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この作品には 〔ボーイズラブ要素〕が含まれています。
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男同士でパーティーを組んだらこうなる

作者: なかつかさ
掲載日:2018/07/18

声劇用の台本です。

4人用で男女比は、3:1となります。

RPGっぽいというか、異世界ものです。

あと一応、BLものですので、ご注意を。


遠慮なく使ってもらえたら嬉しいです。

   香月かつき/男……これといって取り柄のない戦士。いざというときは頼りになる?

   瀬尾せお/男……美男子で物腰が柔らかく、異性受けのいい盗賊。誰に対しても敬語で話す。

   一山いちやま/男……大人しく、自己主張の薄い幻術士。治癒魔法が得意。

   七海ななみ/女……腕前にはそれなり以上の自信をもつ魔法戦士。口は悪いが、寂しがりや。



   街外れにあるダンジョンのなか。

   疲労困憊といった様子の香月と瀬尾と一山が、心細そうに身を寄せ合っている。




香月 「ふう……マジで終わったかと思った」


一山 「今のは、ちょっと危なかったね」


香月 「残りHP15かよ……あと一撃食らってたら、どうなってたかわかったもんじゃないな」


瀬尾 「それをいったら、僕なんて残り9ですよ。正直、死を覚悟したほどです」


一山 「2人とも、思ってた以上にギリギリだったんだね……」


香月 「一山、戦闘が終わったばかりのところ悪いんだが、治癒魔法をかけてもらっていいか? とはいっても、俺よりも瀬尾のほうがやばいようだから、まずは先に瀬尾からかけてやったほうがいいんだろうが」


瀬尾 「すみませんが、お願いできますか?」


一山 「ああ、ごめん……じつは僕もMPがもう、すっからかんなんだよ。さっきの戦闘で使い果たしてしまって……」


香月 「そうだったのか……」


瀬尾 「まさに紙一重の戦いだったようですね」


一山 「あ、そうだ(鞄からおにぎりをひとつ取りだし)これならあるんだけど……」


瀬尾 「おにぎり……ですか?」


香月 「腹ごしらえにはもってこいなんだろうが、それ食って、HPって回復するものなのか?」


一山 「わからないけど……でもひとつしかないから、よかったらこれ、2人で分けて食べて」


瀬尾 「一山さんは、食べなくて平気なのですか?」


一山 「僕はMPはなくなっちゃったけど、HPはまだ30近くあるから大丈夫。それに僕は後衛職だし、お腹もすいてないし……だから今は2人に食べてもらいたいかな」


香月 「じゃあ、そういうことなら遠慮なく……」


瀬尾 「ちなみに、そのおにぎりの具はなんなのでしょうか?」


一山 「えっと……たしか、鮭じゃなかったかな(おにぎりのラベルを確認して)あ、やっぱりそうだ、紅鮭って書いてあるね」


瀬尾 「紅鮭……ですか」


香月 「それがどうかしたのか?」


瀬尾 「せっかくなのですが、それでしたら僕はけっこうです。香月さんに食べてもらってください」


一山 「ごめん。鮭、苦手だった?」


瀬尾 「いえ、とんでもありません。謝るのは、こちらのほうです。一山さんの好意を無下むげにしてしまい、申し訳ありません……じつは極度の鮭アレルギーなものでして」


一山 「そうなんだ? それは大変そうだね」


瀬尾 「ええ、まあ、大変ってほどでもないのですが」


香月 「なんか悪いな。結果的に、俺が独り占めするかたちになってしまって」


瀬尾 「どうぞどうぞ。お構いなく」


一山 「じゃあ、あーんして」


香月 「はあ? なんだよそれ。あーんって?」


一山 「僕が食べさせてあげるから」


瀬尾 「ほう……そう来ましたか。これはなかなかに妬けるシチュエーションですね……目に毒です」


香月 「バ、バカ。いいよ、おにぎりくらい1人で食べれるから。つーか、そのほうが圧倒的に食べやすいし」


一山 「(落ち込んで)……ズーン……」


香月 「え?」


瀬尾 「おやおや。ここは素直になられたほうがよろしいんじゃないですか?」


香月 「だから俺は素直に1人で食べたいんだよっ!」


一山 「(さらに落ち込み)……ズーン、ズーン……」


香月 「わかったよ。あーんってすりゃいんだろ、あーんって。つーか、なんだよ、あーんって……大の男が……」


瀬尾 「大の男がするからいいんじゃないですか」


香月 「まったく……意味がわからん……」


一山 「(機嫌を直して)ほら、もっと口を大きく開けて。最初の一口めは、がぶりと食べてね。じゃないと、具のところまでたどり着けないかもしれないから」


香月 「いや、ちょっとそんな押し込むなよ。食べづらいだろうが」


一山 「ほら、遠慮しなくていいから」


香月 「バカ、そこは鼻だ。鼻の穴に飯粒入れてどうしようってんだよ」


一山 「いいからいいから」


瀬尾 「ふふふ」


香月 「おい、だからそこじゃないって言ってるだろ」



     少しの間。



瀬尾 「いかがでしょうか? HPのほうは」


香月 「いや、変わらんようだ。どうやら、おにぎりを食べただけでHPが回復してくれるということはなさそうだな」


瀬尾 「やはりそうでしたか。残念ですね」


一山 「ひょっとして、僕の食べさせ方がよくなかったのかな」


香月 「(気遣って)あ……でも、ちょっとは元気がでてきた気はするかな。精神的にっていうか」


一山 「ほんと?」


瀬尾 「(一山に)よかったですね」


一山 「(嬉しそうに)うん。おにぎり買っといてよかった」


香月 「それにしても、地下2階に降りた途端、モンスターがここまで強くなるとはな」


瀬尾 「ええ。地下1階での戦闘が楽勝だっただけに、この展開はさすがに予想できませんでした」


香月 「ちょっとばかし考えが甘かったか」


瀬尾 「たしかに、いささか調子に乗ってしまった点はあったかもしれませんね」


一山 「これからどうするの? いったん街に帰る?」


瀬尾 「そうですね……回復手段のない我々にとって、今取るべき選択肢は街に帰る以外にないようにも思えますが、かといって、上にあがる階段に辿り着くまでにまたモンスターに襲われでもしたら、まさしく一巻の終わりでしょう。たとえ上にあがれたとしても、このままの状態では、地下1階に潜むモンスターにすら勝てない可能性もあります」


香月 「まあな」


一山 「もし仮に、ここで全滅してしまったらどうなるの?」


瀬尾 「我々が装備している武器防具、道具、所持金、戦利品などを、全滅した場所にすべて放棄することになります」


香月 「金もなくすことになるのか……かなりシビアだな」


瀬尾 「経験値がロストしない分、まだマシだという意見もあるようですが」


一山 「全滅したあと、またここに戻って来て回収するのは不可能なの?」


瀬尾 「理屈的には不可能ではないのですが、恐らくそのときにはもう、ほかの冒険者に奪われてしまっていると考えたほうがいいかもしれませんね」


香月 「死んでから復活したあと、しばらくの間は衰弱状態が続くって話だからな。どのみち、すぐには回収できないだろうし」


一山 「そっか……」


香月 「そういや、今日の戦利品ってなんだっけ?」


瀬尾 「コウモリの羽に目玉、ケモノ肉といったところでしょうか」


香月 「それならここで全滅して、また最初からリスタートって感じになったとしてもそこまで痛くはないのか」


一山 「いや、でも、やっぱり装備品や所持金まで失うのは厳しいんじゃないかな」


瀬尾 「一山さんのおっしゃり通りです。ここで我々が全滅してしまえば、受注したクエストも失敗に終わるので、完全に無一文となってしまいます」


香月 「脱出魔法とかってなかったっけ?」


一山 「その魔法を覚えられるのは、たしかレベル30とかだから、今の僕にはまだまだぜんぜん無理だよ」


香月 「じゃあ、ここでテントでも張って体力回復させてから帰るとか?」


瀬尾 「何をおっしゃっているのですか、テントなんて持っていませんよ。それに、こんなところでテントを張ったとしても、モンスターにぶっ壊されてしまうのがオチでしょうし」


香月 「だからといって、いつまでもここでじっとしているわけにもいかないだろ」


瀬尾 「まあ、そうなのですが……」


香月 「こうなったらもう、やるか、逃げるか……」


一山 「それなら僕が盾役になるよ。HPも30近くあるし、地下1階のモンスター相手ならどうにか耐えられるかもしれない」


香月 「だめだ。お前の防御力じゃこう言っちゃなんだが、ブラウニーあたりに一撃でぺしゃんこにされちまいかねないからな」


一山 「ぺしゃんこになんてされないよっ!」


香月 「されるんだよっ! ブラウニーの力溜め舐めんな。あれはあれで、食らったら戦士の俺でも相当痛いんだぞ」


一山 「そうなの……?」


香月 「まあ経験者は語る、ってやつだ。経験者ってよりも被害者か。まあ、どっちにしろ自慢することでもないが」


瀬尾 「しかし、どうしましょうか。香月さんのおっしゃる通り、このままじっとしていても、遅かれ早かれモンスターに襲われて即終了ってことにもなりかねませんし」


一山 「だよね……」


香月 「はあ……こんなとき、女神様でもいてくれたらな……」


七海 「いるわよ? ここに」


香月 「え?」



   一同、声のするほうを振り向くと、七海が腕組みしながら仁王立ちしていた。



七海 「まあ、さすがに女神様っていうのは大げさだけれど、それでも今のあなたたちからしたら、女神的な存在ではあるかもしれないわよ」


香月 「くそっ、早速モンスターが現れやがったか」


瀬尾 「仕方ありませんね。やるしかないでしょう」


一山 「うんっ!」


七海 「ちょちょ、ちょっと待って! よく見て、私の顔っ! 己の目玉がずり落ちそうになるくらい凝視ぎょうしして!」


香月 「(七海をよく見て)んん?」


七海 「どう、ほら、わかった? 冷静になってよーく見たら、こんなに可愛くて、なおかつ抜群のセクシーさをも抱え込むモンスターなんているわけないって瞬殺でわかるでしょ。ほらほら、もっとよく見てよ。ね、ね?」


香月 「……なんだ、ただの冒険者か。紛らわしいやつだな」


七海 「ちょっと何よ。この私に向かって、ただの冒険者とはまた随分な言い草じゃないの」


香月 「違うのか?」


七海 「あなた、初対面の人間にそんな態度とってたら、いつか手痛いしっぺ返し食わうわよ」


香月 「それはお互い様だと思うが」


七海 「ちょっとどういうことよ。聞き捨てならないわね」


瀬尾 「あの……失礼ですが、我々に何かご用でしょうか」


七海 「あ、っと、そうだった。口喧嘩をしにきたんじゃなくて、女神的な役割を果たそうと思って、颯爽さっそうと登場させてもらったんだったわ。ふふふ、失敬失敬」


香月 「女神的な役割?」


七海 「……あなたたちの会話、聞かせてもらったわ」


瀬尾 「我々の会話を?」


七海 「困ってるんでしょ?」


香月 「お前……さては盗み聞きしてたな? 可愛い顔して、なかなかいい性格しているじゃないか」


七海 「ち、違うわよ、どうしてそうなるわけ!? ……と言いつつ、今、さり気なく可愛い顔って言ってくれたことはすごく嬉しいけれど……いやいや、そうじゃなくて、聞かせてもらったというか、まあ、今のは私の言い方がちょっと悪かったかもしれないけれど、その……聞こえてきたのよ。あなたたちの話し声が。あそこの柱の陰でひと眠りしてたら。だから別に、最初から意図して聞き耳を立てていたわけじゃないわ」


香月 「ふーーん?」


七海 「何よ、その目は……もしかして信じてないの? じゃあ、ちょっとここ、私のここんとこ、ちょっと見てよ?」



   七海が自分の口許をさすので、言われるがまま男連中が見てみると、



一山 「あ、よだれのあと」


香月 「うわっ、きったねえな、おい」


七海 「汚くなんかないわよっ! いったい誰の涎だと思ってんのよ。言っとくけど、ってこんなこと別に言いたかないけど、一応マニアの間では、そこそこいい値段で取り引きされたりするんだから」


香月 「そんなもの誰が買うっていうんだよ」


七海 「私に聞かれても知らないわよ。そのへんのことはマニアに聞いてちょうだい。まあ、ともかく涎の確認をもってして私の発言に嘘がないことが証明されたわけだけれど」


一山 「証明されたの?」


香月 「さあ」


七海 「そんなことよりもさー、あなたたち、今、相当困ってるんでしょ?(嬉しそうに)街に帰るに帰れない状態なんだよねえ?」


香月 「なんだよ、そこまでわかってるんなら回復アイテムのひとつやふたつ譲ってくれるのか?」


七海 「ふっふっふー(鞄から何やら取りだし)これ、なんだと思う?」


香月 「ん? ドブネズミ……か?」


七海 「そんなわけないでしょ! どうして私がドブネズミを鞄の中に入れて持ち歩かないといけないのよ」


瀬尾 「ひょっとして、それは脱出モグラですか?」


七海 「ふふふ、あったりー」


香月 「脱出モグラ? って、なんだよそれ」


瀬尾 「文字通り、ダンジョンなどから一気に脱出できるアイテムですよ。ただ、それなりに値の張るものですので、我々のような初心者にはなかなか手の出しにくいアイテムでもあるのですが」


一山 「へえ、これが脱出モグラなんだあ。実物を見るのは初めてだよ」


香月 「俺は見るどころか、そんなアイテムがこの世に存在すること自体知らなかったわけだが」


七海 「でさー、もしよかったらなんだけどー、条件次第ではこのアイテムをあなたたちにタダであげてもいいかなあって」


香月 「条件次第?」


七海 「そう」


瀬尾 「タダより高いものはないとはよく言ったものですが、その条件というのはなんなのでしょうか」


七海 「じつは私ね、こう見えて魔法戦士やってんだけどさー」


一山 「魔法戦士っ!?」


香月 「おいおい、マジかよ」


瀬尾 「それはすごいですね。こんなところで魔法戦士の方にお会いできるとは思いもしませんでした」


七海 「へっへーん」


香月 「で……お前のいう条件ってのは、いったいなんなんだよ」


七海 「まあ、これは条件っていうよりも、脱出モグラの初回特典として、もれなく魔法戦士の私がセットになって付いてくるー、みたいな?」


一同 「…………」


七海 「あれ? ごめん……ちょっとわかりづらかったかな」


香月 「お前……まさかとは思うが、俺らのパーティーに入りたいのか?」


七海 「は、はあ!? どうしてそうなるのよ。バッカじゃないの。まったく、誰があんたたちのパーティーになんか……って、誘ってる?」


香月 「いやいや、誘ってるのは明らかにそっちのほうだと思うが……でもまあ、俺らとしてもその脱出モグラってやつがあれば、今のこの窮地きゅうちを脱することができるうえに、魔法戦士のお前がパーティーに入ってくれたら心強いし」


七海 「うんうん。でしょー?」


香月 「まあ、性格面でちょっと問題ありそうな気配がしないでもないが」


七海 「あ、そこは大丈夫。私、みーんなから性格も見た目も完璧だって、耳がタコになるくらい言われまくってるから。ある意味、血統書付きみたいなものよ」


香月 「お前、よく自分でそういうこと言えるな。やっぱりいい性格してるよ」


七海 「あら、事実を口にすることが何か問題あるとでもいうの?」


香月 「事実ね……いいや、そのへんは。まあ、俺らとしてもちょうどあと1人、パーティーメンバーが欲しいところでもあったし……そっちさえよければ、むしろ俺らは大歓迎というか」


七海 「ほんと?」


香月 「なあ、お前らもいい話だと思うだろ?」


瀬尾 「せっかくのお話なのですが、そういうことでしたらお断りさせていただきます」


七海 「……へ?」


香月 「どうして断るんだ? 俺らにとっちゃ、いいことづくめだと思うんだが」


瀬尾 「申し訳ないのですが、我々のパーティーは女性禁制となっておりますので」


一山 「うんうん」


七海 「はあ!?」


香月 「おい、ちょっと待て。なんだよ、それ。女性禁制ってそんなこと、俺は一言も聞いてないぞ」


七海 「何、あなたたちってそういう関係だったの?」


香月 「んなわけないだろうがっ!」


七海 「というわりには、この2人は否定する様子がないみたいだけど」


瀬尾 「…………」


一山 「…………」


香月 「おい、お前らもなんとか言えよ(瀬尾の両肩をつかみ)なあ、瀬尾、どうして黙ってるんだ? なんとか言えよ、おい」


瀬尾 「香月さん……男同士でパーティーを組むということは、こういうことなんですよ。最初からわかっていただけていると思っていたのですが」


香月 「こういうことってなんだよ。おい、こういうことっていったい何をさしているんだよ?」



   おもむろに香月の頬にキスをする瀬尾。

   あまりの突然のことに、声もあげられない一山と七海。

   香月は、思わずその場にへたり込んでしまう。



瀬尾 「つまり、こういうことですよ」


七海 「(嬉しそうに)うっわーー」


一山 「(冷静になって)ちょっと瀬尾くん。いきなりそれは……そういうことしちゃうのはルール違反でしょ!」


瀬尾 「申し訳ありません。僕としたことが、考えるよりも先に行動に移してしまいました」


七海 「よし、決めた。私、あなたたちと正式にパーティーを組ませてもらうわ」


一山 「え?」


瀬尾 「ですから、女性禁制だと何度言わせるのですか。あなたもわからない方ですね。あまりにしつこいようだと、おしおきをせざる得ないことになりかねませんよ」


七尾 「おしおき!? 何、おしおきって、ちょっと私に何をしようっていうの? 何をしてくれるっていうの?」


一山 「なんか嬉しそうにしてるよ」


瀬尾 「はあ……」


七海 「私ね、じつは、この際だからもう全部言っちゃうけど、あなたたちがこのダンジョンに入る前から目をつけていたのよね。ううん、もっと正確にいうと、あなたたちが冒険者ギルドでパーティーを組んだときからかな。3人ともけっこういい男だし、タイプもそれぞれ違うから、3度楽しめるっていうかさ……いや、だからって別にあれだよ? 男3人の中に女1人だとチヤホヤしてもらえるかなあとか、単純計算で1人の男と比べて3倍寂しさを埋めやすくなるとか、そんな不遜ふそんなことを考えていたわけじゃないけど……とにかく私、逆ハーレムが夢だったの! その積年の夢をぜひとも叶えさせてほしいなあ……つって」


瀬尾 「なるほど、合点がいきました。我々がこのダンジョンで苦戦するだろうことも、助けが必要になるだろうことも、すべて計算づくだったというわけですか……ふふふ、おもしろいお方だ。どうやら本格的に、おしおきが必要のようですね」


七海 「え、何? 本格的なおしおきって、こんな奥深いダンジョンの薄闇の中で……っていっても、地下2階だけど(瀬尾がゆっくり迫ってくる)え、嘘……マジで? え、ていうか、これ何プレイ?」


一山 「(瀬尾を制止して)ちょっと、瀬尾くん。まずいよ。いくらダンジョン内とはいっても、もしほかの冒険者に見られでもしたらギルドに報告されて、下手したら僕たち冒険者として活動できなくなっちゃうよ」


瀬尾 「大丈夫ですよ。バレなきゃいいんです。バレなきゃなんの問題もありませんから」


七海 「え、ちょっと、待って。この人、マジ目が怖いんですけど」


一山 「香月くん、何とか言ってやってよ」


香月 「男にキスされた、男にキスされた、男にキスされた、男にキスされた、男にキスされた、男に……」


七海 「だめだこりゃ」


一山 「ああー、香月くんが壊れちゃったよー(香月を介抱するように)ねえ、大丈夫? 正気に戻ってよ、ねえ」


七海 「(脱出モグラをかざして)こうなったら強硬手段にでるしかないようね」


一山 「1人で帰っちゃうの?」


七海 「私の手をとって」


一山 「え?」


七海 「早く、みんなで一緒に帰るのよ」


一山 「でも、脱出モグラって同じパーティーじゃないと効果が適用されないんじゃ」


七海 「手をつないでたら大丈夫。ちゃんと適用されるから」


一山 「そうなの?」


七海 「さあ、早く。その香月って男の手も離さないでね」


一山 「うん」


七海 「(瀬尾の手をつかみ)ってわけで、これからのことは街に帰ってからじーっくり話し合いましょうか」


瀬尾 「こうなってしまっては仕方ありませんね。ひとまず観念しましょう。さすがは経験豊富な魔法戦士……あなたのほうが一枚上手だったということですか」


七海 「(口角をあげながら)脱出モグラ、使用します!」



   七海が声をあげた瞬間、その場で大爆発が起こる。

   黒焦げとなり、倒れ込む一同。



瀬尾 「これは……いったい……どういうことですか」


七海 「……ごめん、忘れてた。脱出モグラって、数百分の1の確率で暴発してしまうことがあるから、冒険者の間では地雷アイテム扱いされてるんだった……」


瀬尾 「さすがは経験豊富な魔法戦士……前言撤回します……」


七海 「ほんとごめん……」


瀬尾 「謝って済むなら冒険者はいら……」


香月 「男に……キス……男に……」



   香月、瀬尾、一山のパーティーの全滅と、七海の死亡を確認。


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― 新着の感想 ―
[一言] ども。 3人中2人も…… いやいや逆ハーにはならんでしょ、それじゃ。 って爆発オチかよ。 ツッコミ満載ですね。
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