冒険者ギルド
冒険者ギルドの中は一見の価値ありだった。
木を主体とした床や家具。
剣と杖のような変わった形の大きな窓からは太陽の光があふれるほど降り注いでいる。
天井にはお洒落なシーリングファンがいくつもついていて、
あたりには明るい雰囲気がかもしだされている。
さながら、西部劇のような作りのお洒落なカフェといったところだろうか。
机のまわりには幾人かの男女が座っているようだ。
あたりを見渡しながら、中央付近へ歩いていくと
受付のような、女性が椅子に腰かけていた。
「チハー。こちらが冒険者ギルドでよろしかったでしょうか?」
と恐る恐るそう尋ねると
「はい。そうです。初めての方でしょうか?」
とカウンターから返事があった。
よかった。
どうやら本当に言葉は通じるみたいだな。
こちらが軽く頷くと
何やら引き出しから、木のカードを取り出した。
「こちらが『ギルドカード』になります」
「ギルドカードはご存知でしょうか?」
「まったくもってはじめて」と答えると色々と詳細を教えてくれた。
まず、ギルドカードにはランクがあること
GからSランクまであり
それぞれのランクに応じて
カードの材質や色が変わるとのことだった。
一番下が先程女性職員が出してくれたGの木カードで
上がSランクのプラチナカードらしい。
まあ、プラチナカードとなると滅多にいないとのことだったが。
カードのランク昇格にはランクごとにランキングのようなものがあるらしく
一定のランキングに到達するとカードの変更があるらしい。
このランキングは主にギルドの依頼の成果に準じて決定しているらしく。
ランクが高い依頼程、また量が多いほど次のカードに昇格しやすいとのこと。
また、依頼にはランクごとで受けられる範囲が決まっているらしい。
例えばGランクはSランクの依頼を受けられないなど。
依頼の失敗は報酬に数倍の金銭が発生することや、実際命の危険性があるため
無謀な依頼は制限しているそうだ。
ただし、ギルドカードには全てのランクに自分のステータスを見る能力があり。
18歳になると冒険者でなくとも
世界のほとんどの人はカードを取得するらしい。
発行料金は5キュイ
お金が良くわからず麻袋をゴチャゴチャしていると。
「お兄さん大丈夫?」
「酔ってるの?」と笑って、
その手に持ってる銀色のやつ1アルジャで良いですよと教えてくれた。
なるほど、そうなのかと思い。
お金を渡す。
「おつりです」といって
10枚のキュイとギルドカードを渡された。
今のから察するに
1枚の銀色のアルジャ=15枚の銅色のキュイ
みたいだ。
貨幣に概念はのちのち学んでいこう。
と思い。
渡された自分のギルドカードを見た。
特になにも書かれていないタダの木のカードだった。
しばらく握っていると文字が現れてきた。
あれっ
確か王宮で丸一日かかるとか言ってなかったっけ。
うーん。嘘だったのか。。。
カードを凝視していたのがおかしかったのか。
「カードに出てきたのがあなたのステータスになります」
といって女性職員はクスクス笑っていた。
どうやら、普通の人でも手にとったらすぐ文字が浮かび上がるみたいだな。
カードの発行代金ケチっただけか。
いやいや、王宮としてそれはどうなんだろう。
まぁ、それは置いといて
『これどんな仕組みになってるんだ。』
凄いな。
さながら、IT社長もビックリな代物ではないだろうか。
「お主も悪よのう」と言ってスッと玉手箱を出される。
買収してくるかもしれない。
だが、そこはすぐには飛びつかない。
黙って席をはずし、ライバル企業のお偉いさんと、仲良くお手々をつないで再び戻ってくる。
焦る初めに提案したIT社長。
そこで手を振りかざして言う「ラウンドファイッ!!」
当然報酬が高い方へ、レフェリーのごとく手をとることになるだろう。
さて、
何でも持っているとその人の情報がカードに取りこまれるらしい。
自分のステータスはどうなっているのかな。
【 名 前 】 「柏木 千」カシ=セン
【 年 齢 】 27
【 性 別 】 男
【 種 族 】 異世界人
【 職 業 】 ボール
【 レベル 】 1
【 H P 】 8
【 M P 】 4
【 攻撃力 】 1
【 防御力 】 1
【 知 力 】 2
【 素早さ 】 1
【 スキル 】 なし
【 ユニークスキル 】季節感、倉庫
ん。
。。。あれ
王宮で見たときと何か、違うような気が。
詳しく見る間もなく受付の職員の説明があり。
色々な話を聞いた、後、紹介された宿屋へと足を運んだ。