不登校のきっかけと、その後の歩み
中学1年の最初の頃、息子を含む3人の生徒でトイレ掃除をしていたときのこと。
息子はトイレットペーパーの補充のため、その場を離れて所定の場所に取りに行った。
ところが、戻ってくると、残っていた2人の生徒が先生に叱られており、息子も訳が分からないまま一緒に叱られてしまった。
騒ぎを聞きつけた他の先生たちも集まり、注目を浴びる中での叱責。
後から分かったことだが、息子が不在の間に、他の2人がトイレットペーパーをトイレの濡れた床に置いてしまったことが、叱られた原因だった。
自分は関与していないのに理不尽に叱られたこと、そして後ほど理由を説明してもうまく理解してもらえなかったことに、息子は不満と不信感を抱いた。
担任の先生だけは話をきちんと聞いてくれて、息子に謝ってくれたが、そのことがきっかけとなって、息子の中には解消されない不満が積み重なっていった。
小学校の頃は、こだわりの強い部分もありながら、理解ある担任の先生に恵まれ、学校生活にも馴染めていた。
授業では、息子の独自の視点からの発言がクラス全体の学びを深めることもあり、先生から感謝されることもあった。
問題行動も特になかったため、小学校から中学校への申し送りもなく、私自身も特に何かを伝えることはなかった。
中学校に入ってから不登校が続いた息子は、当初は高校進学を希望せず、プロゲーマーを目指してゲームに没頭した。
しかし、試してみた結果、自分には向いていないと感じたようで、次に「不労所得で生きていきたい」と考えるようになった。
そしてある時、「旧帝大ってかっこいいな」と言い始め、大学に進学することを決意した。
中学3年のときには、「毎日学校に行く」と宣言し、有言実行した。
最初の1学期と2学期は1〜2時間目で早退していたが、3学期には遅刻しながらも6時間目まで過ごせるようになり、「中学校楽しい」と言い、毎日を満喫し、卒業式を迎えることができた。