表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/69

違う窓から見ている息子

息子は小さい頃からこだわりが強い子だった。

もっと早く気づいてあげられたら、もっと理解してあげられたら…と後悔することもあるけれど、私だって“お母さん一年生”からのスタート。間違いもたくさんしてきた。


小学校1年生のとき、サッカークラブの練習試合で息子がオウンゴールをした。

コーチに「みんなに謝りなさい」と言われたけれど、息子には“なぜ謝らなければならないのか”が理解できなかった。だから謝らなかった。


でも、そのコーチも、子どもに対する指導に慣れている人ではなかった。息子が納得できるように伝えることができなかったし、私もスポーツ経験がなく、うまくフォローできなかった。

他にもトラブルが重なって、結局そのクラブは辞めることになった。


小学校の3、4年生あたりから、息子は黒い服しか着なくなった。


小学校入学当初、坊主頭をからかわれたことがあり、それ以来、髪の毛を切ることにも強い抵抗を示すようになった。切るときは泣いて嫌がった。


中学に入ってから2年間は完全な不登校だったので、当然床屋にも行かず、髪はどんどん伸びてロン毛に。

中学3年生のころからようやく自分で床屋に行くようになったけれど、切るのが「もったいない」と言い、数センチ切ってもらうだけ。


そんな息子が、中学の卒業式の数日前に床屋へ行った。髪は今までになく短くなったものの、束ねることができない程度の“長めヘア”。

卒業式の練習中、隣の席の友達は、遅れて体育館に入ってきた息子の髪型に不意を突かれ、吹き出すのを必死でこらえたらしい。


今、私は思う。

息子は、私とは“違う窓”から世の中を見ているんだな、と。


私にとっての「普通」は、息子には通じない。

それでも、息子のキャラクターや特性を、少しずつ知っていく中で、「ああ、そういう考え方もあるのね」「そういう世界の見方もあるのね」と思えるようになった。


理解できているとは言えないけれど、受け取めようとする姿勢は、これからも忘れずにいたいと思っている。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ