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マウント至上主義

息子が小学1年生の頃、クラスの子がちょっかいをかけてきたことがあった。

その子のお母さんは「息子をライバル視していて、勝ちたくてやってるんです」と言っていた。


後日、その話をママ友にしたとき、思いもよらない言葉が返ってきた。

「その子、努力して自分を高めて勝とうとしたんじゃなくて、相手(=息子)を下げることで上に立とうとしたんじゃない?」

「相手をコケ落とさなくても、あなた自身に魅力があるって伝えてあげたらいいのに」

その言葉を聞いて、私は目から鱗が落ちた。

そんな“上に立つ方法”があるなんて、考えたことがなかった。


それから月日が経ち、息子が中学2年生の後半。

不登校から少しずつ通学の方向へ進んでいたけれど、まだモヤモヤしている時期だった。

学校の気に食わない子たちの話をしていた。

その子たちのダメなところを挙げて、わかりやすく悪口を言う。


聞いていて正直、不快だった。

私は「その子たちがどうであれ、あなたはあなたらしくいればいい」と伝えたけれど、

息子は「そうじゃない」と言った。


その時、あのママ友の言葉をふと思い出した。

――相手を下げることで、自分が上に立とうとする方法。


当時の息子は不登校で、周囲と勝負できるものを持っていなかった。

だから、相手を下げることでしか“マウント”を取れなかったのかもしれない。

自信がないとは、こういうことかと気づかされた。


高校1年生になった今、息子は過去の時間を取り戻すかのように、必死に動いている。

文句も多いし、相変わらず悪口もこぼす。

でも今は、相手を下げることで自分を上げようとはしていない。


ただただ、自分を高めるために、自分で自分を追い込んでいる。

“マウント至上主義”に変わりはないが、マウントの取り方が息子の中で少しずつ変わってきたように思う。


他人と自分の区別が、ちゃんとついているように見える。

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