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匂いのない獣たちへ  作者: 犬口 単
2/3

@犬口という男

僕は孤独だ。

突如そう感じたのはいつからだろうか。

周りに恵まれているはずだった。

単純に、俺がハーフだから近づいていたのかもしれない。

私が、我が、某が、拙者が、アタシ、ワシ、当方、朕、おら、うち、自分、小生、我輩

もう自分を見失ってしまう。

何者かわからなくなるため、ここは『俺』で統一させていただく。


さてと、続けよう。

俺は孤独だ。

日本人の父と、イギリス人の母を持つ俺は、きっと珍しい外来種として、みんなに好かれていた。

彼らの、俺を見る目はまるで、珍しい毛色の犬や猫を見るかのような、好奇心を孕んだ目だった。

そんな目が、俺は大っ嫌いだった。

恵まれているといってくる輩は、きっと周りに人がいた俺を妬んでの発言だろう。

でもそんなことはない。


俺はこの名前も、顔も、全部嫌いだった。

理不尽に母に当たることもあった。父を恨むこともあった。

見当違いだなんてわかっているとも。

でも、それでも俺は、この怒りのやり場に困っていたんだ。

だから、それを見つけたとき、俺はやっと見つかったと思った。

書きなぐるように、感情をぶつけて、表現できる。

そう、それは、創作という世界。

その中でも執筆に、俺は手を出した。


犬口(いぬぐち)(ひとえ)

それが俺の新しい名前だ。

もうあの名前は捨てた。


この名前には理由がある。

書きなぐるように、表現する様を

本能で書く様を、『獣』と例えた名前だ。


人が内に秘めた獣を、引きずり出すような本を書きたくて。

そう、願い、つけた新たな名だ。


本名なんてなかったんだ。

これが真名なんだ。


出井(いずい)テイラー、その男の人生は所詮


起承転結の承にすぎないのだ。

作家というところも、お似合いだと思わないか?


ははは。


なんてつまらない、幼稚な話だろうか。


話を変えようじゃないか。


ああ、こうしよう。


この日常に、もしも変化があれば



タイムリープとか、過去改変とか、研究員とか、そんなのがいたら。



なんと刺激的で、非現実的で、面白いじゃないか。

ノンフィクションで起こりえない事象が起これば

何か想像を超える何かが、いや


とにかく興味深い、面白い何かが、起こったなら。




ならば起こそうじゃないか。

そういう話を書こう。


書き始めはこうだ。


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