に、ハッと慌てて視線を逸らす。


「ああ、ごめん。私、つい…」


 気まずい沈黙が流れた。


「…私こそ、ごめんね」


 恵子は、本当に申し訳なさそうに呟いた。


「ううん、今のは私が悪い。恵子は、私を心配して言ってくれたのに」


 思わず、唇を噛み締めた。


 こうして自分の事を気に掛けてくれる親友がいるというのに、その親友を睨むなんて。


 自分に、少し苛つく。


「ごめん」


 もう一度、謝ると、きまりが悪くなって視線を逸らす。こんな顔を、恵子に見せたくはない。


 恵子は、何も言おうとせずに、黙って私の横を歩いていた。その気遣いが、ありがたい。


「…恵子」

「うん?」


 ようやく、出てきた言葉に、恵子はすぐに反応してくれた。


「ちょっと聞きたいんだけど…今日、窓際の一番前の席に、誰か座ってた?」


 私は、自分の声がなるべく硬くならないように努めた。


 しかし、恵子は、私の質問に明らかに驚きの表情を浮かべた。


「いや、誰も座ってなかったよ」


 分かってはいたが、聞きたくない答えが返ってきた。私は、思わず漏れ出てきそうになったため息を、ぐっと飲み込んだ。


 やはり今朝、あの教室に居た佐藤さんは、私以外の人には見えていなかったらしい。しかも、恵子を始めとして皆の様子を見る限り、どうやら佐藤さんは元々居なかった存在になっているようだ。


 これは、一体どういうことだ?


 私だけが見えて、皆には見えなかった。それも、見えないだけではなく、「そもそも居ないものとされている」とは、一体どう説明がつくというのか。


 私は、一体何を視ていたんだ?


 そんな疑問が浮かんでくる。


「刀華…」


 教室の前まで来ると、恵子は心底心配そうな声を掛けてきた。


 私は立ち止まり、恵子を見つめた。


「あなたは、一体何を視たの?」


 私は、恵子から視線をずらして、教室の中、窓際の一番前の席に視線を向けた。


「…私にも、分からない」


 佐藤さんは、変わらず席に座って外の風景を眺めていた。


ーー


 私が「視」えるようになったのは、一体いつからなのか。それは、私自身にも分からないことだった。


 私がそのことに気付いたのは、本当に小さい頃、剣道も「遊び」と思っていたような頃のことだった。私はその日、おじいちゃんと一緒にお散歩をしていた。


 雲一つない晴れの日だった。空は青く澄みきっていて、太陽の光も穏やかに私たちの頭上に降り注いでいた。ご機嫌だった私は、おじいちゃんと散歩できるのが本当に嬉しくて、行って帰ってくるまでずっとスキップしていた。


 大体、一時間くらい歩いたところで、おじいちゃんが「そろそろ帰るか」と言ってきた。普段なら「もうちょっと!」とか言ってわがままを言う私だったが、その日は疲れていたのか、素直に「うん!」と言って家路に着くことにした。


 そうして、来た道を引き返そうとした時だった。


「ねぇ、おじいちゃん。電柱のところに、男の人が立っているよー」


 そう言って、私は目先にある電柱を指差した。


 男の人は、不思議な出で立ちをしていた。五月も半ばに入った暖かい陽気の日だったというのに、黒い厚手のコートを着ていた。シャツ一枚でも普通に過ごせる暖かい気候の中で、その男の人の格好は明らかに異質で、見ているだけで汗が出てきそうな、場違いな格好だった。


 私がおじいちゃんに声を掛けたのは、ただ不思議だったからだ。どうして、こんな暑い日にあんなコートを着ていられるのか。ただ、それだけを知りたかったから。だから、「人のことを指差して、あれやこれや言うのは良くないよ」とおじいちゃんから口酸っぱく注意されていた私だったが、思わず指差してあれやこれやと言ってしまった。


 言った後で、「しまった!」と思った私は、恐る恐るおじいちゃんの顔を見上げた。


 ところが、おじいちゃんは叱るどころか、ただ唖然として私が指差した電柱を見つめていた。そんなおじいちゃんの様子に、私は首を傾げた。


 そして、おじいちゃんはゆっくりと私に顔を向けた。


 その顔を、なぜか怖いと思ってしまった。


 次の瞬間、私はおじいちゃんにガッと肩を掴まれた。とても強い力で掴まれたので、私は思わず泣きそうになってしまった。


「おじいちゃん、痛い!」

「刀華、お前、『視』えるのか!」


 おじちゃんは、真剣な目つきで私のことを見つめてきた。こんなおじいちゃんの目を見るのは、その時が初めてだった。そんなおじいちゃんの目も、その時は怖かった。


 その強い視線に、私はただコクンと頷くしかなかった。


「…うん、あそこに男の人がいるよ。こんな暖かいのに、黒いコートなんか着ているの」


 自然と、声がか細くなってしまった。すると、おじいちゃんは私が怖がっていることに気付いたらしく、慌てて掴んでいた手を離した。おじいちゃんに掴まれていた肩は、おじいちゃんが手を離した後も、ジンジンと痛かった。


 おじいちゃんは、しばらく私の顔をじっと見つめていた。その時のおじいちゃんの表情は何とも表現しにくく、怒り,苦しみ,悲しみ、様々な感情が入り混じっているような表情だった。


 気付くと、私はおじいちゃんに抱きしめられていた。その力は、先程肩を掴まれたときと同じくらいの力で、少し痛いくらいだった。


「ど、どうしたの?おじいちゃん」


 困惑する私に、おじいちゃんはそっと身体を離し、肩に手を置いたまま語り始めた。


「刀華、これは、運命なのかもしれん。わしは、お前がこんな苦難を背負うことになってしまったことが、本当に辛い」


 おじいちゃんの言っていることは、よく分からなかった。どうして、あの男の人が見えることが、辛いことなのだろうか。


「刀華、よく聴きなさい。お前のその眼は、どうやら『無』が視えてしまうらしい。いや、今の刀華には幽霊とか言った方が分かりやすいかもしれんな」

「ゆうれい?」


 その時の私には初めて聞く言葉で、私は首を傾げた。


「幽霊とは、もう、生きてはいない人、つまりは死んでしまった人のことだ。本来、幽霊は普通の人には見えないものなのだが、どうやら刀華にはそれが『視』えてしまうらしい」


 そう言われても、私には全く意味が分からなかった。


 だって、あの男の人はちゃんとあそこに居るでしょ?


「いいか、刀華」


 おじいちゃんは、ますます強い力で私の肩を掴んだ。痛みはなかった。強く掴まれすぎて、少し感覚が麻痺していたみたいだ。


「これからは、不用意に『誰かがあそこに居る』なんてことは言ってはならん。少しでもその人に違和感を覚えたら、その人は幽霊、『この世には居ない人』だ。だから、決して今みたいに人にそのことを言ってはならん。分かったか?」


 おじいちゃんの目は、この上なく真剣で、そこに一切嘘はなかった。


 私は、おじいちゃんの剣幕が怖かったのもあって、少し顔を俯けていたが、しばらくするとコクンと小さく頷いた。


 私が頷くと、おじいちゃんはようやく手を離してくれた。身体が少しフラフラした。


「よし、それじゃあ帰ろう。きっと、お母さんが美味しいご飯を作っているぞ」


 おじいちゃんの顔が、ようやくいつもの優しい顔に戻った。元の優しいおじいちゃんに戻ってくれたことが嬉しくて、幼い私は顔に輝きを取り戻して「うん!」と元気良く言って、自然とおじいちゃんの手を取った。


「帰ろ!おじいちゃん」


 そして、私とおじいちゃんは仲良く手を繋いで家まで帰った。


ーー


 外に出ると、ポツリポツリと雨が降り始めた。ずっと持ち堪えていた灰色の空は、よりにもよって帰りのこの時間になって耐え切れなくなったみたいだ。灰色の空から降り出した雨が、地面をあっという間に黒く塗り潰していく。


 朝の空の様子を見て、用心して傘を持ってきていたのは正解だった。恵子が傘を持ってきているかどうか、ちょっと心配になったが、あの恵子のことだ。折り畳み傘くらいなら持ってきているだろう。


 帰り支度をしていた時、いつものように恵子は私の机まで来て、「今日も、学校で勉強していく?」と言ってきた。いつもならば、学校が閉まる前まで私と恵子は学校に残って受験勉強をしているのだ。


 だが、今日の私はとても学校で勉強をしていこうという気にならなかった。今朝の出来事のせいで、私はいつにも増して周りから奇異の眼で見られていた。


 だから、今日は一刻も早く自分の家に帰って、少し眠りたかった。何だか、やけに疲れてしまった。


 傘を開いて、雨の中へと進み出ていく。開いた傘に雨の雫がポタリポタリと当たっては滑り落ちていった。


 家に帰ると、私は真っ先にお風呂に入った。いつになく早く帰った私に、居間で寛いでいたおじいちゃんが「風呂でも入れようか?」と言ってくれたのだ。その申し出を、私はありがたく受けた。


 お風呂から上がってさっぱりすると、自分の部屋に向かった。


 我ながら、女の子の部屋とは思えない、畳のこざっぱりとした部屋だ。女の子らしいぬいぐるみや可愛らしいものなんてどこにもなく、あるのは勉強机と本棚と、剣道具くらいだ。


 押し入れを開けて蒲団を出すと、部屋の中心に敷いた。夕食までには、まだ二時間近く時間がある。今寝れば、その時間までには確実に起きられるだろうし、今日学校でやるつもりだった分の勉強は夜にやればいい。


 電気を消して、蒲団の中に包まった。お風呂で身体が火照っていたせいか、蒲団の中は思ったほど冷たくはなかった。首元まで蒲団を掛けると、ようやくホッと落ち着けた。


 そうしていると、なかなかすぐには寝られなかった。寝ろうと目を閉じても、思い起こされてくるのは、やはり今日の学校での出来事だ。


 あれは、確実に幽霊なんかじゃない。


 そういう確証が、私の中にはあった。


 長い間、この力と共に生活をしていれば、「普通の人」と「そうでない人」の区別は簡単にできるようになった。この力に気付いたばかりの頃は、はっきりとした区別ができなくて、人に話し掛けることが怖くなっていたこともある。


 見分ける方法は、いくつかある。それを、私は主に三つに分けている。


 まず一つ目が、「視覚的区別」。死者は、生気が全くないせいか、どこか霞んで見えることがある。まさしく、「この世に居る存在感」が希薄で、今にも消えていきそうな、そういった印象を受けるのだ。


 二つ目が、「聴覚的区別」。死者は、話をするということがない。小さい頃、区別も大分ついてくるようになると、私は周りの人に変に思われないように気を付けながら、何度か死者と話をしようとしたことがあった。


 ところが、普通の人から見えていないように、死者からもこちらの姿を視認することはできないらしく、私が何を話し掛けても、何をしていても、死者には何一つ気付いてもらえなかった。だから、私は死者とコミュニケーションを取ることはできない。


 そして、三つ目が、「感覚的区別」。これは、眼で視たり、耳で聴いたりといった実質的なものではないが、私の中では一番分かり易い方法だった。


 例えば、今の私は死者が後ろに居ても、「ああ、今後ろに立っている人は違うんだな」ということが解る。


 近くに死者がいれば、私は感覚的にそれを察知し、死者だということを理解する。これは、長年この力と共に生活してきたおかげで身につけた、ある種の特殊能力だと私は思っている。


 あと他に、触ったり匂いを嗅いだりして判別することもできなくはないが、もちろんそんなことをしたことはない。それで間違えようもんなら、単なる変態扱いされてしまいかねない。


 このようにして、私は「普通の人」と「死者」を区別しているが、改めて考えてみても、やはり今日の学校での出来事はおかしなことばかりだった。


 ひとまず、確実に言えることは、佐藤さんの姿は他の誰にも視えていないということだ。


 そんなことは、死者を普段から見ていれば特段不思議なことではない。


 だけど、あの佐藤さんは明らかに「視え過ぎていて」「居過ぎていた」。


 それこそ、他の人に見えていないということが不思議なくらい、佐藤さんはあの空間に居たのだ。あれが本当に幽霊だったとしたら、あんなはっきりとしたものを、私は今までに視たことがない。

 

 見れば見るほど、佐藤さんは「普通の人」に他ならなかった。昨日まで見ていた、あの佐藤さんとなんら変わりない。


 それなのに、


「…皆には、見えていなかった」


 やはり、私が視えていたのか。それとも、皆が見えていなかったのか。その答えは、一向に出てこない。


「…分かんないな」


 蒲団を被り直した。蒲団を口元が隠れるくらいまで持ってきて、ふっと目を閉じた。心地良い蒲団の温もりが身体を包み込んで来て、ようやく眠気が襲ってきてくれた。


 ひとまず眠ろう。今日は、疲れ過ぎた。


 私は、穏やかな眠りの世界へと落ちて行った。


●●●


 夜中の教室は、澄み切った静寂に包まれていた。


 闇に包まれたこの空間は、昼間の喧騒から切り離されて、全く別の顔を見せていた。昼間は、様々な生徒たちの笑い声や話し声で溢れているこの空間も、深夜を過ぎたこの時間には、人の姿はおろか、物音一つしない静寂な空間に様変わりしていた。


 玄関にも、廊下にも、階段にも、教室にも。


 どこにも、人の姿はなかった。

 

 廊下を歩き、見なれた教室の前で足を止めた。そして、扉を開けた。


「……」


 こんな時間にこんなところに来るのは、俺だけだと思っていた。ところが、教室にはなぜか女子生徒が一人座っていた。


 窓際の一番前の席で、じっと窓の外を見つめていた。


 名前は、思い出せない。


 俺は、いつもと同じように自分の席に向かった。


 席に着くと、窓から眩いばかりの光が降り注いでいたことに気が付いた。予想外の光に、思わず顔を顰めた。


 何だ、この光は…


 しばらく、瞬きを繰り返し、眼が慣れてきたところで、窓の方へと視線を向けた。


 そこに在ったのは、


ーー眩い光で、闇夜を照らす、真っ白な月だった。


 俺は、思わずその光景に目を奪われた。


 普段、月の光が明るいなんて意識したことはなかった。街は、人工の光で溢れ、本当の暗闇なんて存在しない。そんな中で見る月の光なんてものは、ただ脆弱な豆電球のようなものでしかない。


 しかし、今見ている月は違った。


 そこには、太陽かと見紛うばかりの存在感を持って佇む、闇夜に浮かぶただ一つの支配者の姿があった。暗闇は、この「月」という絶対的な存在の前では、ただの霞みにすぎない。


 月は、絶対的な存在感で、この世界を照らしていた。


 そのことが、どうしようもなく神々しくて、


 どうしようもなく美しかった。


 俺は、しばらくその月の光景にただ見入っていた。


 あぁ、俺はこれを見に来たんだな。


 素直に、そう思えた。


 そうして、長い時間が過ぎた。ただ、月に見惚れる時間。それは、とてもかけがえのないもので、誰にも邪魔されたくない、唯一無二の時間だった。


 しばらく、月を見つめていた俺だったが、ふと一つの疑問が浮かんできた。


 どうして、今日の月はこんなにも美しいのだろうか?


 確かに、今日の月は今までに見たことがないような、美しいものだ。だが、これはあまりにも綺麗過ぎる。


 これは、一体、


 この時、自分の思考で頭が一杯で、周りの気配に気を配ることができなかった。


 突然、ガラガラガラと、引き戸が開く音が教室に響き渡った。


 突然の音に反射的に身体が強張ったが、すぐに意識を自分の思考へと戻した。


 足音は、少しずつ近づいて来た。


 あっ、そうか。


 自分の中だけに向けられている思考の中で、一つの答えに辿り着く。


 今、この校舎の周りには、一切の人工の光がないんだ。


 校舎を訪れた時、校舎の周りの街灯や校舎内の蛍光灯、非常灯のどれ一つとして、明りは点っていなかった。


 では、なぜそんな暗闇の中を、自分はここまで辿りつけたのだろうか。


 人工の光がない暗闇は、それこそ真っ黒な、真の「暗闇」だ。その中を、自分の力のみでここまで歩いて来られたというのは、どう考えても不自然だ。


 そもそも、俺は、


 そして、気が付いてしまった。


 なぜ、ここに訪れたんだ?


 その時、シュッと静寂を切り裂く音が、聞こえた気がした。

次回は、3月20日夜に更新します!

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