クロ
… ねぇ、これからどうするつもり?
彼女が聞く。
名のない彼女が隣で少し寂しそうに。
きっとまだ悲しみの感情を捨てきれてないんだろうな。
まぁ、直ぐにはできることじゃないし。仕方ないよね。
… それは私達に対して?それとも世界?
返事はなく、俯く彼女。
きっと両方なのだろう。
… 勿論生きるし他の生き物も生かす。
… そんなこと言ってもまた命を奪ってしまったら?
… また新しい命が生まれてくるのを待つ。
… 私達は、死ぬことはできないの…?
… できない。どんな手を使っても。
… 周りの命は奪うのに?
… 私達は死なない。死ねない。
… 貴方は、ずっと、悲しみを忘れて今まで生きてきたの?
… うん。
… それは突然?
… うん。
… 怖かった?
… そうだね。怖かった。それは間違ってない。
… ?…どういうこと?
… 確かにあの時は本当に怖かった。木も花も動物も人間もみんな死んでた。まだ小さい頃の私はそれがなんなのかわからなかった。だから泣けるだけ泣いた。泣いて、罪悪感と悲しさが消えるまで。
… 私も同じ。辛かった。心が痛かった。でも私は一人でも生きてる人に会えて嬉しかった。
彼女は顔を上げニコッと優しく笑う。
よかったね。生きてる者に会えて。
私は優しくその子を抱きしめた。
私も同じこの辛さを一緒に分かち合える子が側にいて欲しかった。
今はただただ側にいてくれる子が現れてくれて嬉しかった。
… そうだ。貴方の名前、どうするの?
… 私の名前か、
… ねぇ、こんなのどう?クロユリのクロ!
… クロ?
… そう!私はユリだから、貴方はクロ!合わせてクロユリ!
… なんかのユニット名みたいだね。
そう言えば彼女はあははっと白い歯を見せて笑った。
二人でクロユリか…なんか私凄いな。
毎日が楽しみで楽しみで仕方ない。
どんな時でも貴方とならなんでも乗り越えられそうで。
他の生き物なんか眼中に映らないんじゃないかってほど、クロのことを大切に思ってしまう私がいる。
なんかかなり休んでました。
すいません笑(笑い事やないで)
なのない少女に名前が付きましたね!
語彙力も忘れるくらいの存在だそうで、ね、