ep.1 湖畔帝都ホロウギルド
フラグはきれいに回収してしまいました…。
しかも今日は即時投稿。
「ボクって、こんなタフじゃないんだけどな」
西洋の鉄琴のような、透き弾んだ声。
湖畔のこの地帝都には、今日も澄んだ夏の蒼空が広がる。
今日もといったって、先ほどこの地に降り立ったばかりなのだけれど。
「あれがこの国が誇る…って、聞いてますか?スズノさん?」
紗乃、そう呼ばれた少女が振り返った。
「え…?あぁ、ごめんごめん!何だっけ…?」
「ちゃんと聞いてくださいよー!…あれがギルドですって、先程からずっと…!」
この街の娘なんだろうか、独特な衣装の少女が膨れっ面で佇んでいた。
ギルド…?あぁボク、ここにクエスト受けに来たんだった。
少女はちょうどボクの頭の上、上空を指さしてボクを見つめている。
ここのギルドは上空にあるのか…
…って!?うわ…なんで豆腐が浮いてるの!?
「お豆腐だなんて言わないでください!あれがこの国の最新技術が詰まった箱なんですよー!」
いやいや、箱って…
「ホロウギルドと呼ばれる施設です。あの下に行くと、反重力素因で浮き上がります。」
素因…か。
「ふふ…気づきましたか?この国も神崎魔道研究所とリンクしているんです!」
神崎魔道研究所っていうのは、ボクの4,5代前のお祖父ちゃんが作った研究所のこと。
ボクも本家筋だから、姓は神崎。だから、ホントなら研究所を継がないといけないんだけど…
「紗乃さんって、すごいボーイッシュで格好いいですよね…!あっ、ごめんなさい、傷つけるつもりは…」
「いいんだよ。ボクはそうやって育てられてきたから…」
ボクのお父さんには、ボクと姉という二人の娘しかいなくて―
だからボクは、男として育てられてきた。
「女の子っぽい名前なのに、意外です…。」
その分といってはなんだけど、剣術とか武術、なんてのも出来ちゃったり。
「へぇ~、すごいです!」
「ありがとう。なかなか理解してもらえないものだよ」
それで、研究所のある都から遥々ここにやってきたわけ。
「私も精一杯、紗乃さんのお役に立てるよう頑張ります!」
ボクは微笑みながら束の間の別れを告げ、ギルドへと歩みを進めた。
ガラスで覆われた立方体のギルドセンター、「ホロウギルド」は湖畔街の中心に位置する。
あまり大きくはない街だが、それなりに装備は整えられそう。
生死の淵への出立地だというのに、明るくて、公園都市のような雰囲気がある。
ホロウギルドの真下、光の柱の前で軽く一呼吸つく。
一歩前を踏んだ瞬間、足元を掬われるような浮遊感とともに、ボクの身体は上へと導かれていった。
次回、ep.2。
今日も明日も24:00(切実)。
土曜日はお休み(?)




