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プロローグ 勇太side① 召喚された

「というわけで勇者よ!魔王を倒してきてくれ!!!」

(あ、無理です。)

 俺、田中勇太は、なんの因果かは知らないが、悪の魔王を倒すべく勇者としてこの異世界に召喚されたようだ。

 うん、最近流行ってるよな、異世界。ことあるごとに主人公を異世界に飛ばすよな。まあそれはそれとして、

「なんで俺ぇぇええええええ!!??」

 あまりの状況の突飛さに、頭を抱えて後ろに反る。頭が床に着くんじゃないかレベルの見事な反りに感服したのか、王様は冷や汗をかきながら顔を引きつらせた。

「す、すまない。私は勇者を呼び出すことはできるが、勇者になる者を選ぶことはできないんだ。」

「あ、いや謝らなくて大丈夫です。ってかだったら尚更なんで俺だったんですか?」

 実は俺に超能力的な力がある……とかか?

 あり得なくはないな、こうして異世界に呼ばれたわけだし!

「召喚されるものはランダムなんじゃないか?特に理由とかはないと思うぞ。強いて言うなら運が悪かった!」

「は?」

「あ、いや、少なからず素質はあると思うぞ!…………多分。」

 ……いや、嘘だろ?そんなことってあるのか?夢も浪漫もない。勇者をランダムで決めるなよおっさん。大体なんだ、そのオレンジの髪の毛は!!地毛なのか?染めたのか?

 そもそも俺が用を足した直後に呼び出した時点で迷惑極まりない!!

「というわけで勇者よ!魔王を倒してきてくれ!!!」

「だから無理だって!!言っとくけど俺めっちゃ弱いからね!!新体力テスト、長座体前屈以外五点以下だからな!!」

「チョウザ……え?」

「体パコっと折り曲げて、どこまでビヨーンってなるか測るやつだよ!!!」

 あ、やべ説明間違えた。王様の目がやばい。階段でこけて顔面血だらけにした人を見る目でみないでぇ!!!

「もうヤダあ!ムリ!お家帰るぅぅぅ!!!」

 恥なんてない。床に乙女座りしながら両手で顔を覆う。

 何が悲しくて異世界に来てまで奇行な振る舞いをしなきゃならないんだ!畜生!!

「あー。ま、まぁ、この世界では能力が使えるから、それでどうにかすれば……」

「能力?」

 流石に憐れに思ったのか、王様が励ましのような言葉をかけてくる。ありがとう、その豪華な王冠似合ってると思うぞ。

 能力かぁ、なんか異世界っぽいなぁ。

「この近くに検魔所がある。そこに行けばお前の能力がわかるだろう。」

「へぇ……」

 検魔所かぁ。魔力を検査する場所?能力なのに検魔所なのか?

 それはさておき、能力を調べるということは、人によって使える能力が違うってことか。それならいけるかもしれねーな!何せ俺は勇者様なんだし、チート能力の一つや二つあるに決まっている。それを上手く使えば、

「というわけで勇者よ?魔王を倒してきてくれ!」

「ごめんちょっと空気読んで!?今考えごとしてんの!!!ああクソッ……倒さないと俺は家に帰れないんだろ!?」

「そゆこと。」

 そゆことか……そゆことなら……まぁ仕方ない。

「ハイハイわかりましたよ。ったくなんで俺がこんな……ブツブツブツブツ」

 勇者、なんか響きはカッコいいな。まぁ能力が使えんなら、なんとかならなくもないだろ。多分。

「それでは頼んだぞ勇者よ。この国の未来はお前にかかっているからな。」



 一人の主人公は青い光に包まれてこの世界にやってきた。

 そして、もう一つの舞台は10日前に戻る。

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