18話 ヤンデレの行進
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「ローレンス、お前の負けだ。」迫りくる全ての攻撃を避け、驚いているローレンスを足払いで転ばせローレンスに槍を突き出し俺はそう宣言する。
「ははっ、参ったよ。僕の技を避けたあれは一体何だい?」ローレンスが手を上げて降参のポーズをとり、ローレンスの攻撃を避けた技は何だと尋ねてくる。
十中八九、赤眼集中が覚醒した界赫視来のことを言ってるのだろう。だが、俺も急に覚醒してよくわからないから目が覚醒したとしか答えようがない。
「君の目が電流を纏ったと思ったら、さらに赤くなり君の動きが目で追えないほど速くなったんだよ」
「そういうふうに見えたのか…」つまりは赤眼集中は相手の動きがより遅く鮮明に見えるようになるが界赫視来は相手だけではなく世界そのものが遅ったように感じ相手の息遣い、視線、弱点の位置、予備動作による攻撃の軌道つまりは相手の行動の未来が見えるというわけだ。あくまで未来が見えるというわけではなく予測ということの延長線にすぎないが。
「いや、まてそれにしてもチートすぎるだろ」
「まったくその通りだよ。一応僕の中では一番強い技のはずなのに出鼻をくじかれたよ」と愚痴のようにも聞こえるが本人はカラカラと笑っている。
「それが、俺もダンジョンで発現したばっかりなんだよ」「そうか…君はもう、」「?」なんだよ歯切れが悪いな最後までい言ってほしいもんだ。ヂリッ゙
「がっ、ぐっ…あっ!?」な、なんだ?急に視界が暗く…それに全身が焼けるように痛いし、体を動かせない…一体何が起こってるんだ?もしかし…て界赫視来の副作用か?ダンジョンではボロボロだったから副作用があったかどうか分からなかった…くっ、力が入らな…それに視界、も…
糸が切れた人形のようにドサッと倒れる。
「レノン?」「レノン!?」「お兄様!」
「レノンくん!?」「レノン…」急に倒れたレノンにそれぞれが驚き、急いでレノンの方にかけていく。
リズとノアとローレンスがこの世の終わりのような顔をしている。
「レノン!?僕が無理をさせたせいで…」
「レノン…?ねぇ、目を覚ましてよ」
「お兄様…なぜ?目を閉じてるんですか?リズはここにいますよ?」と言いながらどさくさに紛れてレノンの匂いを嗅いで血を採取するのやめい。って血!?
一体こんな時にまで何をやってるんだこの変態は?
「何をやってるんだ!このド変態ブラコン!?」ノア全くその通りだ。言ってることがすんごく正しい。
「あ、いい匂い」いや、お前もかーい。さっさとレノンを医務室に運ぶなり何なりしないのだろうか…
「えーと、君たちは何やってるのかな?」「レノンくんを運ばないと。君たちは心配じゃないのか!?」ローレンスとカリファが至極まっとうなことを言っているが2人はきょとんとして
「「だってレノンは」お兄様は」「「最強ですよこの程度でどうにかなるわけないでしょう?」」結構考えが鬼畜である。レノンよ可哀想に。
しかし、しばらくして
「はっ!?」レノンの目がぱちくり開かれ、その様子を見た一同がホッと胸を下ろす。
「レノン…よかった。僕のせいで君が死んだと思ったら…」聖騎士の顔が泣きそうなのを我慢してひどい顔になっている。それほど心配だったのだろう無類の友が体から血を噴き出し目から血の涙を流したのだから
「レノン…心配したよ…あの時みたいに死にかけて…まぁ、死なないってわかってたけどね。」ノアはレノンをその豊満な胸を押し付けて抱きしめて、強がりながらも涙を流している。
「はぁ!?」それを見たリズが淑女らしからぬ声をまた出しているが幸い周りに聞こえてないようだ。それでも、匂いを嗅ぐのを辞めないあたりはもうさすがとしか言いようがない。
「レノンくん。今のは一体?」カリファが不思議そうに尋ねる。それもそうだろう。凄まじい力を見せたと思ったら、急にぶっ倒れるなんて。
「多分、界赫視来の副作用だと思う。目に合わせて動くから。」
「なるほど。それなら合点がいく。しかし、今のを見た感じ私も相手にならないな。」
「そんなこと、ないですよ流石に」「いや、私も今さっきの動きについていけないよ」レノンは心の底からそんなことはないと思っているがそんな事あるのは事実だ。ローレンスとカリファでは、魔法ありではローレンスの方が少し強いので、カリファの言ってることはごもっともである。
そうして、レノンと、ローレンスの戦いは締まりのない終わりとなった。
◇
「はーやっと地上出た。」「長かったね」「早くレノンに会いたい」「レノン…待っててね…」
スーパーヤンデレーズがダンジョンからわずか1日で帰ってきた。さすがに早すぎる。
「レノンはもう帝都に戻っているのかな?早く会いたいな」「よし!急いで帰るよ!」「そうだね…式を挙げないと」なぜ、そんな事を言うんだー!?
「「「はっ?」」」怖い…ドス効きすぎでしょ。
だが、喧嘩をしてる暇は無いと先程の経験を活かして何も言わずに帝都に向かって歩き出す。その背中が小さいはずなのに恐ろしく怖く視えるのは気のせいだろう。うん。きっとそうだ。なんか良くないものが見えるかもだけどこの際もう気にしないでおこう。
◇
「はぁ…全く聞いてくれよタンガスさん…」俺は目を覚ました後皆がまだ戻ってないと聞いたので、予定していた酒場に行くことにした。ローレンスがめっちゃ謝ってきてめちゃくちゃ笑ってしまった。リズとノアがずっと喧嘩をしていた。全く…仲良かったのに、なぜ悪くなったんだろう?
そして、俺はタンガスさんにダンジョンであったことやギルドでの出来事を全て話した。
「まぁ!そんな事があったのね。大変だったわね」と心配そうに見てくるタンガスさんは女性っぽいしゃべり方だが筋骨隆々だ。これが何を意味するか、それを言うのはタブーと言うやつだ。
「それにしても、レノンがこんな可愛い子連れてくるなんてね。とうとうあなたにも春がやってきたのかしら?」「っ!!」その言葉に何も返せずにいると
「まぁ!冗談めかしく言ったのにまさかホントだなんて」嵌められた…久しぶりにしてやられた。多分タンガスさんが思ってることと少し違うが。全く流石はタンガスさんだ。何でもお見通しというわけか。
「待っててね。料理サービスしちゃう!」「いやいや、良いよ悪いよ。」「いや、いいの!お祝いさせてくれないかしら。」あれ?これはなんか良くない方向にいってる気がする。なんだ?横からとてつもないねっとりとしたものを感じる。
「レ、ノ、ン♡ついに認めてくれたの?」「っ!?」なんだかとてつもなくダメな顔をしてねっとりとした笑顔でこちらを見つめるノアに思わず身を引く。すると
後頭部に柔らかい感触があり
「まぁ!お兄様とうとうリズのことを…リズはこの日を待ってました。」と顔を紅くしたリズが俺の顔をがっちりホールドして離さない。リズの目が黒く濁りはぁはぁと荒い息づかいで顔を近づけてくる。ノアも負けじと抱きついてレノンに迫りだす。
なぜか二人とも盛大な勘違いをしている。
「二人とも、離れて!ちょ、リズ待ってノアも!」
その様子を見ていたタンガスは
「あらあら、罪な男ね」としみじみとつぶやくのだった。
リズ…ノア…2人とも離れなさい
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