2話 突然の覚醒
2話目です。投稿が少し遅れました。
皆が転移し終わったのを確認する間もなく赤灼竜がブレスを放つ。
「まった、く…最、後にみん、なを見ることゆ、るしてくれ、ないのか…」
悪態をつく間もなく全てを焼き尽くさんとする光り輝くブレスが眼前に迫る。それをギリギリまで引きつけ棒高跳びの要領で槍を地面に叩きつけ、跳び上がる。ブレスは狙い通り壁に当たり、シズが撒いた火薬に引火して大爆発を起こす。
俺は高く飛び上がったことにより、爆発には巻き込まれなかったが、赤灼竜は顔面に爆発をくらい驚いている。
「う、そだろ、あの爆発でも、ピンピンしてる、なんて、だが、」飛び上がった俺は赤灼竜の目を狙い。突き刺す。
「グォォォ」赤灼竜は目に槍が突き刺さり悶え苦しむ。
俺は絶えず反転して顔に一撃を入れるが弾かれる。
「くそ…まだ、たりな、いか」すかさず手が迫ってきて、叩きつける。それを反応して受ける。が、衝撃を逃しきれず、下に叩きつけられる。
しかし、それを利用し回転しながら刃を赤灼竜に叩きつける。「はぁぁぁ!」それが功を奏し、赤灼竜の左半身の脇腹から膝ら辺までを傷つけることに成功する。
ふう、やっとまともな傷がついた。まったく、なんて硬さだよ赤灼竜強すぎるだろ。皆は無事に帝都に戻れただろうか。それだけが心残りだ。
今はこいつに集中しないと。満身創痍だからってやすやすと負けるわけには行かないんだよ。
「手負い、の獣が一番手ごわ、いんだよっ、てな」赤灼竜に向かって駆け出す。なぜか今までで一番体が動く。向かってくる爪を避けずに受ける。爪と槍がぶつかった瞬間体を滑らせ流すのではなく自分が‘‘流れる’’ことにより、前にさらに肉薄する。その勢いのまま渾身の力で槍を押し出す。
「グォォ?!」鱗ごと肉を貫き赤灼竜がわずかに怯む
そのとき赤灼竜がようやく俺の目を見た。
「へっ、ようや、く俺の方を、見たか」
どうやら俺を羽虫から敵だと認めてくれたらしい。
だが、俺の体は今動いてるだけでも奇跡の状態だ。
魔力で体をつなぐのをやめたとたん体中の骨が砕け、筋肉線維が引きちぎれるだろう。ましては身体強化をいつもより数段強くしているから、これだけでは済まないかもしれない。
「‘’目‘’を、使うし、かないか…」俺の目は特殊で常人の何十倍も動体視力がいい。今まで赤灼竜との戦いで生き残っているのも、この目のおかげだと言える。
目の負担を顧みず本気で集中すれば相手の動きが遅く見えるようになる。しかし、これを使うと目が出血し
て、しばらく使い物にならなくなる。
赤灼竜はブレスじゃなくて火球で、攻めるようにしたようだ。
「うおっ、と、っ、ガハッ」避けた拍子に肺と喉に詰まっていた固まった血が吐き出された。
「ようやく、喋りやすくなった。うおっ」さらに攻撃が速くなる。どうやら本気で相手をしてくれるようだ
こちらとしては今までが良かったのかだが
「と、思ってる暇もないな、こちらも出し惜しみしてる場合じゃないな」
[赤眼集中!]赤灼竜の動きが先ほどよりも遅くなる。迫りくる爪を難なく避け、間髪入れずに尾をムチのように振り抜くが槍の刃の腹を滑らせ流し、火球を放つが、全てをギリギリでかわす。
「ふう、危ない危ない。ギリギリだった。」さらに激しくなった攻撃をかわされ赤灼竜はすこしだが驚いたようだ。しかしすぐに、攻撃を再開する。
赤灼竜と戦うこと数十分戦いはさらに激しさを増した
「はぁ、はぁ、有効打がない」傷を負わせれていたときとは違い隙が全くと言っていいほどなくなり、攻撃を捌くので精一杯なため、攻めあぐねているといった状態がずっと続いている。
(それに目がもう限界が近い)視界がぼやけ始める。
チリッ(まただ)赤眼集中を使い始めて目に小さな電流が走った感覚になった時、さらに遅くなり、感覚が乱れ危ない瞬間が何度かあった。(あれが急に来るのは危ない)
赤灼竜がイライラしているのか、攻撃に正確性が欠けてきた。今だと思い。一気に距離を詰める。近づいても反応しないが、お構い無しに槍を全力で突き出す。
メキメキメキ「アガッ!?」気づいたら壁に叩きつけられていた。
腕に違和感がして見たら腕がバキバキに折れ曲がっていた。なにがおきたんだ…?腕を押さえながら赤灼竜の方を見ると体から蒸気がふきでているように見え、鱗が溶岩のようにドロリとし、全身に炎を纏っていた
その形態に名をつけるなら[焦熱形態]と言ったところだろうか。つい、それが恐ろしいはずなのにあまりにも美しく見惚れてしまった。
気づいた時には赤灼竜は目の前から消えており、探す間もなく視界がぐるりとなる。ゴキャッと嫌な音を立てて、ぶっ飛ばされ壁にたたきつけられ、大量の血反吐を吐いてしまう。「ゴ…ぁ、あぐ…」
さらに立て続けに攻撃を仕掛けてきて速すぎるせいでまともに対応することすらできない。されるがままに
猛攻を食らい続ける。
視界がぐらつき、まともに立ち上がることすらできない。
まだ本気じゃなかったのかよ…
侮っていた。元からおかしかったのだ伝説の存在なのに、どうして俺が渡り合えるのか。勘違いしていた。今それを実感する。
目の前の圧倒的『力』を前に、無謀だと知らされる
だが、俺は立ち向かう。こいつはきっとまた《五芒星》の皆に害をもたらす。皆を守るために俺は…いや違うな俺は挑戦したいんだ。もちろん皆を守りたい気持ちはあるが、
一人のチャレンジャーとして、この伝説を超えたい。
なにより、諦めたくない。チリッ
だから俺は挑む。伝説を超えるために
目も次使ったら使い物にならなくなる。だから次の攻撃一発で決めないといけない。
体中から魔力をひねり出す。視界が点滅する。今までで一番身体強化したはずなのに足元がふらつきよろめく。ありったけの魔力を身体強化につぎ込んだせいで左腕を固定する分の魔力が不足し腕がだらんと下がり、痛みが体を襲うだが、アドレナリンのせいかそれすらも心地良い。チリッ
そして裂帛の気合とともに駆け出そうとした途端
「ゴバッ…ガハッ」ボタッ…ボタボタ
おびただしい量の血が口から吐き出される。身体を覆っていた魔力が霧散すると同時に体中の傷から血が噴き出し、痛みで一瞬意識が飛ぶ。「ぐ、ぐぁぁぁぁぁぁぁ」
チリッ
元から限界だったのだ俺の体はいきているのが不思議なくらいのボロボロの身体で、魔力で無理やり身体を動かしていた。だから、いつも以上に身体強化をすればとっくに限界を迎えた身体ではこうなることは必然だった。
今度こそ体が動かない。俺はこの瞬間“死”を実感した
「ここまで…か…」健闘したほうだ。伝説相手に傷を負わせることができたのだから。
「ハハッ…悔しいな…ここまで来て限界を迎えるなんて」覚悟を決め目を閉じた瞬間
チリッ、バチッ、バチバチバチ!目が今まで一番目に電流が走った。それは電気ショックを受けてるかのごとく。
それと同時に視界が赤いフィルターがかかったかのように映り、赤灼竜の動きがスロー再生をしてるかのごとくゆっくりとなり、なぜだか不思議と攻撃の軌道が読める。呼吸、息遣い、次の動作、弱点の位置
赤灼竜の、いや今はまだ世界が見えてるように感じた
「え?……これは…?」呆けていると火球が目の前に迫っており慌てて体をひねり避ける。
[赤眼集中]よりもさらに“視える”
純粋に悟った“覚醒した”と
ガチャリと音がした。
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