16話 心友との再会
ガチャリと音がしてコツコツと足音が聞こえる。
そして、泣いているリーフィエさんと俺の方に近づいてきて
「レノン!?、か、帰ってきたのかい?」聞き覚えのあるとても懐かしい声が聞こえてきた。
声の主の方をゆっくりと見る。
「ローレンス…」しばらく会えていなかった友の名を呟く。すると、彼は金髪翠眼の美形の顔を一瞬クシャリとゆがませこちらに歩み寄ってくる。
「レノン…心配したよ、ほんとによかった帰ってきてくれて…」表面上では取り繕ってるつもりでも、涙を堪えるのに必死そうだ。
「俺こそ、ごめんな」そう言い軽く抱擁を交わす。
そうしてしばらく経ち「ローレンス・トゥワナイトさん!?」と泣いていたリーフィエさんが驚いている。その声を聞き、周りの冒険者も「なっ!?あのローレンス!?」「ローレンスってあの…」「まじかよ、やばすぎだろ!!」ととても驚いている。無理もないローレンスは聖都『イートンレイン』の巫女と聖女を守る聖騎士の中でもトップクラスのエリート聖騎士団長だかだ。
その聖騎士団長がまさか俺に会うために護衛の任務を放り出してきたことなんて無いよな流石に
「レノンが心配だったから任務を抜けてきたんだよ」
何やってんだよ!しっかり護衛しろよまじで。
まぁ、こいつはもともとのらりくらりした性格で、よく任務を放り出しては俺のもとに来て手合わせして、なぜか俺も一緒に副団長に怒られてた。
それでも、ローレンスが団長になれたのは、その強さと指揮を認められたからだ。魔法などなんでもありの戦いだったら、覚醒する前の俺は普通に負ける。魔法なしの純粋な剣と槍の戦いだったら引き分けるくらいだから、魔法が使えない俺は普通に負ける。だが、覚醒した今なら分からない。
「ローレンスここじゃなんだし、ギルマスに部屋借りて話そうか」あたりを見渡しながら諭す。思慮深い彼は「そうだね」と了承してギルマスに
「アズールさん部屋借りますね」「はーい、って!?レノン!?」と驚くアズールさんも引っ張り部屋に入る。リズがなぜか不服そうな顔をして「お兄様の浮気者!」と言われた。なぜだ!?俺は何もしてない!
部屋に入るなり、「レノン…その隣にいるのは竜種だよね?」と警戒しながらノアに剣を突きつける。あ、そうかローレンスは知らないのか
「落ち着いてローレンス、ダンジョンでのことを話しながらノアの事説明していくからさ」興奮気味のローレンスを手で制す。
「それじゃ、話していくよ。アズールさん一応防音お願い。」
そうして、語りだす。ダンジョンの調査が王都から直々の指名依頼だったこと。ダンジョンが二重ダンジョンだったことダンジョンでオーバーフローが起こったこと転移罠で飛ばされたところにノア…赤灼竜がいた事、赤灼竜から皆を逃がして今どこにいるかわからないからここに来たこと。ダンジョン内で会ったことを詳細に語った。
皆がここに来てないかを確かめるために来たことに関しては、「すまない、レノン。彼女達も連絡が取れてないとこなんだ。」そうなのか…皆は今どこにいるんだろうか…もしかして俺を探しにあのダンジョンに…?そんな事は流石にないか。「また、王都か…」ローレンスが何やら意味深なことを呟いている。
「そんな事で、今ノアは俺のもとにいる。」「ふむ、君と周りに危険がないならいいのだが。それに、まさか赤灼竜がね…」とりあえずは納得してくれたようだ。ノアを戦わせるわけには行かない。ローレンスが死んでしまうし、最悪帝都が吹っ飛ぶ。
危機が去ったことに安堵しているとアズールさんが口を開く。
「そういえば、レノンにお客さんがきてるよ。」
「俺に?」一体誰だろうか?まったく予想がつかないな…
「今、待たせてたところだから呼ぶけどいいかな?」
「いいですよ」大人しく待っておこう。ふと横を見るとローレンスが俺の方を見てることに気づく。
「はっ、そうか…レノン君はもうあちら側にいるんだね。僕ではもう魔法なしでは勝てないな…ブツブツ」一体あちら側とはなんだろう?
「ロー…」口を開きかけるとコツコツ足音が聞こえてくる。
「すまない待たせたな。」と同時に金髪ロングの目力の強い美人が入ってくる。ソフィアとどことなく雰囲気が似てる。
「カリファさん?」「レノンくん!?」と驚いている。
「ふっ、驚いたな。まさか、かの高名はカリファ殿が入ってくるなんて…」普段飄々としたクールなローレンスですら驚いている。しかし、リズは最近面識があったようでさほど驚いていない。ノアは相変わらず興味を持たない。
「いやいや、私も驚いたよ。聖騎士団長殿がこんな場所にいるなんてね」「悪かったわね、こんな場所で」
とアズールさんが皮肉を言う。
いやいや、この場にいるメンバー豪華すぎるでしょ。
帝都の冒険者ギルドのギルドマスターであるアズールさん。王都の7大、あ、8大ギルドのギルドマスター、カリファさん聖都の巫女や聖女の護衛をする聖騎士団長のローレンス。魔道具の開発者にて、世の中のほとんどの魔道具を開発した俺の可愛い妹にして大天才リズ。帝都の冒険者がほとんどリーフィエさん目的でなるほどのアイドル的存在リーフィエさん。
あれ、この中で場違いなの俺だけなのでは?
そんなことを思っていると
「レノンくん…話は聞かせてもらったよ。」目がこちらを射抜くように見るがカリファさんにそんなつもりはない「あの…」「ありがとう。ソフィーを守ってくれてありがとう。」「いや、俺は何もただ身代わりになることしか…」その通りだ。俺はソフィアを含めた皆がただやられるのを大人しく見て、せいぜい身代わりになることしかできず、大怪我をさせてしまった。
「ふむ、やはり王都のクソ野郎どもか…」「そのようだね。前々から王都は…」「許さないお兄様と私を49日も離れさせた罪償わせてやる!」と、なんかすごいこと言ってる気がする。だいぶ重い重すぎる…
「それに、やはりレノンくんだったか…」だから、いったい何が!?
「ふふ、自分では気づいてないようだな」「そのようだね」俺は結構鋭い方だと思うけどな…
……え?何言ってるんレノンさん
「レノン、君はもう僕よりも強い。」「そんな事無いと思うけど…」「ふふ…相変わらず無自覚なとこが恐ろしいね。君は僕、下手したらカリファ殿よりも強い。」
そんな事はないだろう。ノアほどではないだろうがカリファさんもだいぶ強いぞ。特異体質で魔力穴が3つもあり、それを全部使うことができるんだぞ
俺が首を傾げていると「そこまで信じられないというのなら、久しぶりに全力で手合わせやるかい?」とローレンスから手合わせの誘いが来た。今までの戦績は学園時代から532勝133引き分け532敗だ。今までなら互角だが覚醒した今では魔法など何でもありのローレンスに通用するだろうか…
俺とローレンスはギルドにある戦闘演習場に向かう。
ほんとに久しぶりだローレンスと戦うなんて。
だから、最初から全力で行かせてもらう。
[身体真化][呼気錬成・赤][紅燐槍]を使い、現時点で俺の中で最強の強化をする。そして、極めつけは
[赤眼集中!]ノアと戦ってた時のあれはまだ使いこなせないから赤眼集中を使う。
「さあ、やろうか。最初から全力だ!」と俺が言うと
「当たり前だろ!それでこそ心友だ!ローレンス・アラインは名乗りを上げる!」ローレンスも嬉しそうに笑いお互いに向けて、疾走する。
無自覚なレノンさん君は十分化け物だよ…
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