始まり
初投稿です。至らぬところがあり、稚拙な表現があるかもしれないけど温かい目で見てくれたら幸いです。
初めて‘‘それ’’を見た時なんとも形容しがたい気持ちになった。美しいと思った。稲妻が走った。だから俺はそれを鍛えた。無我夢中に
◇
今俺達はとあるダンジョンに来ている。何でも、何年も調査しておらず、何があるかわからないため調査するようにと王都から直々の指示があったらしい。
「おーいレノン何やってるんだー?早くこっちに来ーい。」
彼女は俺らのパーティー《五芒星》の一人ソフィア・アルファルド。三つ編みした赤髪ボブが特徴の剣士パーティーの前衛で頼れるリーダーだ。
「ほんとだよ、まったく…ここはダンジョンなんだからしっかりしてよね」
と言って眼鏡をかけた銀髪ショートのロリは《五芒星》の一人ベレス・アフィーリア。こう見えて17歳で優秀な魔法使いだ。
「まったくですよ、レノン。ダンジョンでもここはAランクダンジョンです。気を抜いてはいけません!」
と丁寧口調な緑髪緑眼の耳が長い彼女はユピネ・クローフィル。耳が長い通りエルフであり、《五芒星》の索敵や援護を担う弓使いだ。
「レノン……元気ない?」
と言ったのは東方と南に住んでる戦闘民族であるシズ・ミカガミ。彼女は口数が少なく黒髪ロングにキリッとした雰囲気だがおっとりとした天然でシズがいるだけでパーティーが和む。この王都では珍しいニンジャなるものらしい
「なんでもない、ごめん。じゃ、行こうか」と言い扉に手をかけた。この後まさかあんな事が起こるとも知らずに…
◇
声が聞こえる…
「…ン…、レノ……、………レノン!」
なんだベレスか…そんなに声出さなくても聞こえてるよ…あれ?体が重い?それに体があったかい…
「レノ……レノン!」なんだよそんな叫ばなくても聞こえてるよ。口を開き声を出そうとした瞬間
「ゲホッ?!ゴホッ、ゴホ、あ…え?おえが…えあい」
声を出そうとするが血が喉に詰まってるのかうまく声を出すことができない。ベレスが何か呼びかけている。でも、血が滲んで目の前が紅い
何があったのか必死に思い出す。意識が朦朧として頭が働かない。そうだ…ここがまさかの二重ダンジョンで、さらにオーバーフローを起こしダンジョンの難易度が桁違いに上がり、別のフロア逃げた先に‘‘赤灼竜’’がいたのだ。
目の前が見えないので、状況を把握するために動かない腕を必死に動かし目の周辺をぬぐうと目の前には普段泣かないベレスが大粒の涙をポロポロとこぼし俺の名前を呼んでいる
「レノン…レノン、レノン!」
どうにか動こうと必死にもがいてると一人の少女が吹き飛んだ「ぐっ…」と短い悲鳴をあげて崩れ落ちる。
「ソ…フィ…ア」しかし名前を呼んだところで何も変わらない。
ソフィアがまた立ち上がり向かっていくが俺は動けない皆戦ってるのに…ぼろぼろになってるのに…俺を置いて逃げればいいのに優しい皆はそんなことはしない。
相対した赤灼竜は伝説級のモンスターだ。Sランクパーティーですら歯が立たない。ましてはSランクに満たない俺たちではこの伝説級モンスターの前では羽虫同然だろう。
ついにはソフィアは叩きつけられ、ベレスは魔力が底をつき吹き飛ばされ、ユピネは赤灼竜のブレスがかすり深手を負い血まみれになり、シズは一番善戦したが最後はブレスと壁と爪に挟まれ、爪に深く体をえぐられてしまう。
「だ…めだ…みん、なが、し、んでしまう」また失うのが怖い。皆が俺のせいでボロボロになってるのに自分は真っ先に倒され地面に突っ伏してるなんて情けない
俺はどうなってもいいから皆を助ける。
(また、繰り返すのか?)
嫌だ
(それならどうする?)
ならば俺が取る手段は一つ
使い物にならなくなった足と腕を 魔力で繋ぎ魔力による身体強化で無理矢理動かす。
ソフィアを背負い、ベレスのもとに駆け寄りベレスとソフィアを一番赤灼竜から遠いシズの方に投げ飛ばし
尾が迫るユピネを体当たりでかばう
「レノン!」
「ぐはっ」
想像以上の衝撃で思わず苦悶の声が漏れ意識が飛びかけるが堪える。そして4人が集まったことを確認する。
「レノン…?何を?」状況が読めてない皆を尻目に最後の仕上げを行う。
力を振り絞り転移石を4人が集まってる中心に投げる。
転移石が砕けて、砕けた転移石が光り輝く
「レノン?!何をしてるの!早くこっちに来なさい」
「レノン何やってるんだ!」「レノン?!」「レノン…だめ」いつもおっとりしているシズですら焦っている
すると転移石を中心に地面がパァーと光始める。
転移石の起動には時間がかかる。なので転移石が起動するまで皆を守らなければならない。その役目はもちろん俺がやる。皆が俺のために戦ってくれたから…真っ先に傷を負い足手まといになった俺を見捨てないでくれたから。何よりいつも一緒にいてくれたからだから俺は俺にできる精一杯のことをする。
こうなったのは元を正せば俺のせいだ元々このダンジョンは‘’推定ランク‘’がA。つまり最低ランクがAということだ。もしかしたら…ということは重々承知だったのにそれでも、受けてしまった。もし受けなければ…とこうかいする。
「たら、ればを、いっ、てもしかた、がないか…」
後ろをちらりと見ると皆が動こうとするが、疲労の蓄積とうけた傷が深くもぞもぞとしか動くことができないようだ。転移の最中に万が一にでも出てこられたら困るがその心配はないようだ。
さて、皆が転移するまで、まだ、時間がある。
視線を戻すと眼前に牙が迫っていた。「うおっ」突然のことに驚きつつ不格好ながらも避けることに成功した
転移まではおそらく後1分か…このボロボロの体でどこまでやれるだろうか…「いくぞ!」そんな考えを振り払い相棒を握りしめ伝説に立ち向かう。
「うぉぉぉ!!」裂帛の叫びとともに相棒である槍を繰り出すが、ガキィーンという金属音とともに弾かれ体勢が崩れる。その隙を見逃されるはずもなく腕で弾き飛ばされる。「ぐっ…」バキバキと嫌な音が体中に響く。それでも、俺は大好きな皆を守るために体を引きずる
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赤灼竜は興味を失ったかのように、転移陣の方に向かう。しかし「いかせ、ねぇよ」と槍を赤灼竜の方に投げ、わずかにひるんだ隙に間に入る。「はぁぁぁぁ!」威力よりも衝撃に特化した一撃を放ちわずかだが後退させる。
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俺は赤灼竜の攻撃を受けずに流すことに集中する。と簡単に言っても、実際はとてもむずい。が、なぜか一進一退の攻防ができている。これが火事場の馬鹿力なのかと思いつつ。赤灼竜の攻撃をどんどん捌く。
12
ギャリ、ついに赤灼竜の硬い鱗を傷つけることに成功する。
8
一瞬だが赤灼竜の攻撃が遅く見える。が、すぐ戻るので気にせず攻撃を捌く。
5
転移陣がさらに光り輝く
4
赤灼竜が、ブレスを放つか前になる。させるまいとさらに肉薄する。
3
鱗が少ない腹めがけて槍を魔力を込め全力で投擲する
見事に突き刺さり、わずかだが怯む。それが功を奏し
ブレスの発射が遅れる
2
「みん、なありが、とみんなといっしょ、で、しあわせだった。」
1
ブレスが発射される。
「生きて」
次の瞬間4人が眩い光に包まれて居なくなる。そしてこの空間には紅く輝く竜と満身創痍の人間だけとなった
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