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異端の魔法使い②

ウェールスのバカな夢を聞いていたら、張り詰めていた緊張の糸が切れてしまった。


「ステファン…とても長く仕えていてくれたわ、とても優しいおじいちゃんのような人だったわ…なのに、なんで…」


ソフィアの目には涙が溢れていた。


「あの襲撃者二人は少なくとも片方は魔法を使ったわ、ウェールスみたいな人間が他にもいない限り、貴族に違いないわ…絶対に許すわけにはいかないわ」


「お嬢さまを狙うなんていったい何者でしょうか…」


リリはソフィアにハンカチを差し出した。


「はぁ、こんなみっともないところを見せてしまったわね…。話を変えましょう…。今更だけどその鳥はなんでしゃべるのかしら?」


「スターリンという名前があるくゎー」


「あぁ、スターリンとの出会いは師匠…ヴァールハイトがいなくなった日だった…」


そういうとウェールスは過去を語り始めた。


「その時俺は奴隷だったんだ…」





2年前のことだった。熊田つとむは目を覚ますとそこは、暗い洞窟だった。岩にツルハシのあたる金属音が絶え間なく聞こえてくる。

熊田は、音と人の気配のするほうへと歩きだした。


「おい、323番!サボってんじゃねぇ!」


屈強な男にそう言われると腕を掴んでひっぱられ、ツルハシを持たされた。


「あの、えっと、ここはどこですか?」


「あぁ?お前寝ぼけてんのかとっと仕事して今日のノルマを終わらせろ!!」


その言葉とともにムチが熊田の太ももへ空をきりさく音とともに振り下ろされた。


「うぅ…!!」


「どうしたんだウェールス逆らうんじゃない」


鎖に繋がれた青年の男が近づいてきた。


「いったい何がなんだか…」


「いったいどうしたんだウェールス…この区間をツルハシで削るんだ」


「あなたはいったい、ここはどこですか?」


「…まさか…そうか…私はヴァールハイト、話すのは夕食の時だ今は私に従うんだ」


それから熊田は意味もよくわからずただひたすらに洞窟をツルハシで掘り進めた。

くたくたになったところで、わずかな夕食の時間になった。


「ウェールス…さては転生したな?」


さっきのヴァールハイトという青年が話しかけてきた。


「転生?」


「そうだ。どこか別の世界からここに来たのではないか?気づくとここにいたのだろう?」


「気づいたらここにいたのは確かですけど…ここは日本ではないということですか?薄々そうではないかと思っていたのですが…」


「ニホン…聞いたことがないな、それが君のいた世界か…ここはシュトレーン、魔法使いのいる国だ」


「ま、魔法使い?そんな…魔法なんてものがあるならこんな人力で穴を掘る必要なんてあるんですか」


「残念ながら魔法を使える人間は限られている、だからこうして奴隷を使っている」


「奴隷なんですか…そんな」


「いいか、この世界での君の名はウェールスだ。この国の東の端に住むオステンの民と呼ばれる人種で、その黒い瞳がその証だ。オステンの民は差別され冷遇されている。その多くが君と同じように奴隷として売られている。君も幼い頃に売られたようで両親はわからないそうだ」


「シュトレーン…オステン…いったい何がなんだか…この世界で奴隷として一生生きていくのか…」


「心配するな、私が君に成り上がるための魔法を教えよう…異世界から来た君ならこの国を、常識を、変えられるかもしれない…」


「魔法が俺に使えるんですか!?」


「しっ、大きな声をあげるな。普通は魔法使いの家系でないものは魔法を使えない…とされている。もちろんオステンの民に魔法使いはいない。だか、真実はそうではない…」


「あなたはなぜ魔法を教えられるのですか?」


「私こそが、魔法の祖の三賢人の一人…といっても誰も信じないだろうがね…」


この人は何を言っているのかわからないが、今はこの人に助けを求めるしかないと、熊田改め、ウェールスは思うのだった。


それからは、洞窟を掘り進める奴隷としての労働をしながら、ヴァールハイトに魔法を教わる日々だった。厳しくもときに優しいヴァールハイトは、良き師でこの世界の親代わりでもあった


ある日のことだった。洞窟工事をしながらヴァールハイトとウェールスは、魔法の議論や今後の国の情勢を話し合っていた。その間に入ってきたのは、真っ黒なローブを深々と着た人間だった。



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