3話 乗り越えしもの
少し短めです。大変遅くなり、昨日投稿できませんでした。待っていてくれた方本当にすみません。
王都 ギルド本部
「あー、暇いなァ、なあ、もう帰っていいか?」そう言って筋骨隆々な男が後ろに腕を組む。
「アァ、ミルニナたん今日も可愛いよ…」………いい年こいた男が人形に向かって頬ずりしている。
「ねぇ、毎回あいつ気持ち悪いんだけど」嫌悪感丸出しの少女がプカプカ浮かびながら毒を吐く
「これこれ、そんなこと言ってはイカンよ」……そう言った髪を後ろにまとめたお爺さんは距離をとっている
「…………、…、……、…」………黒尽くめの男が何か言うが声が小さすぎてなんて言ってるのか全く聞こえない。
ほとんどがお互いをないものとして扱い、それぞれがアホほどにおかしいという、とんでもなくカオスな状況だ。
しかし、一つの足音が聞こえた時途端に静になる。
コツコツと足音が鳴り、ドアが開く。入ってきたのは金髪ロングの目力が強い鎧を着た美人だ
「おいおい、主催が遅れるってどういうことだよ」筋肉男が突っかかるが、金髪の女は男をじろりと見つめ
「この場では、私がルールだ。すべてにおいて私が決めさせてもらう。故に私は遅れてなどいない。」瞬き一つせずに男の顔を見据えながらとんでもないことを言い放つ。
これで、この場にまともな人間はいないと言えるだろう。
「話を続けるぞ、帝都近辺に推定Aランクの迷宮が現れた。」女が一同の顔を見据えながら、静かに言い放つ。
それに一同はピクリと動き、それぞれが反応を示す。
「ほぉ…」「ミルニナ…」うるせぇ「ふ〜ん」「それは…なかなか」「……、……、、」なんか言えや
「その調査にAランクパーティーが向かったとのこと」しばらくの沈黙が続き「生きて帰れると良いなぁ」
「あんたなら無理だね」「なんだとぉ?」「ふん、やる気…?」少女の周りにいくつも魔法陣が漂う「あぁ、そっちがその気ならいいぜ」男が魔力に包まれ筋肉が膨張する。はぁ、またかよ。
一同は金髪の女を見る。それに気づいた女が止めようとしたときに
ガチャリと音がした。
?!?!一同が驚く。そして一瞬で気づく「へぇ…どこかの野郎がSランクに…」「まじ〜?!」「ミルニナッ!!」だから、うるせぇって「やりおるわい…」「……、、、…、…!?」w
それぞれの反応がある中金髪の女は静かに目をつむり「Sランクの扉が開かれましたか…おそらくここにきてない彼らも感づいてることでしょう。まさか、」
◇
同時刻
「へぇ…おもしろそうだな」細身の男は嬉しそうに笑い
「はて、何か音がした気が…」鎧を着て、刀を持った男が首を傾げる。
◇
今、俺はさっきまで圧倒された赤灼竜と互角にいや、それ以上に競り合っている。
「左足、牙、爪のフェイントで翼、火球、反転して尾」視える。全てが視える。あの圧倒的速度さえも軽々と避ける。
世界が…遅い。そう感じたのは初めてだった。さっきまであったあの激しい痛みもいつの間にかなくなっている。楽しい。まだまだ強くなれるという実感。この幸福感
表現するなら“世界が自分のものになったかのような全能感”まるで自分がどんなことでもできそうだと勘違いしてしまう。つい油断して気を抜いてしまいそうだ。
「今の俺なら、お前にだって勝てそうだ」赤灼竜に言い放つ
目が覚醒したことで魔力の質も、量も向上し、身体能力も数段上がった。
そしてこの覚醒した目。だが慢心してはいけないいつ、反動が来るかわからない。限界を一度超えて瀕死になりかけから今のパフォーマンスだ。限界が来れば下手をしたら…安易に想像がつく
目が覚醒したおかげで、魔力を練り上げる暇ができ、身体強化をもう一段階上げることができる。そうして
身体強化のさらに上の段階、身体真化を発動する。
自分を中心に俺の魔力光である、赤い色がスパークのようにほとばしる。
そうしてふと気づく、あの赤灼竜もいつの間にか傷だらけということに。そして…
赤灼竜は自身を纏った熱、炎、蒸気、鱗の溶岩を口元に集め始める。そういうわけね…おれは赤灼竜の意図を汲み取る。短い時間だったが、死闘を繰り広げた相手だ。ましては、このあからさまな溜め。何がしたいのかは一目瞭然だ。
だから、俺もそれに応える。身体真化したうえにさらに魔力を上乗せ、武器にも魔力を込める[紅燐槍]を発動する。こちらも今できることは最大限やった。
後はぶつかるだけだ。と言っても今の段階じゃ赤灼竜
の全力のブレスを受けきるのなんて不可能だ。だから
“あれ”を使う。しかし、あれを使ったら反動でほとんどの確率で死ぬ。ましてはいつ爆発するかもわからない今の身体では確実と言えるだろう。だが、俺は赤灼竜との決着を求めるために、勝つために使う。少なくとも赤灼竜の方もそう思っているはずだ。
その技は気というものを使う。気は肺や心臓などの器官を使い、己の肉体強度を上げることで技の威力を上げ、人外の力を出すことができる。
肺が傷ついてるため、気を使えなかったが、今は一瞬ならその無茶でもできる。
さらに魔力と気は相性が悪く、同時に使うと、心肺機能が大ダメージを負う。あの技は魔力と気の両方を使う。そのため、死に至るほどの大きなダメージを負う
「ふぅ…すぅーー、」ブワッと体中が熱くなる。ぐっ…少し肺が痛いがこの一撃くらいは放てるだろう。
赤灼竜の方も溜め終わりそうだ。
赤灼竜がブレスを放つ。まばゆい紅き閃光が一つの光となりて放たれる。
俺がやることは一つ全力で腕を振るい、腰を使い反動をつけ一気に空気を捻出して、放つ
[天穿壊地]
そして
両者最大の一撃が放たれ、辺りを光が包み込む
次の話から連続で4話ほどヒロインズの過去とヤンデレ化を書く予定なので早く本編が読みたいって人は8話から本編となっているので、8話から読んでください。
補足です。最初の方で、意味深に偉そうにしていたのは
ギルドマスターとやらであんな変人たちでも強さはSランクよりも上です。
そして気とか、身体真化、紅燐槍とか一気に出てきてなんだよって思ってる人すみません。書きたかったので書きました。詳細は後々明かしていきます。
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