都市シニフィエ③
ルルはウェールスに回復魔法をかけているがウェールスは目を覚さない。
「ウェールスさんはダメージが酷いみたいです。こちらの司書さんは魔力を使い過ぎたみたいです、お嬢様」
「私を狙いにきた魔法使いをウェールスが、一人で相手しようとしたと…無茶するわね…」
ソフィアはいつになく寂しげで親しげな目線をウェールスに向けていた。
「ウェールスは、バカだくぅわー」
「そうね、歯が立たなかったなんてダメね、ウェールス。こんな女の子に助けられるなんて…私を呼びなさいよ…な、かまじゃなかったのかしら…」
ソフィアの最後の方の言葉はとても小さい声だった。
「ウェールスを仲間っていったかくぅわー!?」
「ば、バカね、そんなこと言ってないわよ、バカ鳥!」
大きな声でアディーが眉を動かした。
「ん、ん〜.…はっ!ここは!?」
「あら、起きたのねアディー?だったかしら」
「ソフィア・ヴァイスガーデン!!」
「大丈夫よ、あなたは敵じゃいとそこのバカ鳥が教えてくれたわ」
「はっ、そうだ私はなんてことを…」
「そうね、私を殺すはずなのにお仲間を倒してしまうなんてね、魔法協会を敵に回すわよ…」
「でも、私はあの時このウェールスという人間にかけたの?バカよね…?」
「…。そうね、バカよ、大バカよ。あなたも、ウェールスも、…それに私も」
「私も…?」
「そう、私も。だってこのバカウェールスをなんだか笑う気になれないの…」
「…あなたはオステン人が魔法を使っていることをどう考えているの?」
「そうね…最初は目を疑ったわ…でも、何度も彼の魔法に救われてきたわ。今ではウェールスの言うように誰でも魔法が使えるんじゃないかと思っているわ。このお人好しバカが嘘をつけるようには思えないから…」
「決めたは、私はあなたを王妃にする!そして、ウェールスに学校を作らせることを認めさせる!私はその学校とやらに魔導書の図書館をつくるわ!」
「あらら、おバカさんのお仲間が増えたってわけね…」




